2011年から年をまたいで行なわれた全国ツアー「CORNERSTONE OF THE FORBIDDEN TOWER」の追加公演は渋谷公会堂2デイズ。映像を映す幾つかのモニターがオブジェのように無造作に配されたインダストリアルなセットの中、メンバーが次々に姿を表すと渋公は期待と興奮の大歓声。昨年、ギタリストにKaryu(ex.D’espairsRay)とギル(ex.ヴィドール)を迎え5人体制になったAngeloはこの初ツアーを経て、確たるメッセージとパワーを放つ強靭なロックバンドに進化していた。それを目の当たりにしたのが2月25日の最終公演だった。
PIERROT時代からの鉄壁のリズム隊、TAKEOとKOHTA、Angeloの世界を新たな色で彩るKaryuとギルのツインギターのスリリングな絡みあい、そして観衆をとりこにするカリスマ性を持つキリトのボーカル。全員の根底にある美意識、向かうビジョンが合致していることが鳴らされる音から伝わってくるから、その説得力はハンパではない。ヘヴィなサウンドに見え隠れするロマンティシズムが新生Angeloのスケール感と奥行きに繋がっている。キリトと弦楽器陣がアグレッシヴに動きまわるアッパーなナンバーでのパフォーマンスも場数を踏んできたメンバーならではのバランスと存在感。ツアーで5つのピースが在るべき場所にガチッとハマった印象だ。
「キ●ガイども!ぶっ壊そうぜ!行けるか!?」
40才の誕生日(2月24日)を迎えてもキリトのカゲキな煽りは健在。最新アルバム『BABEL』の曲を中心に、後半戦ではリリースされたばかりの新曲も披露された。
M1 LOVE STORY
M2 FEATHER
M3 My Strife
M4 THE TOWER OF BABEL
M5 霧雨頬を濡らして
M6 PLOSIVE
M7 White fury
M8 DECESE
M9 Gospel
M10 Manic State High Pressure
M11 Ruins
M12 Blind Light
M13 Calvary
M14 Forbidden Fruit
M15 HOLOCAUST
M16 REBORN
M17 MULTI PERSONALITY
--ENCORE--
EN1 光の記憶
EN2 WINTER MOON
EN3 MICRO WAVE SLIDER
EN4 SCRAP
「5人のAngelo初のツアー、今日が最終日です。成長しつつ一歩進んで二歩下がる(笑)、ウソウソ、どんどん化けていくのでこれからもよろしく!ツアー中に新曲も作って……いろいろな想いがこもっている曲です」
ニュー・シングル「Calvary」は新生Angeloの決意表明でもあり、このカオスな時代を生きている大事な人たち(ファンでもある)へ向けた歌詞が胸を打つ曲。破壊と再生を1つのテーマにしてきたキリトならではの不屈の精神が光る曲でもあり、いままで以上に踏みこんだメッセージが多くの人に届いたはずだ。
初期の名曲「WINTER MOON」で銀テープが放たれたアンコールでは全員が挨拶し、MCがスベることで定評のある(?)KOHTAは同じくしゃべると失笑を買ってしまうKaryuという仲間ができて心強そうな様子。キリトは新たなツアー(全国・香港・台湾ツアーが5月からスタート)が決定したことにも触れ、「4月1日の日比谷野音はここにいる全員、来るように。香港と台湾もわりと近いんで(笑)」と笑わせつつも、「このAngeloで天下とるからついて来いよ!!」と宣言。
エナジー渦巻くライブをみごとに締めくくった。
●Report by 山本弘子