今年6月にニューアルバム『Fetish』をリリース。00年代のUS/UKのギターロック、ダンスロックからの影響を独自のセンスと技術で昇華させた本作は、夜の本気ダンスの最高傑作として高い評価を得ている。現在は年末まで続く「AUTUMN JACK OF SEA TOUR」の真っ最中。そして2020年の初めには初のホール公演「AUTUMN JACK OF SEA TOUR~TYPE-E(FROG)~」[1/26(日)東京・LINE CUBE SHIBUYA (渋谷公会堂)、2/15(土)大阪・メルパルクホール]も決定!海外のロックミュージックとリンクした先鋭的にしてポップな音楽性、そして、スタイリッシュ&エモーショナルなパフォーマンスを武器にして活動の規模を広げ続ける4人に、バンドの現状とホール公演について聞いた。
──2019年6月にニューアルバム『Fetish』をリリース。夜ダンのルーツに改めて接近し、さらにアップデートされた作品だと思いますが、ライブでの手ごたえはどうですか?
米田貴紀(Vo/Gt)どの曲も自然体で演奏できるし、自分たちが好きなことをやっているという感覚がありますね。音源も聴き応えがあるし、ライブはまた違った楽しみ方があって。そういう強度を持ったアルバムなんだなと実感してます。
西田一紀(Gt)アルバムのツアーが終わったあとも、『Fetish』の曲がセットリストの中心になっていて。曲やアンサンブルのバリエーションが広がったことで、いろんな見せ方が出来るようになってますね。それはたぶん、ライブに来てくれる人たちにも伝わってるんじゃないかなと。
鈴鹿秋斗(Dr)30分のセトリだったら、『Fetish』の曲だけでも組めますからね。即効性もあるし、お客さんもすごく盛り上がってくれて。ライブがさらに楽しくなってますね。今日はヤバTと対バンですけど(この取材は10月24日、F.A.D YOKOHAMAで行われました)、ヤバTのお客さんにも楽しんでもらえると思います。
マイケル(Ba)(前回のアルバム)ツアーの初日の1曲目が「Ain’t no magic」だったんです。そのときが初披露だったんですけど、会場の高揚感がすごくて。その光景はすごく覚えてますね。
──制作時からライブの光景をイメージしていたんですか?
マイケルそうですね。「ライブで盛り上がる曲にしたい」というのはあったんですけど、それをさらに上回るというか、いい意味で予想外の反応もあって。いい感じだと思います。
──そして現在は、ライブハウスツアー「AUTUMN JACK OF SEA TOUR」の真っ最中。
マイケル今回はワンマンと対バンのツアーなんですよ。『Fetish』をいろんなバンドのファンの方にも届けたいし、アルバムツアーで回れなかったところも細かく行きたくて。『Fetish』ツアーの追加公演みたいな感じですね。
──対バン相手もバラエティ豊かですね。マカロニえんぴつ、ヤバイTシャツ屋さん、雨のパレード、ドミコ、さらにthe telephonesからビッケブランカまで、すごいふり幅で。
マイケルthe telephonesは再始動したときから、「ぜひ対バンしたいです」と言っていて。以前、向こうのツアーに呼んでもらったことがあるので、今回は“やっと”という感じですね。
鈴鹿前から知ってるバンドが多いんですけど、ドミコは初めてですね。あと、ビッケブランカさんは僕のゲーム友達なんです(笑)。よくゲームしてて、その流れでツアーに呼ばせてもらって。
米田活動歴が長くなってきて、いろんな場所でいろんなバンドと出会ってきて。ずっとそうだったんですけど、今回のツアーは「このバンドと対バンしたいです」と自分たちから強めに言ったんですよ。メンバー自身がしっかり関わっていることだったり、バンド同士の関係性が見えたほうがお客さんも楽しいだろうし。ゲーム友達もいいですよね(笑)。ビジネスは関係なく、プライベートのつながりがある感じが。
──音楽的なジャンルを超える感じもいいですよね。
米田そうですね。音楽的な部分やジャンルの違いもお客さんにとっては楽しいと思うし。実際、ツアーもいい感じですからね。
──西田さんはどうですか?
西田えーと、一生懸命やってます。
マイケルシンプルやな(笑)。
米田(笑)。1本1本のライブを丁寧にやりたいなと。ツーマンだとかなりたっぷりやれますからね。僕らも伸び伸びやらせてもらってるし、それをお客さんと共有したいので。
マイケル対バンライブは刺激になるんですよ。自分たちだけでやってるとどうしてもマンネリ化するところがあるし、外部からの刺激をもらうことで、「よし、やってやろう」という気持ちになれるので。対バン相手のライブを観て、そのなかで見えてくるものもあって。マカロニえんぴつ、the quiet room、おいしくるメロンパンもそうですけど、ちょっと下の世代のバンドにも声をかけさせてもらって。勢いのあるバンドばかりだし、すごく刺激になりますね。相手のバンドにも何かを感じてもらいたいという気持ちもあります。
──なるほど。夜ダンはもともと、特定のシーンから出てきたバンドではない印象があって。だからこそ、いろんなタイプのアーティストと対バンできるし、つながれるのかなと。
マイケルそうかもしれないですね。僕らは京都のバンドで、東京にホームタウンがあるわけではなくて。東京のバンドだと、“(下北沢)シェルターが拠点で”みたいなことがあるだろうけど、僕らはそうじゃないですからね。いい意味で色が付いてないからこそ、幅広いアーティストと一緒にやれるし、いろんなバンドに声をかけてもらえるのかなって。
──そして来年の初めには初のホール公演「AUTUMN JACK OF SEA TOUR~TYPE-E(FROG)~」[1/26(日)東京・LINE CUBE SHIBUYA (渋谷公会堂)、2/15(土)大阪・メルパルクホール]も決定。ホールでのライブ自体、初めてですか?
米田学祭などはやったことがありますけど、席ありのホールは初めてですね。(ホール公演に向けて)もちろんメンバーも考えてますけど、ずっと一緒にツアーを回ってきたスタッフを含めて、何ができるか考えていきたいと思っていて。ただ、そんなにヘンなことはやりたくないんですよね。夜の本気ダンスを好きな人が会場に来て、ライブを観て「カッコ良かった」と思ってもらえる……それをホールでもやりたいなと。
西田ホールでワンマンをやって、会場がどういう雰囲気になるか、いまいちピンと来ないところもあるんですよね。いい塩梅になるように、いろいろやっていきたいです。
鈴鹿うん。普段のライブハウスはフィジカルに押せるんだけど、座席がある会場ではそうはいかないかもなと。もちろん、めっちゃ楽しみですけどね。お客さんをどうやって楽しませよう?ってずっと考えてるし、夜の本気ダンスの曲の良さを感じてもらえるいい機会だと思うので。
マイケル本当に初めてなので、たぶん、当日までどんな感じになるかわからないと思っていて。そのこと自体にワクワクしているし、バンドが大きくなる過程のなかで、ホールのライブは避けては通れないじゃないですか。ホールもしっかりやれるバンドでありたいですね。
──ホール公演ならではの演出もあるんでしょうか…?
米田どうですかね? ホール映えするような新曲を用意したいと思ってるんですけど、まだどうなるかわかりません(笑)。セットリストもこれからなので。
──とにかく、めちゃくちゃ楽しみにしてます!最後に夜の本気ダンスの2020年の展望について教えてもらえますか?
米田以前から言ってるんですけど、自分たちの地元の京都で何かやりたいと思っていて。これも具体的なことはまだ言えないんですけど(笑)、いろいろ考えているので、楽しみにしておいてほしいですね。
PRESENT
サイン入りツアーTシャツ(Lサイズ)を3名様に!
※転載禁止
受付は終了しました