9月8日(木)、TBS放送センターにて、来年3月より行われる舞台「ONWARD presents 劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season 花 Produced by TBS」の製作発表記者会見が行われた。
同公演の会場となる「IHIステージアラウンド東京」は、東京オリンピックをひかえて、全世界から注目を集めている東京の新名所・新豊洲にオープンする予定の新劇場。1300人以上の観客を乗せた状態で、なんと演目の進行に合わせて360°回転するという円形の客席が特徴だ。従来の演劇には欠かせない舞台転換が大幅に簡略化されるため、映画のような巨大なセットを組むことが可能になるだけでなく、観客はまるで作品の中に入り込んでいるかのような感覚で鑑賞ができる。
その「IHIステージアラウンド東京」のこけら落とし公演として上演されるのが、劇団☆新感線の代表作『髑髏城の七人』。劇団☆新感線の主宰者いのうえひでのりによる演出、座付き作家・中島かずきが手掛けた脚本で、1990年から上演されてきた戦国時代を舞台とした集団活劇だ。今回は、2017年から翌2018年までを“花・鳥・風・月”の4シーズンに分け、シーズンごとに異なるキャスト、脚本・演出で、全く違ったアプローチで『髑髏城の七人』を上演する。
第一弾 「Season 花」の出演は、2011年に上演された『髑髏城の七人』で捨之介を演じた小栗 旬を筆頭に、山本耕史、成河、りょう、青木崇高、清野菜名など新感線初参加となる顔ぶれや、2003年の『阿修羅城の瞳』以来13年ぶりの参加となる近藤芳正、そして古田新太、河野まさと、逆木圭一郎、村木よし子、礒野慎吾、吉田メタル、保坂エマといったお馴染みの劇団員も集結。約2か月半におよぶ公演に挑む。
今回の記者発表には、主演を務める小栗 旬、無界屋蘭兵衛役の山本耕史、天魔王役の成河、極楽太夫役のりょう、兵庫役の青木崇高、沙霧役の清野菜名、狸穴二郎衛門役の近藤芳正、そして劇団☆新感線からは、いのうえひでのり、中島かずき、古田新太らがかけつけた。
まずは、いのうえひでのりが「これまでは暗転時にお客さんの気持ちを途切れさせないように演出してきた。今回のシステムは劇団☆新感線にピッタリ。作品の中に入った感覚が味わえると思います。」とコメント。脚本の中島かずきは「荒削りだった90年の初演から磨き抜いてきた作品だが、”磨くにも限度があるな”と思っていたら、今度は劇場のシステムを変えるという挑戦をすることになった。磨けば磨くほど輝く『髑髏城の七人』という芝居に新たな状況を与えてくれた。」と、2人揃ってステージアラウンドを高く評価した。
出演陣にとっても、初の体験となるステージアラウンドでの演技だが、主演の小栗 旬は「劇場自体が1つのアトラクション。360度舞台では端から端まで走り切ってみたい。」とコメント。
これに対し山本耕史は「客席が周るということは、我々は舞台からはけられない(笑)。お客さんは心地良いけど、その分僕らは…。」と若干不安そう。
さらに、かねてから『髑髏城の七人』のファンだったというりょうは『お金のかかっている舞台だが、それに負けずにダイナミックに演じたい』と意気込みを語った。
新たな舞台への期待と不安を語る出演陣を尻目に、劇団☆新感線の看板俳優である古田新太は「皆さん”4D映画並みの臨場感”って言うけど、演劇はもともと3D。僕がオナラをすれば臭い。それより、この劇場の特徴はお客さんが途中で帰れないのが利点。」とベテラン演劇人らしいユーモアあふれるコメントで会場を盛り上げていた。
そんな「ONWARD presents 劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season 花 Produced by TBSは、2017年3月30日(木)から6月12日(月)まで「IHIステージアラウンド東京」にて上演される予定。上演を繰り返すことで洗練を重ねてきた名作は、新たな舞台と融合することで、一体どのような輝きを放つのだろうか。なお料金はS席13,000円、A席9,800円(全席指定・税込)、チケット発売日は2016年11月26日(土)予定している。
■IHIステージアラウンド東京公式サイト
http://www.tbs.co.jp/stagearound/
■劇団☆新感線
http://www.vi-shinkansen.co.jp/