9月18日(土)17:30 Caravan、GOMA@日比谷野外大音楽堂
『HARVEST 14th Anniv.“The Blessing”Caravan/GOMA The Jungle Rhythm SESSION』というタイトルのライブ。Caravanのマネージメント、HARVESTの設立14周年イベントであり、日比谷野音でのライブは、昨年はコロナ禍で無観客配信になったので、そのリベンジ。という意味合いもある、と思う。
最初にゲスト=ディジュリドゥ奏者のGOMAがライブをやって、次にCaravanがバンド編成でライブ(ベースが高桑 圭ではなく、それ以前に弾いていた伊賀 航だった以外はいつものメンバー)、そしてアンコールでセッションもあり。セッションの1曲目はCaravan+GOMA全員で1曲、CaravanとGOMAふたりで1曲、という構成だった。ちなみにGOMAのドラムは、Caravanのドラマーでもある椎野恭一。
この日、関東地方に台風が接近していて、直撃にはならなかったが雨は避けられない、相当降るかも、と覚悟して、フジロックレベルの雨具装備で向かったが、開演時には雨がやんでいた。その後も、かすかに降って、またすぐやんで、みたいな天候で、ポンチョを出すだけですみました。
で、そもそもCaravanと日比谷野音は相性がいい上に、GOMAも野外が合うので、GOMAのライブも、Caravanのステージも、アンコールも、「ああもう本当に気分いいなあ」ということを噛み締めている間に終わってしまった、そんな時間だった。
GOMAの時に前説もやったCaravan、自分のステージの時も、最初、ひとりで出て来た。で。こういう状況なのでいろいろ考えたが、今日こうしてライブをやることを決めた、ということと、来ることを決めたオーディエンスへの感謝を言葉にしてから、弾き語りで「サンティアゴの道」を歌い始めた。その始まり方が、なんかもうとにかくすばらしくて、「今日絶対最後まで最高なまんまだわ」と思った。で、そのとおりになった。
ライブ収録が入っていて、10月27日(水)から配信を行うそうです。詳しくはこちら。
https://caravan.zaiko.io/_item/343444
9月19日(日)17:00 GRAPEVINE@恵比寿ザ・ガーデンホール
ニュー・アルバム『新しい果実』のツアー・ファイナル(だったが、コロナ禍の影響で大阪が9月24日(金)に延期になったので、セミファイナル)、恵比寿ザ・ガーデンホール2デイズの2日目。ミニアルバム『覚醒』でデビューしたのが1997年9月19日なので、田中和将曰く「24歳の誕生日」の日でもあった。
いい意味でライブに当たり外れがない、環境や状況に左右されない、いつどこでどんな時でも、鉄壁にすばらしいライブをやるバンド、それがGRAPEVINEだが、そんな中にあっても、この日のライブ、特に、強烈にすばらしく感じた。
というのは、おそらく、この日、ここで、この状況で観れたせいだ。コロナ禍対応ですべて椅子席になった恵比寿ザ・ガーデンホール、初めて体験したが、とにかく観やすいし、聴きやすい。僕の席は最後列だったが、客席が階段状になっているので、とてもステージが近く感じた。天井が高くて、空間が広いので、居心地がいい。で、そういう空間なのもきっと関係あると思うが、音がやたらといい。でかくて、かつ、細部までしっかり聴き取れる。
恵比寿ザ・ガーデンホール、座席じゃなくスタンディングだったとしても、普段ならGRAPEVINEがやるハコではない。このバンドの動員力からすると、小さすぎるので。コロナ禍のこの状況だから、椅子を出して、2デイズで、ここで追加公演をやることにしたのだと思う。観れてラッキーだった。
9月20日(月・祝)15:00 佐藤千亜妃@Billboard Live TOKYO
佐藤千亜妃がアコースティック編成でカバー曲を歌う、という趣旨のシリーズ・ライブ『VOICE』の5回目で、9月20日(月・祝)は東京、22日(水)は大阪のビルボードで、1日2公演開催。その東京の1公演目の方を観た。
1曲目は、キーボードの宗本康兵とふたりで、佐藤千亜妃は立った状態で、「花束のかわりにメロディーを」(清水翔太)を歌唱。ギターのアッキーこと藤田顕が加わった2曲目「瞳を閉じて」(荒井由実)から、座って歌う。
以降、本編は、「プラットホーム」(Salyu)「tears」(Fayray)「同じドアをくぐれたら」(BUMP OF CHICKEN)「落日」(東京事変)「Eternally」(宇多田ヒカル)「あなたに逢いたくて~Missing You~」(松田聖子)「Song for…」(HY)「糸」(中島みゆき)、というセットリスト。Fayrayが入ってくるあたりや、バンプからは「同じドアをくぐれたら」、東京事変からは「落日」を選ぶところなどに、佐藤千亜妃ならではのセンスを感じる。
あと、アコースティック編成である分、よりじっくりと味わうことができるが、この人の歌、つくづく魅力的だと思う。きれいな声だしうまいけど、バケモンみたいな声量でとてつもない歌声が放たれるタイプではない。普通の人の普通の歌声の延長線上にある美しさ・うまさ、という中で最良のやつ。ずっと聴いていたくなる。
アンコールは、きのこ帝国の「猫とアレルギー」と、リリースされたばかりの自身のセカンド・フルアルバム『KOE』収録の「リナリア」の2曲だった。後日、大阪のセットリストを見たら「金木犀の夜」と「カタワレ」だったので、「きのこ帝国から1曲、佐藤千亜妃から1曲」ということで、日によって変えたんですね。2曲ともうれしいプレゼントだった。
誕生日を迎えました🥳お祝いの言葉を沢山いただき嬉しいです!ありがとうございます✨
そして本日はカバーライブ"VOICE5"の東京公演でした🌹
ご来場の皆様、本当にありがとうございました!今年も歌えて幸せです☺️次は大阪公演◎
会場ではサプライズでバースデーケーキをいただきました🎂感謝感激✨
ち pic.twitter.com/LnNuqwjIXm— 佐藤千亜妃 Official (@chiaki_sato0920) September 20, 2021
9月26日(日)17:30 ニューロティカ・フラワーカンパニーズ@新宿ロフト
2022年1月3日(月)に、初の日本武道館ワンマンを行うニューロティカ、新宿ロフトでライブをやるのがもうすぐ通算300回になる、ということで行った『武道館deロックバカ やれるもんならやってみろ! 「ニューロティカ新宿LOFT出演300回カウントダウンシリーズ」』、全5本の5本目。294回=8月21日(土)ゲスト=ピーズを皮切りに、THE COLLECTORS、The Birthday、怒髪天と対バンして来て、5本目がこの日=298回目のフラワーカンパニーズだった。
フラカンは、ニューロティカ日本武道館へのエールとして、あっちゃん(イノウエアツシ。言わずと知れたニューロティカのボーカル)が経営する八王子のお菓子屋、ふじやへメンバー全員で行って、あっちゃんと座談会をし、撮影、この新宿ロフトの対バンのレポートと合わせて掲載する、という企画を、ファンクラブの会報で行った。で、私、そのライターとして、座談会に同行し、このライブを観たのでした。
ライブ、フラカンは、2010年に出たニューロティカのトリビュート・アルバムでカバーした「青いお空に」を演奏。お返しにニューロティカは、YouTubeの公式チャンネルにもアップされている「この胸の中だけ」をカバーする。その動画のとおり、曲の中盤の「今の自分と子供の頃の自分の会話」部分をあっちゃん流に大幅アレンジ。
出来栄えは見事なもんでしたが、ご本人、これをやるにあたって相当緊張したらしく、その緊張をメンバーに指摘され、語り部分の後半で「しっかりしろピエロ! 手が震えて(マイクを)両手で握ってるぜ!」と絶叫する。フロアも、袖で観ていたフラカンの4人も大笑い。いいイベントでした。
ロティカが好きです…久しぶりにお会い出来た先輩、そしてロフト。個人的に気負いすぎ、多々の失敗。失礼しました。が、やらして貰え幸せでした。参加された皆様にも感謝です。とにかく、とにかく、武道館。応援させてもらいます…微力ですが。皆様、来年1月3日は九段下集合です。 pic.twitter.com/0zjBjoEsFn
— フラワーカンパニーズ (@FlowerCompanyz) September 26, 2021
9月26日(日)18:00 エレキコミック@池袋あうるすぽっと/Streaming+
エレキコミック第31回発表会『Heartbeat Waltz』、今年は9月23日(木・祝)~26日(日)、池袋あうるすぽっとにて、6公演開催。コロナ禍なので規模や公演数は絞っているし、地方公演もないが、エレキコミックで年一回、エレ片(エレキコミックと片桐仁)で年一回、2020年も2021年もこうして開催し続けていること自体が、すごいと思うというか、並々ならぬ信念を感じる。
今回も音楽は曽我部恵一、宣伝や舞台で使う写真は平間至が担当。最終日の26日(日)は、14時の回も18時の回もStreaming+で配信された。配信チケットは2,400円で、10月3日(日)までアーカイブ配信あり。その18時の回の配信で観ました。
言葉の危うさ・あやふやさがテーマになった会話劇、コロナ禍の世の中におけるソロキャンプ、やついいちろうが仕事で巻き込まれたアクシデントをネタにした映像、「手術を怖がる少年のためのマッチングアプリ『Opairs』」、中学生ふたりがライブ配信をするネタ、などなど、時代を切り取ったコントが並ぶ、「リアル」と「おもしろい」の波状攻撃みたいな舞台だった、今回も。いや、「今回も」じゃないかも。「今回、特に」かも。重たくて大変な時代だけど、であるがゆえになおさら「この時代を描かなくてどうする!」という感じなのかもしれない、作り手として。
あ、ソロキャンプのネタでの、今立進の「『ミッドサマー』だよ、もうこれ」というツッコミと、やついいちろうの「26年後の僕に、ごめんなさい!」に、特に大笑いしました。
エレキコミック第31回発表会
「Heartbeat Waltz」
全公演終了しました!!
観に来てくれた皆さん、ありがとうございます!!配信も観てね!!10月3日まで観れますよ!https://t.co/dk9HpgK5WL#elekata #エレキコミック #レキシ pic.twitter.com/c1J6IgIlmq— やついいちろう (@Yatsuiichiro) September 26, 2021
9月28日(火)18:30 Age Factory@リキッドルーム
11月24日(水)リリースのニューアルバム『Pure Blue』に先駆けてリリースされている、「OVER」「AXL feat.JUBEE」「My own world」「Sleep under star」の4曲を携えてのツアーの最終日であるリキッドルーム、の翌日に行われた追加公演。
サポート・ギターあり、VJあり。先行配信の「OVER」でスタートし、本編はニューアルバムのタイトル曲「Pure Blue」で終わり、アンコールで「GOLD」「ロードショー」が追加された全22曲。7曲目の「AXL」で、同曲の音源に参加しているJUBEEが登場、その次の「Kill Me」にも参加。MCによると、東京だけでなく全公演に参加したそうで、初日は「AXL」だけだったが、もっと一緒にやりたくなって、2本目から「Kill Me」も追加したという。
というゲスト参加曲も含め、それ以外も含め、『Puye Blue』の曲も含め、もっと前の曲も含め、背筋をピッと伸ばして観てしまう、ダラッとした体勢で観ていたら失礼なんじゃないかと感じる、そんな時間だった。歌詞のひとことひとこと、各楽器の一音一音を聴き逃していかん感じがするというか、ステージの上で行われているパフォーマンスに真剣に対峙せねばという気持ちになるというか。
普段、ワイワイしていて楽しかったり、笑えたりもするライブを観ることが多いので、その中にあってAge Factory は異質だが、考えたら俺、ロック・バンドのライブに行き始めた10代の頃って、ワイワイ盛り上がったり笑ったりはしていなかったな、もっとシリアスではりつめた時間だったな、すげえ真剣に観てたよな。ということを、思い出したりもした。『Pure Blue』、楽しみです。
📷Age Factory @AgeFactory_
SLEEP UNDER STAR TOUR
恵比寿LIQUID ROOM 2DAYS全箇所とてつもないライブしてた最高のツアーでした。今日はよく寝れそうです。また次のツアーで pic.twitter.com/3NRpBbgNid
— Kazma Kobayashi (@2drider) September 28, 2021
9月29日(水)19:00 『湯布院奇行』@新国立劇場中劇場/ZAIKO
成田凌と黒木華による朗読劇。東京・初台の新国立劇場中劇場で、9月28日(火)19:00・29日(水)14:00と19:00・30日(木)14:00の4公演。3公演目の29日(水)19:00がライブ配信ありだったので、それで観た。ZAIKOで3,500円+手数料、10月6日(水)23:59までアーカイブ視聴あり。
成田凌と黒木華のほか、歌唱でコムアイも出演。原作は燃え殻がこのために書き下ろしたもので、それを佐藤佐吉が脚本にし、土井裕泰が演出。舞台上には成田&黒木&時々出るコムアイのほかに、音楽担当の日高理樹が常にいて、ギターや機材を操って、物語に生で劇伴を付けていく。さらに、物語の途中でかかる曲は、坂本慎太郎の「できれば愛を」や「幻とのつきあい方」や「君はそう決めた」。
主演のふたり、どちらもいい俳優だなあと前から思っていたのと、原作の燃え殻が知人で、よく仕事をしている(というか、よく仕事を振ってくれる)のもあって、「これは観ておかなきゃ」と思ったのが最初だった。が、「え、『逃げ恥』『花束みたいな〜』の土井裕泰が演出なのか!」「コムアイが歌うのか!」「え、音楽、日高理樹なの?(マネージャーが知人なのです)」「坂本慎太郎の曲を使うのか!」と、自分が興味を惹かれる要素が、あとからどんどん追加されていった。というのもあって、楽しみにしていた。で、実際、とてもよかった、演者たちも、脚本も、演出も。
生の劇伴や照明等の演出が効果的で、過去に自分が観た朗読劇よりも芝居寄り。自分が今、新しいものを観ている、という喜びのある舞台だった。
主人公は作家で、本業は「テレビ制作の下請けの下請け」、つまり燃え殻自身。その彼が、親交のある現代アーティストの「先生」の紹介で湯布院に行く、ということはその「先生」は会田誠だな。というふうに、自分自身の現実をモデルにして書き始める、しかし私小説かと言われると違う、現実を起点にどんどん発想が飛躍していく。というのが、燃え殻の作風なんだな、ということが、ある意味、小説以上によくわかる物語でもあった。
朗読劇『湯布院奇行』初日終わり。佐吉さんに、いままでの御礼が言えて嬉しかった。土井裕泰監督とお仕事をご一緒できている幸せをずっと感じている。佐井Pの執念に賭けてよかった。成田凌さんの真面目さ、姿勢、素晴らしい。黒木華さんの圧倒的存在感。コムアイさんの歌唱に鳥肌立った。 #湯布院奇行 pic.twitter.com/JHp3E0r2ME
— 燃え殻 (@Pirate_Radio_) September 28, 2021