webDI:GA LIVE REPORT



ZAZEN BOYS/MATSURI SESSION 2007.6.16(土)@日比谷野外大音楽堂

2007.07.19 up

ステージにゾロリと向井秀徳が現れると大きな歓声が沸き起こった。

その傍らで坊主頭の新ベーシスト、吉田一郎が客席に向って目礼をする。ある意味ではこの日のステージの最大の注目ポイントである彼は少し緊張しているように見えるが、どうなのだろう?

「やる気こそがいちばん重要」 と、向井は言った。
「まずはやる気を確認しないと始まらないです。いきなり音を合わせて、“おお、いい。上手いね。テクがあるね”ということだったとしても、その人が“どっちでもいいよ”というような感じであれば一緒にはできないですから」。
ツアー前のインタビューでそんなふうに語った向井の言葉に従えば、吉田一郎は「やる気」を認められてそこに立っているのだろうから、あるいは緊張しているように見えるそのたたずまいは、その「やる気」がほとばしって周りの空気を張り詰めたものにしているからか?

つい前のめりになるこちらの思いを諌めるように、たっぷりと隙間のあるグルーヴがうねるファンク・ナンバーから演奏は始まった。

ZAZEN BOYS
2007.6.16(土)@日比谷野外大音楽堂
セットリスト


 1. Take Off
 2. BRAIN CONSTRUCTION
 3. MABOROSHI IN MY BLOOD
 4. IKASAMA LOVE
 5. TANUKI
 6. CHIE chan's Landscape
 7. WHISKY & UNUBORE

 8. HIMITSU GIRL'S TOP SECRET
 9. HARD LIQUOR
10. YUKATA
11. DARUMA
12. 安眠棒
13. SEKARASIKA

14. NABE & SADA
15. The CityDreaming
16. I Don't Wanna Be With You

17. CRAZY DAYS CRAZY FEELING
18. COLD BEAT
19. FRIDAY NIGHT
20. RIFF MAN

EN1 AMAYADORI
EN2 KIMOCHI
ZAZEN BOYS 健在。その事実は、1曲目で確認できた。
もちろん、これまでと同じではない。が、ゴツゴツとした質感を感じさせながら、しかし切っ先の鋭いそのアンサンブルは紛れもない。その威力に突き動かされるように、ぎっしりと埋まった客席が揺れる。

そして、ステージが進んでいくなかで、新しいメンバー構成から生まれつつある新しいグルーヴの片りんが浮かび上がってくる。
アンコールまで含めて全22曲中、新曲が6曲。その片りんは、ツアーが進み、新曲がいっそう突き詰められていくなかで、より鮮明なものになっていくだろう。

ステージ終盤ともなれば、もはや野音は MATSURI の現場で、だからオーディエンスはそれぞれが勝手に高揚し、しかもバンドの強力な求心力の虜になっている。それは、生半可なライブの一体感というようなものを超えて、 ZAZEN BOYS という宇宙に連れ込まれてしまった因果の恍惚に溺れているのだ。

ツアーが進むなかで、この宇宙はさらに研ぎすまされた空気に包まれることになっていくのか?
あるいは、より渾沌としたうねりをはらんでいくことになるのか?

その行方は、おそらく向井にさえも定めがたいだろう。いや、定めがたいからこそ、彼らはツアーに出かけていくのかもしれない。
MATSURI の行方は MATSURI の現場でしか確認できないからだ。
ツアー・ファイナルとなる8月30日の SHIBUYA-AX で、われわれもまたその行方を確認せねばなるまい。

●Report by 兼田達矢




ZAZEN BOYS
INFORMATION

■LIVE
・TOUR MATSURI SESSION
 8/30(木) SHIBUYA-AX ●7/21 ON SALE

・ROCKIN'ON PRESENTS ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2007
 8/3(金) 国営ひたち海浜公園 ●SOLD OUT
 [問] ROCK IN JAPAN FESTIVAL 事務局
     0180-993-611(24時間テープ対応、PHSからは不可)


■RELEASE
 3rd ALBUM
 「ZAZEN BOYS III」(MATSURI STUDIO)
 ●NOW ON SALE

■OFFICIAL HOMEPAGE http://www.mukaishutoku.com/



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