MUNETAKA Vol.11 -SURVIVAL-
2019年7月23日(火) 川崎Serbian Night
「いつもの毎日に、胸高鳴る音楽を」というコンセプトで2018年12月から行われている、ディスクガレージ企画制作のシリーズ・イベント『MUNETAKA』の『Vol.11』が、7月23日(火)川崎Serbian Nightで行われた。今回は首振りDollsとGacharic Spinの対バン。この『MUNETAKA』、首振りDollsはたびたびブッキングされていてこの日で3回目、しかもこの翌日の7月24日には渋谷REXでKOKIと対バンするという2デイズ・スケジュール。なお川崎Serbian Night、私、初めて行ったのですが、川崎駅から徒歩5分だし、(見た感じ)300キャパぐらいでステージを観やすいし、いいハコでした。
で。首振りDollsもGacharic Spinも、個性が強烈なあまり「誰と対バンしても異種格闘技戦」「ジャンルでくくるの無理」な人たちであって、それが2つ揃うってどうなのよ。と思ったが、2アクトとも観終わって、はっきりとした共通点があることがよくわかった。
このライブを映像で、テレビとかPCで観ているとしましょう。という時に、
もし音を消して観ても、すっげえおもしろい。
というところが、同じなのだった。
もちろん「音いらない」というわけではない。どちらもすんごいテンションの演奏と歌なので音の破壊力たるや筆舌に尽くしがたいんだけど、もしその超強力な音がきこえてなかったとしても場がもってしまうくらいのライブだ、ということです。
見た目の華やかさ、表情、そして何よりもアクション。もう終始目が釘づけ。全員がフロントマンで全員がアジテーター、どちらのバンドも。
先攻の首振りDolllsは、3人という最少人数編成、しかもドラムのナオがボーカルということで動きに制限があるはずなのに叩き方も歌い方も強力に目を惹きつけるし、ギターのジョニー・ダイアモンドは終始暴れまくりだし、ベースのショーン・ホラーショーもがんがん前に出るし。ボーカルが歌っている時に他のメンバーが平気でその前に立つバンド、なかなかいないと思う、というかほかに観たことありません、私。
というテンションにGacharic Spinのファンも巻き込まれたのか、頭3曲終わってナオが「サンキューありがとう首振りDollsですよろしく!」と挨拶すると、大歓声が返ってくる。ナオ「すごい楽しい!」。
Gacharic Spinのファンは男性が「ガチャマン」女性が「ピン子」と呼ばれている、じゃあ首振りDollsはどうする? と考えて「首夫(くびお)と首娘(くびこ)」に決定──というMCで笑いと取ったり、「本物のロックンローラーになるために九州から東京までやってきました! 本物のロックンローラーになるためにコールアンドレスポンスよろしいでしょうか!」とアオリまくってから7曲目「悪魔と踊れ」に突入したり。
1曲目にやった「ロックンロール」を、8曲目でまたやる時には、「お察しのとおり最初にやったやつやるぜ!2回目だからもうわかるよなあ!」。確かに1曲目の時よりも目に見えて反応がいい。「まだ終わりたくない!」という言葉からスタートしたラストの9曲目「ティーネイジャーアンドロックンロール」では、3人の声にオーディエンスの大シンガロングが重なった。KISSみたいだった、そのさまが。しびれました。
首振りDolls SET LIST
01. ロックンロール
02. イージーライダー
03. 黒い太陽
04. PSYCHO CLUB
05. サンドノイズ
06. カラリカラマワリ
07. 悪魔と踊れ
08. ロックンロール
09. ティーネイジャーアンドロックンロール
さて、Gacharic Spin。これまで「第×形態」みたいにメンバーと編成が変わりながら……そう、たとえばギターがやめたら普通そのあとに加入するのはギターだけど、「ボーカルがやめたけど代わりに入ったのはキーボード(オレオレオナ)、その人とドラム(はな)が歌えるからふたりはボーカル兼任になって、さらにパフォーマー(ダンサー)をふたり加入させる」というようなことをくり返しながら、ここまで来たバンドなのです、ファンはご存知のとおり。
で、2019年4月に最新形態になった。17歳のアンジェリーナ1/3がマイク・パフォーマーとして加入し、ボーカル&ドラムのはながボーカル&ギターにパートを替え、ドラムは新メンバーのyuriが叩く、という編成。私、そうなってから初めてライブを観たのですが、もう「忙しいっ!」と言いたくなりました。どこを観ていいかわからない、6人とも常に全開すぎて。誰かに目を持っていかれている間に他のメンバーがやっていることを見逃す。歌うのは、はな・オレオレオナ・アンジェリーナ1/3の3人だが、曲によってはTOMO-ZO(Gt)もyuri(Dr)も歌うし。MCも然りでみんなしゃべるし。しかもみんな声でかいし。はなは、ギターを置いてハンドマイクになったり、ウインドシンセ(デジタルのサックス)を吹きまくったりするし。
あと、アンジェリーナ1/3、加入の時に「ステージ経験なし」と紹介されていたので、「未熟だけどパワーあるから」みたいな理由で入ったのかなと思ったら、めちゃめちゃ歌うしめちゃめちゃ動く。
唖然としました。これまでもパワフルすぎるくらいパワフルなバンドだったけど、その中でもあきらかにマックスだと思う、今のこの形のGacharic Spinが。
アンコールは、F チョッパー KOGAいわく「5分間腿上げする曲」である「WINNER」に、首振りDollsも加わって腿上げ、ステージの上も下も大変な運動量を記録して終了した。
Gacharic Spin SET LIST
01. 最後のピース
02. LosT AngeL
03. 赤裸ライアー
04. 夢喰いザメ
05. ハンティングサマー(オレオVo ver)
06. MorePower
07. Redline
08. ダンガンビート
<ENCORE>
01. WINNER
なおGacharic Spinはツアーの真っ最中、ファイナルは10月14日(月・祝)中野サンプラザホール。首振りDollsもニューアルバム『アリス』(ナオ曰く『聴いてくれたかしら?売れないと死んじゃうの!』)のツアー中で、8月30日(金)新宿LOFTワンマンが決まっている。
そしてイベント『MUNETAKA』の次回は、8月24日(土)に拡大版として行う『MUNETAKA SPECIAL 2019』。渋谷のTSUTAYA O-WEST/O-nest/O-Crest/duo MUSIC EXCHANGE/7th floorの5会場でサーキットイベントとして開催される。