インタビュー/永堀アツオ
wacci 橋口洋平(Vo&Gt)と吉田山田がそれぞれ初めて立ったステージは?
編集部:みなさん、初めて立ったステージを教えてください!
吉田山田「文化祭でのゴスペラーズのカバー」
吉田結威(Gt/Vo) 僕らは高校3年生の文化祭の軽音学部の出し物として、視聴覚室で僕と山田と男の子2人を加えた4人のアカペラグループでゴスペラーズさんの「ひとり」をカバーして歌ったのが、2人としては初めてのステージですね。未だにあのときの感動を追いかけているんですよ。なんかね、あれにかなわなくて。
山田義孝(Vo) 僕は歌は大好きだったけど、カラオケでみんなで歌うくらいで、ステージで歌ったことがなくて。だから、お客さんがいる前でステージに立ったのはそれが初めてで。アカペラが当時、流行ってましたけど、みんな、生で見たのは初めてだったと思うんですよ。何が始まるんだ、これからって。すごい、ざわざわくっちゃべってるんですけど、始まった瞬間に、本当に咳ひとつないくらいシーンとして。歌い終わった瞬間にうわーって拍手をもらって。その瞬間が心地よくて。卒業した後の進路はみんなバラバラになるんですけど、あの瞬間の喜びや興奮が忘れらなくて、やっぱり音楽やりたいなと思って、「一緒にやらない?」って声をかけたところから、吉田山田はスタートした。だから、忘れらないし、あれを超えたいと思ってますね。
──スキルや経験を積んでも超えられないものって?
山田 気持ちが今、落ちてるっていうわけじゃないんですけど、あのときの気持ちって独特なんですよね。初めてのステージ、初めてのライブ。初めてって1回しかないので、あれを超える挑戦をした時に得られるのかもしれないですけど、なかなか、難しいですよね、超えるのは。
吉田 僕はそれまでにバンドを組んでいて、ライブをしたりもしてたんですけど、山田から学ぶ点が多くて。そんときまだ、持ち曲が1曲しかなかったんですよね。その3〜4分の曲をやるために、夏休みの暑いさなかに集まって、必死になって練習して、その3〜4分に込めた思いは、まさに青春ですよね。そのとき山田がステージから降りて、視聴覚室の外の廊下に出て、大の字になってワンワン泣いてたんですよ。その時点で僕は、音楽に対して失ってきたもの、失ってしまった感覚があって。感動して泣いてる山田を見て、そうだよね、音楽ってそれくらい人の心を震わせるよなって。ただ綺麗とかじゃなく、命を感じるからこそ、音楽って素晴らしいんだなっていうのを、山田から今だに学ぶことが多くて。僕は音楽で食っていくつもりなかったので、山田と出会えたからこの道を選べた、その大きな理由の1つにもなってますね。それをずっと忘れずに思い出せてくれる瞬間があるし、頭のどっかでは、あれは超えられないのかもしれないなって思いつつも、もっともっと挑戦し続けて、必死に汗を書いて、3〜4分に込める思いを高めていけば、いつか超えられるんじゃないかなと思ってますね。あれは、本当に気持ちよかったからな。
──じゃあ、いつか吉田さんがライブ後に楽屋で感動して号泣する日が来るかもしれない。
吉田 まだ一度もないので。確かにそれが大きな目標かもしれないな。
橋口洋平「溝の口の路上でのRCサクセション、ゆず」
橋口洋平(Vo&Gt) その瞬間を共有してるのがすごいですよね。いまも一緒に音楽をやっている人とその瞬間を覚えてるっていう。こんな明確な目標ないよなって思っちゃう。僕は、溝の口の路上ですね。高校1年生の15才。RCサクセションの「雨上がりの夜空に」とゆずの「地下街」かな。人前で大きな声で歌ったことがなかったんですけど、そこでおじさんに話しかけられて、仲良くなって。人前で大きな声で歌うっていうことと、音楽を通じて、誰か知らない人に出会うっていうことが自分の中で新鮮で。剣道部をやりながら、ギターを持って、夜な夜な町で歌ってっていうのを、ずっと高校3年間繰り返していて。歌うことでだれかと出会ったり。喜ばせたりすることが嬉しくて。それまで自分の中にはなかったので、それをずっとここまでやってきたような感じがするし、いまも大事にしたい気持ちですね。
編集部:音楽を通じて人と人が出会って心に火が灯る…それを体感してきた皆さんだからこそ、会場の一人ひとりと心で繋がることができる空間を作ってくださるんだなぁとしみじみ思いました。
みなさん、ありがとうございました!
■wacci 「宝物」Short Ver.
■吉田山田「街」
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