ニュー・ミニアルバム『ロックンロールドリーマーズ』のリリース・ツアー『ロッククライミングツアー』にかけて、ツアーの成功を祈ってボルダリングにトライしてみよう!という企画、後編です。前編で壁3面をクリアしたメンバー4人が(※ライター兵庫とディスクガレージ小林は3面目で脱落)、傾斜120度の難コースに挑みます。
ルールは、両手をかけるホールドは決められているが、足はどこにかけてもいい「足自由」。自由な分やりやすく思えますが、実は足も決められている「足限定」の方が、実はのぼりやすいことはここまでの3回で体得しています、4人とも。
「ツアー前にケガすんなや? ケガする思ったらやめや」とボーカル&ギターのヒジカタナオト、一同に忠告。確かに。
(取材/文・兵庫慎司)
(PHOTO・横井明彦)
傾斜120度の難コースに挑む!
ではまずエントリーNo.1、サワヤナギマサタカ(Gt)。壁を見上げるなり「うわ、これは無理な気がする……」とつぶやいていたが、壁にとりつき、先生の「はい、右手をそこに、次は左手を……」という指示で……おお、登って行く! 見ているメンバー一同、口々に「おおっ!」「すごい!」と称賛。そのまま高度を上げて行くが、腕は大丈夫だが足を置く位置をつかみかね……ああっ、片手がゴールにかかったところで転落! 惜しい!
次はドラムのニシバタアツシ、トライ。最初はスッと登っていくが……おおっ、ホールドに右ヒジをぶつける! 痛そう! 大丈夫か!? 仕事に支障が!
それでもなんとか登り続けるが、やはりガタイが大きい分大変そう……ああ、ゴール寸前で落下! やはり足の置き所が難しかった模様ですが、しかし、派手な落ち方です。
とは言うものの、とりあえず右ヒジ、ドラムプレイには支障ない様子で一安心。
そしてボーカル&ギター、ヒジカタナオト。傾斜に苦労しながらも、先のふたりよりも身軽に登っていく、速い速い! あっという間にゴールに片手で触った……その瞬間に落ちた!
落ちたヒジカタ、「ムズかった……これ、成功者、出るんかなあ……」。
その言葉を受け、「俺が成功したら1位やな」と壁に向かうもっとも身軽な男、ベースのタケムラカズキ。「でも確かにいちばん素質あるっぽいしなあ」「うん、身が軽いし」「子供の頃尼崎であんな遊びばっかりやってたんちゃう?」と、そのセンスを認めざるをえないメンバー3人が見守る中登り始めるが……。
素人目でもわかるほど身が軽い! スタートしてすぐ、みんな「あ、これ行けそうや」「行くわこれわ」と口にするほど、ひょいひょいと登っていく。一度落ちそうになってヒヤッとさせたり、足を置く位置に戸惑ったりしつつも、ゴール寸前で安定した足の位置をキープ。「ああ、そこに足のっけたらいけたんかあ」と、ヒジカタは己の失敗を反芻。
そして、ゴールを左手でつかみ、そして右手も! ゴール!
サワヤナギ・ニシバタ・ヒジカタ、「おおっ!!」と歓声、大拍手。「楽しい楽しい」と言いながらスルスル下りてきて、途中でパッと飛び降りて着地するタケムラ……かっこいい。
「これで順位、はっきり決まりましたね……僕がビリ、ゴールに触れんかったし」とニシバタ。
ここで渡部先生のデモンストレーション。同じ壁を……うわ、ほとんど足を使わず、腕だけで登って行く! メンバー4人、口々に「うわあ!」「すげえ!」とただただ感嘆。タケムラも「これは無理やあ……」とボソリ。「今日、スパイダーマンのコスプレして登ろうかとか言うてたんですけど、やらんでよかったあ(笑)」とサワヤナギ。
そしてさらにもう一面、このジムには130度の壁もあります。しかもホールドが小さい! 先生曰く「世界基準の壁です」。メンバー、ちょっと壁に近寄ったり触ったりしてみるも、「あかん!」「こんなん絶対無理や!」「(先生に)どうやって登るんですか?」。
登ってみせてくれる先生……ちょっとどうかと思うくらいこちら側に傾いた壁を、スイスイ登って行く。もうほとんど忍者です。
王者タケムラ、トライしてみるが、これはさすがに無理。でも壁にしがみついて上に登っていく、その最初のスタートはできました! すごい。
先生「1年通えば登れるようになりますけど、タケムラさんならもっと早いでしょうね」