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インタビュー
THE JAYWALK(2013.7月号掲載 DI:GA interview)

THE JAYWALK(2013.7月号掲載 DI:GA interview)

2013.7.8 up

強いから生き残るのではなく、賢いから生き残るのでもない。変化するものが生き残るのである。進化についての基本的な理屈はそういうことになっているわけだけれど、でも変化し続けるのは楽じゃない。とりわけ「安定」とう名のソファの心地良さを知ってしまうと、そこから立ち上がって違う場所へ踏み出すには月並みでないエネルギーが必要だ。が、と言って外からいきなり変化を求められて対応しきれず、氷河期の恐竜のようになってしまうこともある。となれば、変化を求められてそれをチャンスにしてしまえる強さがやはり必要で、それを補うのは「安定」のなかで培ったスタイルを次につなげていく賢さであるだろう。

THE JAYWALKは2011年、バンド名をJAYWALKから改め、また新たに２人のメンバーを加えて７人編成になった。それは、30年を超えるバンドの歴史で最も大きな変化であり、特にバンドの看板とも言うべきボーカリストとして馬渕英将を新しく迎えたことがバンドにもたらす影響の大きさは想像に難くない。しかし、その変化はバンドのバージョン・アップの大きな契機であったようだ。

「僕らもある意味では純粋培養というか、長いキャリアがあるとは言っても、このバンドしか知らないというところもあったから、最初は単純に“慣れないなあ”という感じはありました。でも、馬渕くんと一緒に演奏して新しいエピソードが積み重ねられていくことで、バンドとしての新しい個性が生まれてきてますよね」（知久）

「“みんなで新しいことをやっていこうよ”という雰囲気をメンバーが作ってくれていたし、今では７人全員がメインという感じのステージになってるからこそお客さんにも楽しんでもらえていると思ってるんです」（馬渕）

「今は、合体メカみたいな感じ」（知久）とリーダーは笑うが、従来の“ボーカリストとバンド”という固定的な役割分担ではなく、もっと流動的で有機的に７人のメンバーがそれぞれ個性を発揮することでバンドとしての魅力をよりいっそう際立たせる。そして、そんなバンドの状態を反映して、彼らのライブでは様々な編成やサウンド・スタイルを組み合わせた間口の広いロック・エンターテイメントして、とことんオーディエンスを楽しませてくれる。

「人生のなかのある時間を僕らのライブを観るために使ってくれる、そのお客さんの時間を無駄にしては絶対にいけないから、そのためには音楽のスタイルがどうとか個人のこだわりがどうとか以前に、ステージの進め方やMCまで含め、できることは全部やって僕らのライブに来てくれたことを絶対後悔させないような、そういうライブをやらなきゃいけないと思ってます」（知久）

間もなく始まる４年ぶりの全国ツアーでは、HPで募集したリクエストをもとにセット・リストを組み、さらには新曲も用意するという。30年のキャリアを経てなお進化の最中にある彼らの、生き生きとしたエネルギーを体感できる格別のステージになりそうだ。

インタビュー／兼田達矢