──10周年イヤーですね。
村上学(Vo&Gt)目の前のことをコツコツやっていたら、あっという間に10周年を迎えたというのが正直なところで。メジャーにいたときは、特にめくるめく日々を送っていて、その先のことは想像できてなかったです。でも、2016年にベースの吉牟田直和が学業に専念する為に1回バンドから離れることになって、初めてその先の不安を漠然と覚えたんです。その時点で3年後に10周年を迎えるということで、10周年というポイントが自然とバンドの道を照らしてくれたところがあったんですね。メジャーだろうがインディーだろうがやることは変わらないし、自分たちの好きな曲を作って、それを歌いながら、まだできることはたくさんあるなと思えた。そうやってマイペースですけど突き進んでいって、ようやく10周年にたどり着いたって感じですね。
──4thフルアルバム『偶然とか運命とか』は全曲リードでもおかしくないような強さがあって、ある意味でベストよりベストっぽいオリジナルアルバムだなと思いました。
村上うれしいです。ありがとうございます。2018年の僕らをアルバムに込めようと思っていて。自分の心のなかではテスラの音楽性におけるベストになればいいなと思って作りました。ゆっくりした曲から速い曲、リフレインだったり歌ものだったり、ちょっと変拍子だったり。そういう僕らの持ち味や引き出しを全部出せたという意味では自己新記録を更新したベストのようなアルバムだと思います。
──全10曲というのも潔いなと。
村上10曲以上作ったんですけど、そのなかで勝ち抜いた精鋭たちですね。前のミニアルバム(2017年7月リリースの『永遠について語るとき、私たちの語ること』)に収録した「アテネ」だけシードを勝ち抜いたんですけど(笑)。
──この曲も含めてアンセム感のある曲が多いですよね。
村上そこは無意識でした。でも、今まではどこかサビを伸ばせばアンセム感が出るだろうという安易な考えがあったんですけど、そういうのはあきらめて。ちゃんと心に残るメロディを押し出したほうが、一瞬の一体感を優先するより気持ちいいんじゃないかと思ったんです。それでアンセム感が高くなっているならめちゃくちゃうれしいですね。