ポジティブなエネルギーに満たされていったパフォーマンスの後は、トークで爆笑。
この後のトークタイムでは、まず虎が「お前らが“肉まん”、“肉まん” (注:「分かんない人は『ニコ生』みて!」と虎)っていうから、肉まん買いにくくなったわ」といい、たまに食べたいと思っても、肉まんを買ってるところを撮られでもしたら「“本当に肉まん買ってたワロタ”とかツイッターにあげられそう」といって、ファンの笑いを誘った。
そのあと、沙我の家が豪華だという話題から「東京ドーム何10個分だっけ?マイケルみたい“沙我~ランド”作れば?」と将が悪ノリすると、最近“ノーズマウンテンの会”で盛り上がっている沙我らしく「ランドのなかは鼻の高い人ばかりが住んでる」と返し、場内を盛大に笑わせた。
「この後、何かが起きます。まずは等価交換として君たちが何かを起こすしかない。お前らの最高のジャンプと声を聞かせて下さい!」と将が呼びかけ、「RAINBOWS」が鳴りだすとファンが一斉に“Aジャンプ”。
それに応えるように、アルバムの“パリピ”ナンバー「UNDEAD PARTY」では、曲間にNaoがサングラスをつけてフロントに乱入!
前回のツアーの“サンシャインNao”のパフォーマンスに続いて、今度は将と肩を組んで1本のマイクで観客を煽りまくって、熱狂へと導いていった。演奏を終え「フロント出るのって楽しいぃぃぃ!」と絶叫するNao。
そのテンションを引き継ぐようにA9の切込隊長・ヒロトが「白いライトつけてるヤツ!将さんと(ちょっぴり小声で)おSEX‥したいだろ?ピンクのヤツ!Naoさんとジャスティスしたいだろ?パープルのヤツ!沙我さんの服脱がしたいんだろ?黒いヤツ!虎さんと肉まん食べたいだろ?赤いヤツ!(やさしい口調で)あとで裏においで」と絶好調の煽り文句でフロアのテンションを上げてから、アルバム曲「Adam」、「闇二散ル桜」を挟んでさらにアルバム曲「荊棘」とつないだ本編エンディングの流れはファインプレー。初演にして最新最強の盛り上がりを叩き出した。
アンコールは「朱い風車」で幕開け。曲中、ファン全員が隣の人と手を繋いで左右に揺れ、場内にシンガロングを響かせると、それを愛おしそうに見つめていた将が「すごい感動させられちゃった」とつぶやいた。
「そんなみんなの心を満たしたいと思ってこの曲を入れました」と言ってパフォーマンスしたアルバム曲「ONE」で、初披露とは思えない一体感あるジャンプでノリまくるお客さん。
それを見て、将が「ライブって素敵だね」と友達に話しかけるような雰囲気でファンに話し始めた。
「毎日バタバタして、生きるのに必死なのに。そんななかで、この日本っていう島国で、大して売れてもいない僕たちみたいなロックバンドを見つけてくれて。高いチケット買ってくれて、よくわからない手数料まで払って(笑)ライブに来てくれてさ。普通のことじゃないと思う。俺たちは“ライブ来て下さい”って普通にいうけど。特別な日なんだってことを伝えたくてこの曲を作りました」
と溢れ出す想いを伝えた後、始まったのはアルバムに収録されたバラード「輪廻と一夜の物語」だった。ヒロトのイントロのギター、“失敗作に思えたこの人生がきみという存在で報われる気がするんだ”、“平凡な奇跡にキスを”という一節が、さっきの将のMCと重なり合い、胸を震わせる。場内には涙を流すお客さんもいた。
最近、自分たちを取り巻く環境が著しく変化した彼ら。「でもこの5人、13年間のなかでいまが一番幸せです」と話す将のコメントを聞いて、ファンの間には安堵の表情が広がる。
「みんなで作り上げていくこの瞬間をずっとずっと作り続けていきたいなと思います。これからも最高の未来をみんなと見ていきたいし、作っていきたいです。では、最高に素敵な4月12日をありがとう。最後の曲です」といって彼らが演奏したのは「PRISMATIC」。あなたの“その一挙手一投足が 僕を形創る”と将がやさしく歌うフレーズがオーディエンスとの関係をより一層濃厚に高め、あたたかい感動を呼び起こしていったところでライブは終了した。
アルバムツアーなのに、初日からこんなにいいセットリスト、いいツアーだと思えるライブは本当に珍しい。
過去の彼らの定番曲となんら遜色のない形で最新A9ソングが同居する本ツアーは、どれもが“定番曲”的存在で、昔ファンだったという人と新しくファンになった人、その両者が同じ感覚で楽しめる奇跡的なツアーになっている。
昔は知ってたけどライブはご無沙汰という人、またA9ってどんなバンドなのか分からないという人はぜひともこのツアーを観ていただきたいと思う。
メンバーソローショット&セットリスト