破壊、喪失、蘇生、誕生、決意——。ハルカトミユキの3rd EP「そんなことどうだっていい、この歌を君が好きだと言ってくれたら。」は収録された5曲を通して、ひとつの物語が伝わってくるような作品に仕上がった。サウンドを削ぎ落すことによって“歌”がさらに際立っているところも本作の魅力。11月に開催されるワンマンツアーにも大いに期待したい。
——「そんなことどうだっていい、この歌を君が好きだと言ってくれたら。」、これまで以上に研ぎ澄まされて、しっかり焦点が合っている印象を受けました。
ハルカ(Vo,Gt)「フルアルバム(『シアノタイプ』)はきれいに作り込んだところもあったんですが、今回はもっと削ぎ落として、シンプルに表現してみたいと思ったんですよね。荒々しいところ、粗削りなところもあるかもしれないけど、そのほうが“ふたり”がもっと生々しく出るんじゃないかなって。ライブを重ねるなかで、“自分たちをもっと近くに感じてほしい”という気持ちもあったし」
——実際、音数も減ってるんですか?
ミユキ(Key,Cho)「減ってますね。音数が少ないほうが感情が伝わりやすいと思うし。あと、ライブを意識した音源づくりをしてみたくて」
——サウンドがシンプルになると、必然的に歌が際立ちますよね。
ハルカ「そうですね。ライブを通して歌が強くなったからこそ、もっと歌を際立たせたいと思ったのかもしれないし…。さっき“焦点が定まってる”と言ってもらったんですけど、私自身、歌の根本にあるものがはっきりと分かるようになってきたんですよね。“この曲ではこれを言いたい”ということがはっきりして、“そのためにはどうしたらいいか?”ってシンプルに考えられるようになって。たとえば「その日がきたら」は、“いちばん大切に思っているものって何だろう?”というところから始まってるんですよね。それは愛する人でもあり、私にとっては“歌”でもあるっていう」
——ミユキさんの作曲による「かたくてやわらかい」の創造力に溢れたサウンドメイクも印象的でした。
ミユキ「トラックを先に作ったんですよ。最初はもっと暗い曲になるかと思ってたんですけど、ハルカが仮歌を乗せたら、雰囲気が変わってきて。サウンドは洋楽っぽいんですけど、ハルカが歌うことで“和”の感じが入ってくるんですよね」
ハルカ「歌ってみたときに、倦怠感とかエロさが混ざってるような歌詞を書いてみたいなと思って。曲の雰囲気からインスピレーションをもらった感じですね」
——本作と同時にDVD作品「SCHOOL OF LOCK! 音楽室 LIVE SESSION #1 -ハルカトミユキ-」(ラジオ番組『SCHOOL OF LOCK!』で生放送され、Ustreamでも中継されたスタジオ・ライブの映像を収録)もリリース。11月のワンマンツアーも楽しみです。
ハルカ「音を削ぎ落とすことで、地味になるのではなくて、より強くなれたらいいなと思っています。そのためには私達自身、そして、歌をもっと強くしていかないと…。それを11月のワンマンで見せたいですね」
2014年11月15日(土) | LIQUIDROOM | 17:15 開場 / 18:00 開演 | スタンディング ¥3,300(税込) |
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オフィシャルサイト先行先着受付! ■受付期間:6月16日(月)18:00〜6月26日(木)23:59 |
3rd EP「そんなことどうだっていい、この歌を君が好きだと言ってくれたら。」
(Sony Music Associated Records)
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DVD「SCHOOL OF LOCK! 音楽室 LIVE SESSION #1 -ハルカトミユキ-」
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ハルカトミユキ(2014.6月号掲載 DI:GA interview)