2011.9.1 up
すごいものを見てしまった。
女王蜂のメジャーデビュー・レセプションパーティー「仮面の宴」。このライブで女王蜂は、常識とか性別とかジャンルなんてものをバチッ!と超越してしまう、凄まじく快楽的なステージを見せつけてくれたのだった。
“女王蜂って何?”という人のために少しだけ説明を。女王蜂は'09年、神戸で結成された4人組バンド。昨年の夏、フジロックの“ROOKIE A GO-GO”に出演したことをきっかけに話題を集め、鋭い感覚を持った音楽ファンの間で“すげえバンドが出てきた”と瞬く間に広がっていったニューカマーだ。ガレージ・パンク、ロックンロール、昭和歌謡、童謡、ブルースなどを混ぜ合わせた音楽性、そして何より、煌びやかなスター性をたたえたヴォーカリスト・アヴちゃんの存在感からは、凡百のバンド とはまったく異質の、圧倒的な個性がムンムンと伝わってくる。
さて、8月10日のライブに話を戻そう。この日の会場は歌舞伎町のど真ん中、風林会館の5階にある“ニュージャパン”。元グランドキャバレーというだけあり、真紅の絨毯、ゴージャスな照明、店の中央に置かれた花道など、淫靡なムードがたっぷり。“来場者は仮面着用”というドレスコード、静かに流れる山口百恵の名曲たち(『いい日旅立ち』『絶体絶命』など)を含め、 女王蜂にぴったりの妖しい空気に満ちている。
19時30分、ついに女王蜂が登場。やしちゃん(ベース)、ギギちゃん(ギター)、ルリちゃん(ドラム)に続き、花道の先(つまり店の真ん中)にアヴちゃんが姿を見せる。銀ラメのミニのワンピースとハイヒールをまとったアヴちゃんがセクシーに歩くだけで、観客の熱狂が一気に上がっていく。間髪入れず、演奏がスタート。とんでもない大音量とともに繰り出される楽曲--爆発的なサイケデリアと哀切なメロディ、ロックンロール本来の猥雑を併せ持った--によって、店内は一瞬にしてダンス・フロアへと変貌してく。色っぽさとダイナミズムがせめぎ合うバンド・サウンドも最高(ドレスの肩ヒモが落ちまくる“やしちゃん”がセクシーすぎる)。圧巻は「踊れる準備はできてんの?!」というアヴちゃんの煽りとともに放たれた「デスコ」(メジャーデビュー盤『孔雀』のリード・トラック)。頭と身体が気持ちよく開放され、すべてのオーディエンスがエンタテインメントの快楽に浸りまくっている。まさに“Brea onthrough to the other side”。一線を越え、向こう側へと突き進んでいく意思こそがエンタテインメントの本質であることを、彼らは自らの肉体で示そうとしてるのではないか--そんな思いが頭をよぎる。
10月には「第二回東名阪ツアー、単独三カ所公演『孔雀婦人』」も 開催。ギラギラのサウンドとともにあらゆる欲望を肯定してしまう女王蜂のステージをぜひ味わってみてほしい。人生変わるかもよ、ホントに。
Report by 森朋之
Photo by 鈴木万祐子
■LIVE
女王蜂 第二回東名阪単独公演「孔雀夫人」~紅色踊り子編~
2011/10/16(日)東京キネマ倶楽部
開場/開演 17:00/18:00
立見 ¥3,000(税込)
※3歳以上チケット必要、3歳未満入場不可
※ご入場時、別途ドリンク代(500円)が必要です
Thank you Sold Out!
■RELEASE メジャーデビュー盤『孔雀』 |
■女王蜂 OFFICIAL HOMEPAGE
■MOVIE
全国東宝ロードショー映画『モテキ』
メインテーマに女王蜂「デスコ」が決定!
2011/9/23(金・祝)全国東宝系公開
原作:久保ミツロウ「モテキ」(映画は、完全オリジナルストーリー)
監督・脚本:大根仁
音楽:オープニングテーマ フジファブリック「夜明けのBEAT」
メインテーマ 女王蜂「デスコ」
出演:森山未来
長澤まさみ・麻生久美子・仲里依紗・真木よう子
映画『モテキ』OFFICIAL HOMEPAGE
http://moteki-movie.jp/index.html