グッドモーニングアメリカ 渡邊幸一、たなしんの初めて行ったライヴは？
編集部：渡邊幸一さん、たなしんさん、初めて行ったライヴを教えてください！
渡邊幸一＆たなしん
「TOTALFAT」
渡邊幸一（Gt/cho） これ、僕とたなしん、一緒なんですけど。
僕ら同じ高校で、1年生の時……僕はまだバンドやってなくて、彼（たなしん）はまだ楽器すらやってなかった頃に……TOTALFATってバンドのShun（Vo/Ba）とBunta（Dr/Cho）が同じ高校で、仲よくなったんです。
僕、その頃八王子に住んでて、「八王子なんだ？俺ら八王子でライブやってんだよね」「へえー」みたいな。
ライブハウスって八王子にもあるんだ？みたいな。趣味でアコースティック・ギター弾く程度はやってたんですけど、自分でバンドを組むとか、ライブハウスに行くっていう文化も知らなくて。
で、TOTALFATのふたりに誘われて行ったのが、初めてのライブで。
その時にもう……なんて言うんでしょう、もう今味わうことはできないと思うんですけど。
ライブハウスって初めて行く時、ちょっと怖いイメージあるじゃないですか。
で、そういう気持ちで行って、ライブを観て、爆音を浴びて、すごい興奮して、帰ったら1日耳鳴りがとれなくて、みたいな、すごい刺激的な異世界に触れた、その感じが印象的で。
その時彼らはもうTOTALFATだったんですけど、それが初めて観たライブですね。びっくりした、同級生がステージに上がってて。
たなしん（Ba/Cho） 俺も初めて観たのはTOTALFAT。
しかも、当時の八王子のライブハウスって、対バンとかも、ロックンロールでリーゼントとか、モヒカンの人とか、普通に生きてたら会えないような人たちもいて（笑）、「怖え！」みたいな。
同級生がそんな人たちと同じステージでやってんだ？って。
自分がそっちになるとは、その時はまったく思わなかったです。
──TOTALFATは当時から今みたいな音楽性だったんですか？
たなしん そうですね。メロディック・パンクというか…。
渡邊 NOFXのカヴァーしたりとか。
たなしん ああ、してたね。かっこよかったなあ……その頃まだ、そういう音楽を聴いたことなくて。
渡邊 知らなかったんです。英語の曲もほとんど聴かなかったし。J-POPとか聴いてて。
たなしん だからパンクとかサブカルチャー的なものにそこで初めて触れて「かっけえ！」って思ったんですよね。それが衝撃でした。
渡邊 それでよく観に行くようになって、いろんな人と仲よくなったりとか。そのライブハウスの1階下がスタジオで、隣のビルにはもうひとつライブハウスがあって。学校は違うけど、そこでつながった同じ世代の子たちが集まったりとかしてて、それで僕らも「バンド組もうか」みたいな感じになっていくんですね。
たなしん 俺、当時、千葉に住んでて。学校が多摩地区の武蔵小金井で、そこまで通ってたんです。だからわざわざ八王子まで行って。
渡邊 東京を横断してた（笑）。端から端まで。
たなしん でもそれくらい、すごい吸引力があって。八王子に行きたくてしょうがなかったですね。終電が23時10分なんですよ。だから最後のバンドを途中まで観て、走って駅まで行く、みたいなのが何回もあって（笑）
そんな中でダイスケさん（ダイスケはん/マキシマム ザ ホルモン）とかいて、そういう人たちのライブも超かっこよくて。
しびれましたねえ。かっこよかった！ホルモン、ヤバかったもんなあ、当時から……お客さん少ない時もあったんですけど、「これはヤベえ！」と思ってましたもん。で、ホルモンTを買って…。
渡邊 ああ、みんなで着てね。
たなしん で、俺、地元の千葉に帰って、ホルモンTでコンビニのバイトしてて、先輩とかに「なんでおまえそんなダサいTシャツ着てんだよ」ってすげえ言われてて（笑）。なんか悔しくて、「絶対見返してやる！」とか思ってて。大好きだったんで。
渡邊さん、たなしんさん、八王子での青春時代のエピソードをありがとうございました！
