10月17日(日)16:00 ユニコーン@TACHIKAWA STAGE GARDEN
『ユニコーンツアー2021 ドライブしようよ』全27本の15本目で、東京都立川市のTACHIKAWA STAGE GARDEN 2デイズの2本目。自分がこのツアーを観るのは初日の8月28日(土)の森のホール21(松戸市文化会館)以来。その時の当連載はこちら。
≫ DI:GA ONLINE:兵庫慎司のとにかく観たやつ全部書く:第86回[2021年8月後半・フジロック3日間とユニコーンのツアー初日に行きました]編
ユニコーンは前回の2019年のツアーを「100周年だから尺は100分、100分経ったらランプが回って強制終了」というルールでライブをやった。そしたら「時間内に収めるようキビキビやる」「でも実は曲数そんなに削ってない」「この方がむしろよくない? 内容が濃くて」みたいな手応えがある、と、当時、ご本人たちは言っていた。
さすがに100分ではなかったが、みっちりと濃くてコンパクトだったこのツアーの初日を観て、「ああ、あの時の手応えを踏襲したんだなあ」と思った。全体の尺、短めでありながら、ニューアルバム『ツイス島&シャウ島』の曲、13曲全部やったし。
が、この15本目では、MCが伸びたりして、その初日の濃さに、ちょっとリラックスした部分が加わったように感じた。メンバーたちがライブを楽しめる度合いが上がった、というか。
なお、『ツイス島&シャウ島』のコンセプトが「ロックンロール」なので、ツアー初日にABEDONと奥田民生はリーゼントになっていたが、この日はEBIと川西幸一もリーゼント。特に川西さん、昨日は違ったのに、今日突然リーゼントになったそうで、メンバーも驚いていた。OT、川西さんを「みやぞん」、EBIを「吉田鋼太郎さん」みたいだ、と指摘。大笑いでした。
立川2DAYSありがとうございました❗️
お次は本日髪型がバリバリにイケてたあのお方の誕生日公演㊗️🎂
しかも、地元呉への凱旋ライブ✨
生配信もありますよ👩💻https://t.co/qyx7DtVzn2ロケローさんと仲間達のInstagram更新🎥https://t.co/997yTpZdRp#ユニコーン #ドライブしようよ #リーゼント pic.twitter.com/eYnEpa2mkp
— ユニコーン(UNICORN)公式 (@unicorntter) October 17, 2021
10月18日(月)19:00 ナイツ@国立演芸場
ナイツが毎年秋に行っている全国ツアー、気がついたら3年連続で行っている。今年は『キャホーと言いながら亭主が帰ってきた。』というタイトル。彼らの師匠である故・内海桂子の生前のツイートから選んで、毎年タイトルを付けている、というのは、ナイツのファンには周知の事実です。
で、今年観たのは、東京公演=国立演芸場3デイズの3日目。前座の赤もみじ、ゲストのホリ、企画のコーナー(オキシジェン三好によるナイツに関するクイズ)の他は、ナイツの漫才、全部で5本、で、最後に歌。5本の漫才、定番の鉄板のものも、新しい方法を試しているものも、どちらもとてもおもしろかった。あれだけラジオやって(週に6本)、テレビも出て、東洋館でもそれ以外でも漫才の舞台をやりまくって、それでもこうして新しいトライアルを続けているのって、すごい。と、素直に思う。
10月20日(水)18:30 宮本浩次@川口総合文化センター リリア メインホール
キャリアは30年を軽くオーバー、現在55歳にして、いちばん人気があり、いちばん世の中に注目され、いちばん広く深く愛されているのは、2021年である現在。しかも「ピークが来た」んじゃなくて「まだまだ行きそう」という、はっきり言って異常な状態を迎えているのが、今の宮本浩次だ。
最新アルバムは『縦横無尽』、47都道府県を回るそのツアーは『日本全国縦横無尽』というタイトルで、言い得て妙というか、確かにそのとおりだと思うが、『前代未聞』でもハマると思う。
で、そのツアーの初日を観て、『縦横無尽』で『前代未聞』である上に『天下無敵』でもあることを、まざまざと感じた。ものすげえパワー。1本目からこんなライブやってたら5本目くらいで息絶えるぞ、と言いたくなるくらいの全開っぷりだが、この人は全然息絶えない、下手すりゃさらにテンション上がっていく、ということを既に知っているもんで、ただただ楽しんだ。
あと、不思議なこと。ベテランのシンガーは、加齢と共にキーの上限が下がっていくし、喉のタフさも落ちていくものなので、書く曲もその範囲で歌えるものにしていくのが普通だと思うが、宮本浩次、そういう配慮を一切しない。限界ギリギリまで声を振り絞らないと歌えないような曲を、最新作『縦横無尽』でも書いている。「もっと楽に歌える曲を書けばいいのに」「でもそれをやらないから、今、こんなにすげえ声を聴けてるんだな、俺は」と思ったりもした、観ながら。
10月23日(土)17:30 フラワーカンパニーズ@日本橋三井ホール
フラカンが毎年夏から秋頃に行っているアコースティック形式のツアー『フォークの爆発〜座って演奏するスタイルです〜』、今年はそのタイトルに『おくのさんといっしょ』をくっつけて、キーボードで奥野真哉が加わった5人編成で、東名阪を回った。そのファイナルがこの日、フラカンにとって初めての会場である日本橋三井ホール。客席にもイスを出してのライブだったが、その席が、一つ飛ばしじゃなくてきれいに埋まっていている様に、コロナ感染状況の落ち着きを感じた。
『フォークの爆発』の時はいつもやっているカバー、今年はRCサクセション「お墓」、あいみょん「裸の心」、ニューロティカ「青いお空に」、ソウル・フラワー・ユニオン「そら」の4曲。奥野真哉がレコーディングにも参加している「日々のあぶく」や、奥野真哉のメロトロンが曲のサイケ感をブーストさせる「宙ぶらりんの君と僕」、ギター竹安堅一がマンドリンを弾き、奥野真哉がアコーディオンを弾く「夕焼け」などなど、この編成だとさらに映える曲、多数あり。
あと、このツアーに限ったことじゃないが、奥野さん、MC、おもしろい。そのおもしろさ、うつみようこ&YOKOLOCO BANDやフラカンではおなじみだけど、宮本浩次/エレファントカシマシや、布袋寅泰のサポートの時は観られない魅力だろうなあ、と、いつも思います。
10月24日(日)14:00 『UKFC Extra〜弾き語りの夕べ〜』@恵比寿ガーデンホール/Streaming+
UKプロジェクトの所属アーティストを中心にした毎年夏のイベント『UKFC』、今年は秋に、弾き語りイベントという形で、会場をそれまでの新木場スタジオコーストから恵比寿ガーデンホールに移して開催された。Streaming+で生配信もあり。
オフィシャルのレポートを書きました。SPICEに掲載されたのはこちらです。
≫ SPICE:ロックミュージシャンたちが弾き語りで集った『UKFC Extra〜弾き語りの夕べ〜』公式レポ到着
本当に本当に最高にすてきな時間、最後までたっぷりどうぞ☺️
本日18:00までチケット買えます👌
本日いっぱい楽しめますのでぜひ✨
👉https://t.co/oH1vob2I05photo:@AZUSA_TAKADA pic.twitter.com/wCjB9HqSR9
— UKFC Extra〜弾き語りの夕べ〜 (@UKFContheRoad) October 31, 2021
10月27日(水)18:30 The fin.、DURAN@渋谷クラブクアトロ
渋谷クラブクアトロが毎年やっている、対バン企画『QUATTRO MIRAGE』の中の1本が、この日。
最初はThe fin.。かなり久々に観たが(『ASAGIRI JAM』で観た記憶がある、と思って調べたら2015年だった)、良くてびっくりした。音が鳴っている間、何も考えられなくなるというか、ライブが終わって「あ、俺どっか行ってたわ」と我に返るというか。音楽自体も、ステージ上の佇まいも、ざっくり言うと淡々とした感じなのに、没入感、トリップ感が強烈。
で、DURANは、稲葉浩志や清春やスガシカオや小袋成彬など、あちこちでひっぱりだこのギタリストであり、バンドでの活動を経て、2018年からはソロ・アーティストとして作品をリリースしている。サポートでギターを弾いている姿は観たことがあったが(彼が初めてスガシカオのツアーに参加した時のライブはよく憶えている、すごいインパクトだったので)、ソロとしてのライブを観たのはこの日が初めてだった。
おもしろかった! 歌とギターの本人、ベース、ドラム、パーカッション、ホーンという編成で、ジャンルも手法も全部跨いでいくみたいに、自由自在に音を出していて。
なお、The fin.は11月24日に、DURANは11月3日にニューアルバムをリリース。これを書いている段階では、前者は12曲中5曲が、後者は全曲が、Spotify等にアップされているので、よく聴いています。
DURAN #LIVE 渋谷QUATTRO
いやぁもの凄かったなぁ、、ツアーもよろしく!
God bless you all!!!DURAN - vo, gt
Olivia Burrell - backup vocal
Shiho - drum
MASAE - bass, key
Kosuke Onizuka - sax
Panao - percussion pic.twitter.com/Io4ab6bs4f— DURAN (@THEDURANNAITO) October 31, 2021
10月30日(土)15:30 POTSHOT@LIQUIDROOM/ZAIKO
最初のMCでRYOJIが「絶賛解散中のPOTSHOTです」と挨拶していて、そうか、「解散」というのは「終わり」だけじゃなくて、「状態」を表す言葉としても使えるのか、でも確かに今のPOTSHOTってそうとしか言いようがないなあ、と納得した。2005年の解散以降、ちゃんと再結成して作品を作ったりするわけではないけれども、フェスやイベントから声がかかった時などに、時々ライブはやる、という。
今回のこれは、『POTSHOT 2021 26 YEARS OF SKA PUNK! TOUR』というタイトル。結成25周年と4thアルバム『POTSHOT a GO GO』のリリースから20年を記念して、2020年に行おうとしていたツアーが、コロナ禍でできなくなったので、2021年にやる、というもの。東名阪の3本、昼と夜の1日2公演で、昼の部は『POTSHOT a-GO GO』全曲再現プラスアルファ、夜の部は「25周年+1」をテーマにベストヒット的な選曲で行う、という趣旨だった。
そのファイナルの日=東京公演(ZAIKOで生配信もあり)の、昼公演を観た。トロンボーンのチャッキーは参加できないということで(確か4月にイベントに出た時もそうだった)、代打で「スカ君」こと須賀裕之が加わった編成で、『POTSHOT a GO GO』の16曲を1曲ずつ再現していくステージ。メンバーたちの楽しさ以上に、オーディエンスの、「うれしそう」を超えて「感無量」な感じに、ああ、POTSHOTが青春だったんだなあ、と、なんかしみじみさせられた。POTSHOTと言えば「ステージの上も下もおーおー歌う」のが武器のバンドであって、コロナ禍でそれができないのに、終始とても熱い空気だったし。
POTSHOT
26 YEARS OF SKA PUNK! TOUR
@東京LIQUIDROOM
無事終了。
本当にありがとうございました!楽しかった。。。
そして、、、
楽しかった!!!#POTSHOT pic.twitter.com/ZHCXcJCTHc— POTSHOT (@POTSHOT_crew) November 1, 2021
10月30日(土)18:00 木村充揮、ピーズ@横浜BAY HALL
『ROCKN’ ROLL CLOSET』という企画の40回目で、木村充揮とピーズという夢のような組み合わせ。このひとつ前に書いたPOTSHOTの昼の部が終わったのが16:50過ぎで、自転車でLIQUIDROOMから中目黒駅までダッシュして東横線に乗り、終点の元町・中華街駅で下りて歩くこと約20分、横浜BAY HALLに着き、階段を上がってドアを開けたら、ピーズの4人はステージでそれぞれの持ち場についていて、「もう始められるんだけど、予定時間より早いと怒られちゃうから」と、18時になるのを待っているところだった。よかった、間に合って。
で、ピーズ、「いつもだと老害とか言われてる俺たちですけど、今日に限ってはプリティ・ヤングですから」(はる)、「なんて日なんだよお、今日はあ! うれしいよお!」(アビさん)と、日本のブルースの生ける伝説との対バンを喜びながら15曲。11月1日(月)からライブ会場&通販で発売開始のミニアルバム『2021』の5曲もすべて演奏。
MCによると、最初は弾き語りでオファーが来たそうだが、はるがバンドで出ようと言い出して、アビさん大喜び、というような按配だったらしい。
そして、歌とギターとそれ以外のパフォーマンス(自分のギャグに自分で笑うとか、お酒飲んでばかりでなかなか曲を始めないとか)で、ファンを大いに喜ばせ、初めて観る人を大いに驚かせた木村充揮のステージの後半、ピーズの4人が加わってバンド編成になる。
その1曲目は、木村「キーはCやから」とだけ言って、「ジェリー・ロール・ベイカー・ブルース」を、ぶっつけ本番でプレイ(したのだと思う、ピーズの4人が木村充揮を凝視しながら手探りで演奏していたので)。そして「嫌んなった」「おそうじオバチャン」と憂歌団の初期の名曲を二連発、ラストは「上を向いて歩こう」のカバー。
このメンバーで聴けるなんて!木村さんとはるさんが交互に歌うなんて! という、超贅沢な時間だった。どちらも大好きな、終演と同時に、高校の頃に一緒にバンドをやっていた同級生(広島在住)に、「俺こんなの観たぞ!」とLINEを送ったくらいのうれしさでした。
ただし、「おそうじオバチャン」は、ピーズは本来のシャッフルのアレンジで練習して来て、サウンドチェックもそれで行ったのに、本番で木村充揮が急に8ビートのロックンロー・バージョンに変えたらしく、終わったあとにはるが「俺たちめちゃくちゃ練習して来たんですよ!」と言っていた。でも「幸せでした」とも言っていた。
2021.10.30
@横浜ベイホール
「RRC vol.40」
木村さん、ピーズさん!ご来場頂いた皆様、関係者、開催にあたりご協力頂いた皆様、ありがとうございました。
40回目に相応しい笑顔で溢れた最高の時空間でした。
まだまだコロナ前の状況には戻れないけど少しづつ前進していきます。
#木村充揮#ピーズ pic.twitter.com/GKRwCeL7IH— Rock'nRoll Closet (@rocknrollcloset) November 3, 2021
10月31日(日)17:30 斉藤和義@東京国際フォーラム ホールA
コロナ禍で開催できなかった2020年のツアーと、2021年のニューアルバム『55 STONES』のツアーを合わせて行う、という趣旨の『KAZUYOSHI SAITO LIVE TOUR 202020 & 55 STONES』のファイナル、東京国際フォーラム ホールAの2デイズの2日目。
アルバム2作分というボリューム感に加え、ドラムとキーボードがこのツアーから参加した新メンバーだったり、フリーセッションの曲を設けたり、MCで2020年から凝り始めた自作ギターを3本紹介したり、アンコールの最後がメンバー全員のドゥーワップで終わったり、と、新しいトライアルに満ちたライブだった、と感じた。
11月4日(木)の、朝日新聞の夕刊にレポを書きました。朝日新聞デジタル、会員記事ですが、読める方はぜひ。
≫ 朝日新聞デジタル:(評・音楽)斉藤和義 アルバム2作分、多彩に進化
斉藤和義「202020&55 STONES」ツアーが無事に千秋楽!お越し頂いた方も、頂けなかった方もファイナル公演のプレイリストお楽しみ下さい。
2021.10.31(日)
東京・国際フォーラム ホールAhttps://t.co/GtDkMpfg2Z#斉藤和義(Vo,Gt)#山口寛雄(Ba)#真壁陽平(Gt)#平里修一(Dr)#松本ジュン(Key) pic.twitter.com/s8sBeGgG3u— 斉藤和義スタッフ (@saitokazuyoshi) October 31, 2021