これまで聴いてきてくれた方が楽しめる感謝祭にしたい
今回は15周年ということもあり、これまで聴いてきてくれた方が楽しめる感謝祭のようなものにしたいと思っているんです。なのでリクエストを募り、1部はリクエストの上位10曲を歌い、もう1部はあらためて構成を組んでやろうと思っているんです。
はい。ランキングは思っていたものよりもかなりメジャーな人気曲が揃ったんですが、1位に「さよならと君、ハローと僕」(2008年5月発表のアルバム『chronicle.』収録曲)という曲がランクインしたんです。この曲はバンドでは演奏が中々難しいのでライヴではほとんど演奏していなかったんですよね(笑)。
そうだと思います(笑)。今回はリクエスト制なので、逃げずに演奏します!
デビューしてからの10年は本当にあっという間でした。20代前半までに生きてきた人生のアウトプットをし続けていた10年だったので、どこにも出かけずに部屋に篭もり、曲を作り、レコーディングして、ライヴをして…というローテーションの生活だったんです。丸1日パジャマで過ごす日が当たり前だったので、人とも会わなければ話もしないのでインプットがほぼないんですよ。でも、食べ物は大好きなので、そのパジャマのまま高級料理を食べに行ったりしていました(笑)。
あはは。化粧もしていないし、ファッションにも興味がなくて、呼んでいただいたライヴなどもパジャマのようなスウェットにすっぴんで行ったらさすがに怒られて(笑)。そんな生活を10年も送っていたら、アイデアも枯渇して、描く自分もほぼいなくなってしまったんです。その時に初めて、まとまったお休みをとらせてもらったんです。
2カ月くらい海外に行っていました。まずアメリカにホームステイをしに行き、モロッコにも行ってきました。そこはすごく刺激にあふれていて、もう一度自分を考える良い機会になったんですよね。そこで思ったのが、小さな頃から夢だった“お母さんになること”。でも、今の追われた生活のままじゃ子供も育てられないよなと思ったんです。
私もそのタイミングだったと思うんです。その後、生活も整えて、いざ出産してみたら、驚くほど子育てに追われていました(笑)。
はい(笑)。そのあとしばらくして、ディレクターから“もう一度我々の原点に返って、遊びながら音楽をやろうよ”と言ってもらえたんです。そこで重い腰を上げてはみたものの、あまり楽しめていない自分がいて…。そこで、自分が曲を作るのが難しいなら、歌い手になればいいんだと思い、作ったのが『頂き物』(2016年3月発表のアルバム)です。みなさん、本当に素晴らしい曲を提供してくださったんですが、最後に1曲、自分で絞り出して作った曲を歌った時に、“やっぱり自分の曲が一番歌いやすい”と思ってしまったんです。でも、今はその曲が書けない…そのジレンマに押しつぶされそうになり、一度すべてをリセットしようと思い、しばらく制作を休ませてもらいました。
はい。“ライヴもやらなかったら、君は音楽の世界に返ってこない”ってスタッフに言われてしまって(笑)。そのままライヴだけを続けていたら15周年が迫ってきて、このライヴの構想が始まったんです。
そうなんですよね。近年、自分の迷いをフィーチャーした音楽を歌っていたりもしましたが、その曲を聴いてくれるだけでなく、大事な曲として、その人たちの人生や楽しみ、思い出などを詰め込んでくれていると思ったら、その人たちが心から喜んでもらえるようなものをやりたいと思ったんです。その流れで、リクエストを募ってみました。