デビュー5周年！新山詩織が年明けにベストアルバム「しおりごと-BEST-」をリリース。この1年を振り返るロングインタビュー！

──新山さん自身は9月に初の弾き語りライブ「しおりだけ〜ひとり唄」を開催しました。

「今までのライブ以上に、自分自身が音楽と、お客さんと一対一で向き合えていたと思うので、その中で、いろいろと思い出しながら歌ってました」

──何を思い出してました？

「自分の原点であるストリートライブをやっていた時のこととか、これまでの4〜5年で自分が歌ってきた姿が浮かんできましたね。自分自身に正直に、丸裸になった時間だったなって感じていて。今まで、気にはしてたけど、そこまで直接的に考えられていなかった部分に気づいたりとか。細かい部分で、もっともっといろんなやり方があるなっていうことが多かったんですけど、その中でも、歌を唄うっていう面で、改めて、私自身にとっての歌って何だろうって、すごく考えるライブにもなったなって思います」

──その答えは出ました？　新山詩織にとっての歌とは何か。

「一番初めに自分で歌うきっかけになったのは、中学3年生の時に、自分の中から自然と湧き出ててきた感情を言葉にして、紙に書いて。そこに思ったままのメロディを乗せて。そうして形になった『だからさ』を歌ったときに、これが本当の自分の気持ちだ、本当の私だっていうのがわかったんですよね。それから、この4〜5年でいろんな経験をさせてもらって、たくさんのステージにも立たせてもらって。まだたったの5年かもしれないけど、いろんなことがあるからこそ、一番初めの、『だからさ』を作った時の自分というのを忘れないようにしたいというか。決してそこに戻るっていうわけではないけど、自分の中でおざなりにしてたところがあったのかなっていうのに気づいて。いまの自分で、その時のように、自分の素直な感情をすくい上げて、改めてもう一度、自分の描きたい言葉と向き合えたらなと思ってます」

──高校を卒業した後、「絶対」の歌詞を書いているころも、同じように悩んでましたよね。

「そうですね。うん、だから、そこに陥らないように、いろんな人と会うようにしてるし、いろんな場所に自分を置きにいったりしてるんだと思います」

──濃密に過ごした1年を経て、12月12日にアーティストデビュー5周年を迎え、年明けにはベストアルバム「しおりごと-BEST-」がリリースされることが発表されました。

「このまま続けていても、もっと広がることはあるかもしれないけど、一旦どこかで区切りをつけることもときには大事なんじゃないかなと思って。周りのスタッフさんと話している中で、ちょうど5周年を迎えるし、また、改めていい方向に持っていけるように、一旦ここで区切るんだっていうことをみんなにわかってもらえたらなと思ってて。ここから、また次に行くんだなっていう感じで受け取ってもらえたらいいなっていう気持ちで、ベストを出すことになりました」

──今までの全シングルに加えて、中島みゆき「糸」のカバーと、ボーナストラックとして、０枚目のシングル「だからさ」のアコースティックバージョンの音源も入ってます。

「学生だった10代の頃から21歳までの詩織が詰まっている、タイトル通り＜しおりごと＞になってて。こないだ、通して聴いてみたんですけど、声も、書いてる言葉も、自分が周りを見る時の感覚が変わってるように変わっていて。どんなふうに外を見てるのか、どんな風に人と話してるのかっていう変化がすごく見えるなって思いましたね」

▼ALBUM「しおりごと-BEST-」収録曲「ひとりごと」MV

──ベスト盤を携えたツアーも決定してます。

「まだ流れとか、どんな形でやるかははっきり決まってないんですけど、今までの5年間の中で培ってきたものを、その日はドバッとしっかり出せたらいいなと思ってます。このあいだ初めて、弾き語りワンマンをやったので、あの時のものをバンドで囲まれた中でもしっかり出せるように、私もギリギリまで頑張らなきゃなっていう気持ちもあります」

──バンドのライブは今年１月21日のO-EAST以来1年ぶりになります。

「おなじみのメンバーとやるんですけど、久しぶりなので、今はひたらす外を走りまくって、体力をつけてます。私も他のアーティストさんのライブを観に行って、ライブはやっぱり楽しむためのもの、発散する時間なんだなって感じたので、みんなの日々の疲れやモヤモヤを解放できるようなライブができたらいいなと思いますね。それに、ベストアルバムを出してからのライブになるので、今まで自分が紡いできた気持ちと言葉を、みんなと一緒に振り返りながら、あの時、あんなことあったなっていう記憶も思い出せたらいいなと思ってます。1曲1曲、自分の聞き方で、自分の楽しみ方で、その日の時間をたっぷり楽しんで欲しい。単純な言葉だけど、またその日が思い出になるような、いい時間にできたらいいなと思ってます」

──区切りを迎えて、その後っていうのはどう考えてます？

「まずはツアーに集中して。それが終わったら、いろいろと考えることもあるかもしれないけど、『だからさ』のころと変わらずに、“今”を、“今の自分”が何を感じているかをしっかりと見つめながらやっていきたいなと思ってます」