インタビュー:宮本英夫
2017年、デビュー30周年のアニバーサリーに、ついにZIGGYが動き出す。志を共にするメンバーと、10年ぶりの新曲を携えて。2月には森重樹一のソロツアー、3月22日にはZIGGYのニューシングル「CELEBRATION DAY」と、森重樹一によるZIGGYのアコースティック・カバーアルバム『ROCK&ROLL SWiNGERⅡ』の同時リリース、そして4月にはZIGGYの全国ツアー。怒涛の活動の中で、唯一のオリジナル・メンバー・森重樹一は何を考え、どんな未来を見据えているのか?
──この話をしている今日は、ニューアルバム『ROCK&ROLL SWiNGERⅡ』に連動したツアーの初日の、2日前です。このツアーはピアノ、ベース、ドラム、バイオリンという、特別なバンド編成で回るんですよね。
そうです。2年前にギターと歌、ピアノと歌の二人旅で全国を回ってみて、その形に慣れたというか。ステージがあってスポットライトがあって、というところばかりじゃなくて、お客さんと同じ高さだったり、スナックの照明みたいなかわいいピンスポのあるところでやったり、いい意味で体験できたので。
──もともと、3年前にリリースした『ROCK&ROLL SWiNGER』が、ZIGGYの曲をピアノ・トリオでカバーするというアコースティック・スタイルで作られていて、今回の『ROCK&ROLL SWiNGERⅡ』も、ツアーも、その延長線上にあるという。すっかり定着しましたね。
自分が53歳だから、お客さんの年齢層も、当時高校生とかだった人も家庭を持って、子育ても終わった方もいるだろうし。そうなると全部が全部、激しい曲ばかりじゃないものを聴きたいというお客さんも、それなりにいらっしゃるんじゃないかな?と。
──ニーズも変わってきている。
うん。自分も歌い手として、バラードとかを歌うのはすごく楽しいので。もともと最初に好きになった、マイクスタンドを持ってピンで歌っている外国のシンガーって、ロッド・スチュワートだったと思うんですけど。ああいうロック・スターなんだけど、渋い味わいのバラードも歌えるような人って、いるようでいないと思うんですよ。
──そうですね。確かに。
特にこの年になってみると、ロングヘア―で、50オーバーで、ロック然としたたたずまいでそういうことをやっている人は、いそうでいない。だから自分みたいに、ロックの不良な部分にあこがれてやっていた世代がそれなりに年を重ねて、何かを聴かせる時に、もともとの風情を残しつつ、渋みを醸し出しつつ、そういうことをやるのはいいんじゃないかな?と。ロックンロールって、そういう表現手段もすごく似合う音楽だと思うんですよ。ここから60代、70代と歌っていけるのであれば、継続性を持ってやれるスタンスじゃないかなと思ってるんですよね。