氣志團結成20周年。團長・綾小路 翔が語る、今が最高のバンドの結束力、ファンへの感謝、今ツアーに隠された氣志團の最重要機密！

音楽は好きだけで続けられるものじゃないんだなというのは常に感じてる

──アルバム『万謡集』は、氣志團にどんな影響を与えました？

いや～、今も新曲を練習してるんですけど、苦労してます(笑)。自分たちの中にないものだったりするんで、逆に自分たちの中にある癖にも気付きましたね。歌詞も自分が書いた歌詞は入ってくるんですけど、人の書いた歌詞はなかなか覚えられなかったりして。今まで自分たちの曲だけでやってきましたから。だからこそ、ここから曲を作っていく上での幅には絶対、繋がっていくと思いますね。演っててすごい面白いですよ、すごく複雑なコード進行で「こんなことやってんだ！」ってのもあれば、「こんなあっさりしたコード進行で、こんな曲作れちゃうの？」っていう曲もあるし。いや～、面白いですよ音楽。20年なんて、まだ入り口に立ったくらいのもんなんだなと思いましたよ。俺は死ぬまでに、あとどれくらい音楽を作れるんだろうか？と思うと、これまでの道程は随分呑気なもんだなとも思って。もうちょっと頑張っても良いかなと？思いますね、最近は。音楽ってスポーツ選手に比べたら、何年でも出来るって思われると思うんですけど。いつまでベストパフォーマンスが出来るのか？ってことだったり、プレッシャーを受けることや結果に対する責任から逃げ出したくなる気持ちも時にはあって。好きだけで続けられるものじゃないんだなというのは常に感じているし。僕なんかはステージでのパフォーマンスや、自分なりの美学もあるんで。現在の俺たちに、どれだけのことが出来るのか？というところでも、今回、ひとつの節目にもなるだろうなと思っていて。

──ツアーを通して、いま自分たちに出来ることを確かめてみたいと。

はい。だから、どうせ内容はバカなんでしょうけど、歌であったりダンスであったり、そういったところに対しては真摯でありたいなと思っていて。永遠の16歳と嘯きつつも、肉体的な全盛期は過ぎていると思うんです。でもきっとね、今でしか出来ないこともあるだろうし、少なくとも歌に関しては明らかにガキの頃より圧倒的に良くなってますし。人には保てないものや、失っていくものも必ずあるとは思うけど、無くしたものを数えててもきりがないので。今あるものはなんなのか？それでもまだ、ふつふつと芽生える物がいったいなんなのか？を確認しながら、それぞれのモチベーションを上げてやりきりたいなと思うし。長いツアーではないので、一本一本を大事にしたいなと思っています。

俺たちが直接会いに行って、全国のみんなに20年の感謝の気持ちを届けたい

──今回、ホールツアーということで、初めての人も来やすい環境だと思うんですが。初めて観る人に満足してもらうために、いま出来ることは何だと思いますか？

それはもう、いつも通りやることですね。僕らはどんな時も初めましての人に向けてやっていて、ファンの人には「それなのに、なんでこんなに楽しいの？」という魔法をどうかけるか？というところが重要だと思うので。いま、そこが雑にならないように、色々と修正をしているところです。ようやく全体像も見えて来ましたが、新境地ですね。面白いと思います。同時に新曲の練習に追われている部分もありますが(苦笑)。新曲もありますし、昔の曲もありますし、とにかく曲数がありますから、みんなで苦労しながらやってます。いま50曲くらいを触りながらやってるんですが、恐ろしいことになってます。

──個人的にツアーで楽しみにしてることはあります？12月のフルマラソンに向けて（今年、ホノルルマラソンに挑戦）、最近は地方で走るのが楽しみだともよく語っていますが？

それはありますね、普段とは違う町並みを見ながら走るのはすごく楽しいです。あと夜走りする時、お弁当を食べながらメンバー達とモゾモゾ喋ったりするのも楽しいし。去年の東北ライブハウスツアーがすごく楽しくて、「全国の何かを食べにいく」とか「全国のスナックを回る」とか「全部車でいく」とか、なにかツアーにひとつテーマがあると楽しいかも知れませんね。でも何よりこういう時じゃないと会えない、全国のみんなに会えるのが楽しみです。いくら氣志團万博をやると言っても、来れない人は来れないですから。だったら俺たちが直接会いに行って、20年の感謝の気持ちを届けたいです。

──今回、ツアーで特に楽しみにしている箇所とかありますか？

全箇所楽しみですけど、例えば富士市とか、まだ行ったことのない土地は特に楽しみですね。あとはうちの両親の故郷である、岩手県遠野市でやるのも夢だったし。今ばぁちゃんが入院しているんですが、元気になって観に来てくれたら嬉しいな。ツアー日程を見ながら、「ここに行ったら何をする」とか、「ここは結構、移動距離あるな」とか考えるのもすごい楽しいです。

──氣志團はここ数年、あえて主要都市以外の土地でGIGをやっていたりして。地方の人って、離れた土地にコンサートを見に行くのが想像以上に大変だったりするんで、嬉しく思ってるファンもいっぱいいると思うし、初めて観る機会にもなってると思いますよ。

いや、そういうのが一番大事だなと思ってます。だから、もっともっとGIGをやりたくて。一年中やっていたいなって気持ちもあるんですけど、他のこともやりたいなって気持ちもあって(笑)。やっぱりね、あれやってこれやってっていうのは難しいんですよ。体がツアーモードになると全然違うんで、本当はツアーならツアーをとことんやりたいんです。今回も週末に固まってるんで、どうやってその体に切り替えようか？ってところが課題だったり。内容的にもギミックがあるようで無かったりして、自分のパートも多かったりするんで、頑張らなきゃいけないなぁというところですね。

──そして、気になるチケット価格は、5列目までの先輩席が 7,920円 「泣・く・ぜ…だって2・0・周年だもん…」料金、それ以降の後輩席が 6,920円 「ロ・ッ・ク・で2・0・周年!!」と見せかけて、「無・垢・だったけど、この20年で匂・うほど薄汚れちまったぜ、俺たち…」料金と、昔からこういう言葉遊び、好きですよね(笑)。

我々とマキシマム ザ ホルモンだけは、何年続けてもこういうところに手を抜かないですから(笑)。数字に関しては大体のことをやり尽くしてるんですけど、諦めませんでした(笑)。本当は6,330円で「武蔵丸」料金くらいの方がリーズナブルで良いんですけど、今回は20周年のご祝儀ってことで(笑)。すんません、よろしくお願いいたします。

ここだけの話ですが、今回のツアーは氣志團のマスターピースです！

──最後に全通を目指してるヘヴィキッシーズ、ちょっと行ってみようかなと思ってるライトキッシーズ、今のところは行く気がない人たちに向けてのメッセージをお願いします。

え～、これを逃すと当分氣志團は見れません！氣志團の単独はしばらく見れないと思うんで、絶対見とけ！と。いつまでもあると思うな、親とロックバンドですよ！

──ひどいなぁ、そんな脅しをするんですか？(笑)

あははは。でもね、ホールツアーというのはそう頻繁にやれる物ではないですし。僕が一番見せたいのはホールの氣志團だし、そこに一番の自信を持ってるんで。僕らは一番後ろの席だろうが、一番前の席だろうが、何も関係なしに楽しませてみせると思っているし。氣志團の一番美味しい食べ方が、このホールツアーだと思うので。本当にたくさんの人に見て欲しいんです。これ、言っちゃおうかな？今まで20年追いかけてくれた方もいれば、10年の方、5年の方、最近知ってくれた方、はたまた初めて体験してくれる方もいると思いますが、実は今回のツアーに氣志團の最重要機密が隠されております。つまり、今回のツアーを見ないと、今までのことが全部チャラになってしまいます！

──わははは！これまで何年も積み上げてきたものが、台無しになってしまう？

台無しです！デアゴスティーニでお城シリーズを集めてたのに、天守閣だけないみたいな話になっちゃいます。『北斗の拳』で言ったらラオウが死ぬ回ですよ。『北斗の拳』が好きなら、「我が生涯に一片の悔い無し」の名シーンを見なきゃダメじゃないですか？その後も元斗皇拳の金色のファルコとか、魅力的なシーンはありますよ？でも、あのシーンを見ないでその続きを読むのは違うじゃないですか。「世界の中心で、愛をさけぶ」なら「誰か助けて下さい！」のシーンだったり、「101回目のプロポーズ」だったら、「僕は死にましぇん！」のシーンだったり、それぞれに見ておかなきゃいけないシーン、聴いておかなきゃいけない台詞があるんです。今回は氣志團のそれです、マスターピースです！言わないで過ごしたかったですよ、ホントは。でも、それも意地悪なので「ここは最重要ですよ」とちゃんと宣言しておきます。ここでアイテムを取り忘れてしまうと、今後オールクリアしても、大事な何かが抜けた状態になってしまいますから。たとえ、今後クリアする気がなくても、取っておくに越したことがないアイテムがここにあって……。

──もういいです(笑)。なんだか分からないけど、見たくなりました。

とにかく、今回だから出来るし、今回じゃないと出来ない、氣志團に少しでも想いを持って下さってる人には絶対に見てもらわなきゃいけない内容になってるんで。アニバーサリーですし、「悪ぃこたぁ言わねぇから見とけ！」と、強気に言っておきますネ♡

KDTV氣志團結成20周年記念アルバム「万謡集」全曲紹介