バンドマンよ、なぜ走る[グッドモーニングアメリカ たなしん編・前編]

スペシャル | 2016.09.20 19:00

バンドマンよ、なぜ走る[グッドモーニングアメリカ たなしん編・前編]

インタビュー/兵庫慎司
撮影/横井明彦

グッドモーニングアメリカ たなしん編・前編「フルマラソンは誰でも完走できる」

東京マラソンが始まって来年2017年で丸10年、日本各地で一般参加OKのマラソン大会や駅伝大会が開催され、国内のマラソン人口は2,000万人以上という説もある現在。音楽の世界でも同様で、走るたびにその様子をツイートする人、ツアー先でも走る人、大会に参加する人などなど、さまざまなミュージシャンが日々走っているようです。というわけで、走っているミュージシャンに、まさに「走ること」について話してほしい! というコーナーを考えました。
 
その初回(って今後も続くかどうかまだわかりませんが)、オファーを快諾してくれたのは、グッドモーニングアメリカのたなしん。昨年10月の大阪マラソンに出場、初のトライだったにもかかわらず見事完走した彼に、「走ること」についてうかがいました。前後編に分けてお届けします。
 
なお、撮影もインタビューも、彼が普段走っているという都内某所の公園です。ちなみに、「ならばインタビュアーも」ということで、相手は週3回、1回 7km~10kmペースで走っているという音楽ライター兵庫慎司氏。この公園にも家から走ってきたそうで、汗びっしょりで現れました。

たなしん

【右】たなしん
グッドモーニングアメリカのベーシスト。ド派手なビジュアルと、常にアッパーなパフォーマンスでライブを盛り上げるバンドのムードメーカー。ファイヤー!

【左】兵庫慎司
音楽などのフリーライター。DI:GA online、DI:GA、RO69、ROCKIN’ON JAPAN、リアルサウンド、SPICE、SPA! 等に寄稿中。

【走る理由は、自然を感じたいから】

兵庫 走り始めたのっていつ頃ですか?

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えーと……大学時代くらいには、走り始めていたかもしれません。当時からルームメイトがいて──TOTALFATのドラムのBuntaと、大学2年生の時からルームシェアを始めて。俺のバンドが休止して、「自分を見つめなおしたい」みたいなことで実家に帰った時期が、2年くらいあったんですけど。それ以外はずっと長く暮らしてて、今も一緒に住んでるんです。

で、彼の影響で……彼がドラムで腰を痛めたことがあって、その時から意識的に走り始めたのがきっかけで、一緒に走るようになって。最初はただ付き合いで走ってただけなんですけど、それでちょっとクセになってしまった、というのがきっかけです。

兵庫 バンドマンで走る人って、ライブをやるために充分な体力を維持したいから、という人も多いんですけども。

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僕はそうではなかったです。走る人それぞれによって、たぶん目的って違いますよね。たとえばダイエットのためだったりとか、ストレス発散だったりとか、Buntaみたいに治療のためだとか。で、僕の場合はきっと、自然を感じるのが好きだから走ってるんだと思います。だから散歩でもいいんですけど、走る方がぜいたくな気がするんですよね。

兵庫 じゃあ都会を走るのはあんまり好きじゃない?

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そうですね、自然のあるところのほうがいいですね。もっと言えば地方のほうがめちゃめちゃ好きです。ツアーで地方に行って走る時が、もう最高ですね。できることならば、ツアーに行ってる時は毎日走りたい。その土地その土地で、朝起きてすぐか、深夜か……まあ、やっぱり人がいない時間のほうがいいですね。だから京都とか大阪、名古屋、福岡になると、深夜を選んだりしますね。

兵庫 距離は?

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地方に行った時は、あんまりキロ数とか考えてないです。気がすむまで、というか。まあでも、15kmとか20kmとかになることはないですけどね。長くて10kmぐらいかな。

兵庫 東京にいる時は?

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東京にいる時は……先月は、月に50kmって決めて走ってたんですけど。それは体力をつけようっていう目的があったからなんですけど、それ以外の時は、特に決めてないです。ペースは、少ない時は週1回、多くて週4回ぐらい。距離は1回5kmから8kmぐらいが平均ですね。

【初のトライで42.195kmを完走】

兵庫 フルマラソンに出て完走されたんですよね。

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はい、去年の大阪マラソンに参加させてもらって。4時間半ぐらいでしたね、タイム的には。これは、半分受動的っていうか、FM802から提案があって。去年は11月に日本武道館公演があって。「挑戦」っていう企画だったんですよ、その武道館が。それでいろんなことに挑戦してた、っていう流れもあって、FM802からお話があって、「じゃあちょっとやってみようかな」って。

兵庫 それまで練習で、42.195kmを走ったことは──。

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なかったです。初めての体験でした。

兵庫 ええっ?それ用にトレーニングは?

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いや……10月の末がその大会だったんですけど、9月の中旬くらいに、また別のチャレンジ企画で「武道館でバク転を成功させる」っていうのがあって。その1回目の練習の時に、足にヒビが入っちゃったんですよ、着地に失敗して。だから本番の1週間まで走ることができない、普段のランニングもできてない、っていう状況だったんです。

だから、フルマラソンを走りきれるかどうか、僕も不安だったんですけど……よく言われるのが、20キロ走れれば完走することはできる、と。みんなが目安としてそう言っているのを知ってたので、1週間前に20キロ走ってみたら、とんでもなくつらかったんですよ(笑)。まだ足が痛かったし。でも完走はできたので、いけるんじゃないか、という気持ちで、本番を迎えました。

たなしん

兵庫 よく完走できましたね。本番、いかがでした?

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走ってみて……誰でもできるんじゃないか、というのが感想です。

兵庫 ええ?絶対無理だと思うんですけど、僕。

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いやいや、絶対できますって。家からこの公園まで走ってきたっていう段階で(笑)。結局、気持ちの問題だと思うんで。そりゃあ、普段まったく走ってない人だったらハードルは高いかもしれないですけど、普段からそうやって走ってる人だったら絶対大丈夫だと思います。

全然走れますよ?俺はべつにフルマラソンどうしても走りたいって目標を掲げてたわけでもないし、それに向けてトレーニングをやってたわけでもなかったのに走れたんですから。って思うと説得力あるでしょ?

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