アンコール
アンコールの1曲目はEBI&川西のツインボーカルの「マッシュルームキッシュ」。ここで曲をやる前にEBIが何か言うのがこのツアーの恒例になっていたが、この日は「よーし、今日もまかせとけ!」でした。
そして。ツアーが始まった当初の「今回は脱線とか遊びとかグダグダとかがない、まじめで質実剛健なツアー」という評判を、日程が進むにつれてどんどん崩していった、「『WAO!』の途中のメンバー紹介でABEDONがひとりずつ『この方、踊りがとても上手なんです』と振り、各メンバーがそれに応える、そして最後にABEDONが長々とパフォーマンスする」コーナーへ。
基本、ABEDONが振ると奥田がバック・トラックを鳴らし、メンバーがそれに合わせて踊るわけだが、そして途中で奥田が何度もバック・トラックを切り替えるのでそれに合わせてアタフタとダンスを変える、というネタになっているのだが、それをこうして文字で説明するほど空しい行為はないと書いていてつくづく思う。まあ、そんなコーナーです。
僕はこのツアー、この日で観るの6回目だったが、各メンバーのパフォーマンスがだいたい同じだったのは最初の2回(市川と八王子)だけで、あとの4回は観るたびに変わって行った。
奥田が切り替えるトラックに合わせて「映画『雨に唄えば』の傘持って踊るやつ」「白鳥の湖」「安来節」の 3つを懸命に踊るテッシーは、最初は確か「白鳥の湖」だけだったし、この日8人のユニコーンのリアルフェイスダンサーを従えて「RUNNING MAN」ダンスを披露した川西さんは、ツアー前半ではピコ太郎をやっていた。バンビーノのネタ(「ニーブラ!」っていうあれです)とパラパラダンスをやったEBIは、ツアーの最初はバンビーノ、途中からパラパラダンス、そして今はその両方、という変化のしかたで現在に至っている。ちなみに、バンビーノの時に馬の頭をかぶって相方を務めるスタッフさんとふたりでパラパラを踊るんだけど、最初はEBIの方がうまかったが今ではすっかりスタッフさんの方が上手になっている。
そして、なぜか毎回ダンスでなくモノマネを強制される奥田民生。八王子ではユーミン、中野サンプラザではサンプラザ中野を振られて、それはもう無残な仕上がりで、思わず「できない!」とキレておられたが(逆に前川清とかの演歌系は得意のようです)、この日はセミファイナルだからか「松山千春」「大友康平」「もんたよしのり」「矢沢永吉」「松田聖子」「武田鉄矢」と、6人もABEDONにむちゃぶりされた。松田聖子以外はまあ「似てる」と言えるクオリティでした。
そして。これをツアー中盤で取り入れ始めてから尺が決定的に長くなった、ABEDONのマイケル・ジャクソン風ダンス・ショー。
『タモリ倶楽部』の『空耳アワー』で大ウケだった「Smooth Criminal」の「パン!」「茶!」のネタを軸に、他のメンバーにからんだり奥田のトラックに振り回されたりをさんざん続けた挙句、新グッズ「おどるたいやきくんのタタキ」(人気の「ふるえるもん宝」を「TEPPAN KING」にちなんでたいやき型にしたもの。赤く光って振動する)を取り出す。
これ、ツアー開始時には間に合わず、後半ようやく完成したもので、飛ぶように売れている。ABEDONに続いて赤い光を放つ震えるたいやきが客席のあちこちで掲げられ、彼の指示でその「ガガガガガ」という振動音と共にオーディエンスの歌う「WAO!」のサビが響き渡る──という、笑えばいいのかあきれればいいのか、感動すればいいのかもうまったくわからない光景が広がる。このライブ、スカパー!で生中継されているが、事情をわかっているファンはいいとしても、たまたま今このタイミングでテレビをつけちゃった人、ほんとにわけがわからないだろう。何か新手の宗教集会かと思うかもしれない。
という楽しい楽しい約30分を経ていったんメンバーがはけ、再度現れて二度目のアンコール。「Feel So Moon」の軽快かつスケールの大きなサウンドとメロディが超満員の国際フォーラムホールAに広がり、2時間40分のステージが終了した。
最初にも書いた通り、このツアーを12月17、18日の沖縄2デイズで終えたあと、ユニコーンは幕張メッセ国際展示場で行われる年末フェス『COUNTDOWN JAPAN 16/17』に出演する。来年はまたしばらくお休みかな、と思っていたら、12月14日に『ARABAKI ROCK FEST.17』への参加が発表になった。おお。2017年も期待。
セットリスト
01. サンバdeトゥナイト
02. すばやくなりたい
03. 頼みたいぜ
04. 与える男
05. オーレオーレパラダイス
06. 僕等の旅路
07. 道
08. CRY
09. マイホーム
10. 第三京浜
11. ハイになってハイハイ
12. エコー
13. オレンジジュース
14. BLACKTIGER
15. TEPPAN KING
16. Boys & Girls
17. 大迷惑
18. 風と太陽
Encore 1
マッシュルームキッシュ
WAO!
Encore 2
Feel So Moon