THE BOOMの「島唄」はバンドの代表曲というよりも日本を代表する名曲である。その「島唄」の発売20周年を記念して、THE BOOM自身の手によって新たにレコーディングされて、新しい「島唄」が誕生した。平和への祈りはもちろん、この20年間の様々な思いやバンドの今の思いが詰まった最新の歌でもあるだろう。4月からは全国ツアーも始まる。「島唄」レコーディングの経緯からツアーに向けての抱負まで、聞いていく。
── 「島唄」を新たにレコーディングすることにした経緯を教えてください。
栃木孝夫(Dr.)「発表した当時はこんなに大きな歌になるとは想像してなかったんですが、20年間歌い続ける中で、この歌が僕らを色んなところへ連れて行ってくれたし、いろんな経験させてくれた。その感謝の気持ちも込めつつ。と同時に、この歌に込められた沖縄の悲しみは今も変わらずあると思うので、この歌の使命をもう1回噛みしめながら、新たな曲として録りたかったんですよ」
宮沢和史(Vo.)「沖縄の手帳が何社かから出ていて、沖縄ならではの行事が掲載されているんですが、その中に『1月22日島唄発表』って書いてあって、びっくりしまして。そんな風に大事に思っててくれたことがうれしくて、その手帳を見た時に発売20年なんだ、新たに録りたいなって。“「島唄」があったから沖縄の音楽が知られるようになったよ”って、いまだに言ってくれる人がいて、そんな話を聞くことでも、その気持ちが強くなりました。ただし、アレンジを変えて、新しく生まれ変わらせるのではなくて、なるべく元の形のままのものを24年間音楽を経験してきた僕らが真摯に忠実にやるのがいいかなって」
── アレンジがほぼ同じであるだけに、逆に今のTHE BOOMの音楽性、人間性がそのまま歌の中に出ていると感じました。
山川浩正(B.)「THE BOOMの代表曲でもあるので、安易に変えられないというのもあったし、前より良くしなければいけないというのもありましたよね。メンバーの中にはこの歌への理屈ではない思いがあるので、4人がひとつになることで、いい形になったかなと思ってます」
小林孝至(G.)「一番多く演奏している曲でもあるんですが、『島唄』と対峙すると、すごい歌なんだなと実感するんですよ。壮大な曲だし、色んな国、色んな世代に聴いてもらえる曲だし、近いところではうちの母親が合唱部で歌ったりしているらしいし。そういう大きな曲であるだけに、これからも届け続けたいという気持ちは強いんですよ。正解があるようでない曲なので、その瞬間の気持ちをそのまま出すしかないなと思いながら演奏しました」
── 大サビの部分では“未来よ”などの新たに言葉も加わっています。
宮沢「元歌に忠実にやることがテーマではあったんですが、2013年にやる意味というか、20年目の今の思いを入れたいという気持ちもあって。あの叫び、祈りのようなものはアドリブなんですが、録ってからも、入れるべきかどうかさんざん悩みました。でもあれが今の気持ちの表れなら、残すべきかなと」
── 2曲目には沖縄のエイサー世界大会と世界ウチナーンチュ大会の応援の歌として制作された『シンカヌチャー』のTHE BOOMバージョンが収録されています。
宮沢「この曲もライブでやったんですが、盛り上がって、熱い気持ちになって、録りたくなった。世界ウチナーンチュ大会というのはブラジルやハワイにいる沖縄系の日系人が里帰りするイベントなので、沖縄の人、世界中のウチナーンチュ、そして僕のような沖縄を愛する者、みんなでひとつになりましょう、仲間になりましょうという歌なんですよ。20年間、『島唄』を歌ってきた今なら、ウチナーンチュ以外も仲間だよって言えるかなと。僕の願いはこの歌が今後、沖縄の運動会やエイサーの行事で歌われるようになること。今回、THE BOOMでやることで、沖縄だけではなくて、震災のことも含めて、みんなで痛みを感じたり、みんなで喜びをわかちあえたりする歌になったらいいなあと思ってます」
── 聴き手までをも集わせるようなパワーを感じました。演奏はどんな気持ちで?
栃木「新しい『島唄』みたいな気分はありました。『島唄』は沖縄を知り始めたころに試行錯誤しながら作ったんですが、それから20年たって、いろんなところで沖縄と関わってきて、僕らはウチナーンチュじゃないけど、シンカヌチャー(仲間)になれるんじゃないかなって」
── 4月からは全国ツアーも始まります。
小林「THE BOOMのライブを見たことのない人も、今回の「島唄」のシングルを窓口として、観に来てくれたらうれしいですね。今のTHE BOOMを感じてほしいです」
栃木「震災の影響で、『よっちゃばれ』のツアーが縮小されたこともあって、全国をまわるのは久しぶりなんですよ。それだけに24年目の今のTHE BOOMをしっかり見せていきたいなと思ってます」
山川「久しぶりのツアーなので、楽しみにしてくれている人もたくさんいると思うんですが、僕らも楽しみながら、THE BOOMの新しい形を見せられたらと思っています」
宮沢「夏にアルバムを出す予定で準備しているので、その中からも多くやっていきたいですし、『よっちゃばれ』の時にはツアーができなかったので、『よっちゃばれ』の曲もやりたいんですよ。だから久しぶりとは言えど、24年の歴史を振り返る懐かしさのあるステージではなくて、今現在のTHE BOOMを見てもらうツアーになると思います」
── このツアーが終わって、まもなくすると、バンドデビュー25周年になります。
栃木「ツアーが終わったら、その先のことも見えてくるかなと。25年はひとつの節目なので、支えてくれた人への感謝や続けられた喜びは伝えていきたいんですが、そこから更に続いていくTHE BOOMも見せたいですね」
宮沢「25周年はひとつの身近な目標として捉えていますし、そこまでの道筋も考えながら、曲作りもしてます。ただ、ツアーがうまく行かないとこには始まらないので、今は目前のツアーに集中していこうと思っています」
2013年4月20日(土) | 横浜BLITZ | 16:15 開場 / 17:00 開演 | 全席指定 :6,000円 (税込) |
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2013年5月18日(土) | Zepp Tokyo | ||
2013年5月19日(日) | 八千代市市民会館 |
受付期間:受付中〜 3/22(金) 18:00 ※規定枚数になり次第終了いたします |
2013年5月21日(火) | eggman(渋谷) | 18:30 開場 / 19:00 開演 | 全自由:6,000円 (税込) |
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「島唄」20周年記念
New Single「島唄」
(YOSHIMOTO R and C)
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