このお客さんのブレのなさは一体なんなんだと
──では、そういうアニソンとJ-POPって、どんなところが違うんですかね。
私がアニソンを歌ってて一番好きだなと思うのは、J-POPはロックやポップ、アイドルといろいろジャンル分けされてるじゃないですか?アニソンはそれらすべてが入ったジャンルなんですよ!!ジャンル問わず、なんでも入ってるのがアニソン。そこにすごく私は憧れてたんです。私、アニソンをしっかり聴くようになったのは、デビューする2年ぐらい前からなんですね。じつはアニソン歴が私はまだ全然浅いんです。なんだけど、1回アニソンの魅力を知ってしまったらそこから抜けられなくて。
──抜けられないぐらいアニソンのどんなところにはまっちゃったんですか?
さっきいったジャンルの広さもそうですし、なにより(曲のなかに)“キメ”が多いところがたまらないんです(笑顔)。歌ってる方の歌を聴いて“うわー、気持ちいい!”ってなるところがたくさんあるんですよ。“ここで声を出すんだな”“ここでみんなでジャンプするんだな”とか、そういうのがライブに行かなくても音楽を聴いてるだけで感じられたとき、ハマってしまって抜け出せなくなりました。そこにハマったらもう底なし沼ですよ。
──(笑)。だから、アニソンはキメを生む曲展開がカッチリしてるものが多いんですね。
そうなんです(きっぱり)。そういうのが私は好きでなんです。ライブとか、アニソンのフェスに私も実際に行ってみて、このお客さんのブレのなさは一体なんなんだと。一糸乱れぬ動きをみんなで練習もしてないのにするじゃないですか!
── あー、はいはいはい(微笑)。
それはアニソン独自のものじゃないかなってすごく思うんですよ。サイリウムも100%の確率でみんなが持ってる。そんな現場、他にないじゃないですか?誰も何もいってないのにこの曲は一番明るいからこの色に変えるとか。そういうのが決まっているのもアニソンの特徴だと思うので、聴いて楽しいし、ライブに行ってファンと一緒にやるのも楽しい。それはすごく思いますね。私自身、初めてアニソンフェスに行ったとき、あのサイリウムの一体感を見てウルウル感動しちゃったぐらいどはまりしましたから。そのとき、私はこの世界でやっていきたいと思ったんですよね。やはり、あの一体感は他にはないと思いますよ。
──あれを1度味わったら抜け出せない、と。
はい。その曲ごとに細かい動きやコールがあったとしても、それがすぐにみんなに広がって、曲が終わる前にみんなが知ってる状態になるんですよ。これ、すごくないですか?初めて聴いた曲でも、物怖じせずどっかーんとのってくれたりすると“アニソンファン、めっちゃ大好き”ってなりますね(微笑)。私も、このアルバムに入ってる「Lovely Storm」という曲を発売前にインストアイベントで歌ったことがあるんですけど。リリース前だから誰も聴いたことないはずなのに、1コーラス目で感じをつかんで、2コーラス目からは全力でジャンプして、声を出して。それがみんなバッチリ合ってるんですよ!!
──そういうものをリアルに見てしまった。
そうなんです!だから、本当にアニソンの力ってすごいんですよ。聴いたことがない人は、ぜひ聴いてみて欲しいんです。なぜなら、私も聴いて初めて知った世界だからです。思ってたもの、想像してた世界とは全然違いますから!!この感動を、いまアニソンを知らない人にも知ってもらいたいです。
──初めてアニソンに触れる人に何かアドバイスはありますか?
バラードとかももちろんあるんですけど、かっこいい感じの曲はロックだったりメタルな曲が多いので、そういうところから入ると聴きやすいかもしれないですね。J-POPにもあるジャンルなんだけど、何か違う。その違いを感じてもらいたいですね。