そして最後にいよいよオリラブ登場。SEにのって田島と“オリラブ史上最強”とも言われるメンバー達が登場。
ライブは前回のLove Jamでも披露した「The Rover」でスタート。実はもう20年以上昔の曲なのに、この曲はライブでやる度に今もどんどん進化してるというか、新しい曲に聞こえてきてしまうという不思議な曲だ。会場の雰囲気も明るく楽しく踊れるスクービーから一転し、すぐにオリラブワールドに染まり、ゆっくりとお客さんがみんな揺れ始める。
そして次にやったのは「It’s a Wonderful World」。そう、23年前の名盤「風の歌を聴け」の1曲目と2曲目を立て続けにやったのだ。まわりの古くからのオリラブのファン達が大きな歓声を上げていた。
そのあとに「ブロンコ」であの素晴らしいファルセットボーカルを響かせ、そして「フィエスタ」ではお客さんみんなのセカンドライン手拍子で会場をお祭りのようなグルーヴで包みんだ。そして「JUDGEMENT」、「心 ANGEL HEART」と続き出すと、次第にまわりのオリラブの往年ファン達がずっとざわざわと興奮した感じになってきて、曲のイントロが鳴るたびに驚きの歓声をあげているのがわかった。要するに今回オリラブは「EYES」「風の歌を聴け」「RAINBOW RACE」という93～95年リリースアルバムの中の曲を、立て続けに披露したのだ。
活動の長いバンドが自分より若い世代のバンドと対バンする時は、自分達のヒット曲や誰でも盛り上がれるような曲を持ってくるのが普通だし、前述した3作品の頃には今の若い人達も知ってるオリラブのヒット曲もいくつかある。でも、この夜のオリラブはそういう分かりやすい曲を選ばず、かと言って懐メロで往年のファンを喜ばすという意図も全く無く、「20年以上前の曲でもオレ達はいつでも最新型のグルーヴを作れるんだぞ」と言う事を僕たちに見せつけにきてる様なパフォーマンスだった。それは逆に言うと、ベテランの大人のミュージシャン達が若者達の前で最もチャレンジングなライブに自ら進んで挑んでるという事になる。オリジナル・ラブとはそういうバンドなのだ。だから僕たちは今もずっと信頼して追い続けられるのだ。
そして、その後の「Two Vibrations」は凄かった。いつも盛り上がりマストの曲だが、この夜は本当に凄かった。田島は踊り歌いまわり、ステージに倒れ、すさまじいいシャウトを何度もした。「ブッとんで一番ヤバいのは、やはり田島だ」という事を見せつける圧巻の本物のファンキーショーだった。オリラブのライブを観た事ないと思われるバンアパやスクービーのファン達も会場全体が揺れ動き圧倒されてるのが分かった。
そして最後にバンアパとスクービーのメンバーも全員ステージに呼ばれ、「LET’S GO！」をみんなで歌い「Love Jam vol.2」は終わった。
終わってから駅への夜道を歩きながら、日本人が鳴らすソウル、ファンク、そしてロック。というものについて色々と考えてたが、駅についた時に「あっ、さっき全部あったじゃん。」と気付いた。
セットリスト
the band apart
01. Eric.W
02. KIDS
03. Night Walker
04. Shine on me
05. Photograph
06. ピルグリム
07. 夜の向こうへ
SCOOBIE DO
01. 新しい夜明け
02. 真夜中のダンスホール
03. What’s Goin’ On
04. アウェイ
05. 最終列車
06. Get Up
07. やっぱ音楽は素晴らしい
08. 夕焼けのメロディー
ORIGINAL LOVE
01. The Rover
02. It’s Wonderful World
03. ブロンコ
04. Fiesta
05. Judgement
06. 心
07. Two Vibrations
08. Let’s Go！
TEXT:横山シンスケ
49歳。お台場から渋谷移転したイベントハウス「東京カルチャーカルチャー」店長・プロデューサー。その前10年間くらい新宿ロフトプラスワンのプロデューサーや店長。東京カルチャーカルチャー。
東京カルチャーカルチャー：http://tcc.nifty.com/
横山シンスケ ツイッター：https://twitter.com/shinsuke4586
