氣志團結成20周年。團長・綾小路 翔が語る、今が最高のバンドの結束力、ファンへの感謝、今ツアーに隠された氣志團の最重要機密!

インタビュー | 2017.11.08 21:00

インタビュー/フジジュン

今年活動する中で、自分たちのことや仲間のことをすごく誇らしく感じた

──11月9日(木)、千葉県・市川市文化会館 大ホールより、氣志團結成20周年記念ツアー「リーゼント魂」がスタート。1月の「成人式GIG」で始まり、記念アルバム『万謡集』リリースと20周年記念イヤーを爆走中の氣志團。2017年はどんな年になってますか?

綾小路 翔(以下略) このツアーが20周年イヤーを締めくくるのですが、実際のところ、言うほどアニバーサリーっぽい一年は過ごしてなくて。いつも通りやってるところに無理矢理“20周年”って付けてるだけの気もするん(笑)。昔は20年って、ものすごく大御所感もあったんですが、いざ経ってみたら、同期の仲間たちも現役でやり続けてますし、先輩たちに30年、35年って方々が続々いますし、「20年なんて大したものでもないよね?」という感じもありますね。

──それも20年やってきたからこそ思うことだし、言えることですけどね。

そうですね。だから、ひとつの節目にはなったなとも思っていて。お世話になった方々には改めて感謝しています。『万謡集』もそうですけど、20年やってきたから出来ることもあるし。『万謡集』では我々が数多くの尊敬する音楽クリエイターの方に楽曲を提供していただいたり、今回のツアーは錦織純平くんという、長年に渡ってバックダンサーや演出を手伝ってくれた彼に総合演出を任せてみたり。20周年目だからこそ出来ることというのがあるんだなというのも思っていて。それは半分はみなさまに良くしていただいてることの現れだと思うし、半分は自分たちの自信の現れなのかも知れないし。ここに来て、まだまだやってないことがたくさんあることに気がついたというのもありますね。特に僕みたいなのはすごく飽きっぽい性格なので、常に自分たちに刺激を与えていかないと嫌になっちゃうと思うんです。そんな自分が仲間とわいわいやりながら、あんなことやこんなことをやって、20年続けられたっていうのは凄いことだなって。

──ことバンドって所に関しては、飽きることが無かったわけですからね。ま、一瞬飽きたこともありましたけど(笑)。

確かにちょいちょい飽きる時はあるんですけど(笑)。音楽やステージに立つことは辞めなかったし。今年色んなことをやって、自分たちのことや仲間のことをすごく誇らしく感じたし。ただ逆もしかりで、これに関してはここが頭打ちなのかな?というのを感じたこともあって。頭打ちっていうと言い方悪いですけど、氣志團にこれを望んではいけないとか、これは幾らやっても無理だなってことに気付けたのも、やっぱり20年やり続けたからだと思っていて。ようやく諦めがついたこともあったり。

俺は昔も今も勝ちたいんです、負け続けてもいい、最終的には絶対勝ちたい!

──それって具体的にはどんなことだったんですか?

そうですねぇ、自主性とか?(笑)あと、ステージ上でのエモーショナルなパフォームとか(笑)。ガキみたいな事を言うんですが、俺は勝ちたいんです。昔も今も勝ちたいんですよ、絶対に。どこまで負け続けてもいい、仮に土俵に上がらせてもらえない期間があっても腐らない自信はある。だけど、最終的には絶対勝ちたいんです。「俺たちがナンバーワンだ!」って言いたい。音楽に順位も何もないんですけど、いつまでも闘っていたいし、俺たちが一番イカしてるって言いたいんですよね。それを共有して欲しかった。でも、彼らはそういうところには興味がないのに、長い間それを無理に押し付けていたことを認めて反省しました(笑)。

──いや、ロックバンドである限り、そういう気持ちは重要だと思います。

僕が一人だけ大人になれていなかったんだなって。自分だけが子供のままなんだってことに、最近ようやく気づいたんです(笑)。僕、世間に対しては人に依存したり、見返りを求めたり、何かを施してもらおうっていう気持ちが全くないんですけど、唯一、メンバーにだけあるんです。「おまえら何やってんだよ」とか上から目線で言ってる割に、ず~っとみんなに依存し続けてたのは自分だったことに気がついて。年々、みんなの方が大人になっているのが、猛烈に寂しかったんでしょうね。アイツらのことを子供扱いしていたけど、いつまでも子供だったのは俺だったんだ〜!ガーン!って(笑)。今までだったら「氣志團の連中と共にとてつもないところに行くんだ。そのためにはまず、アイツらの心根を変えなきゃいけない!」とか思ってたんだけど……。

──「お前ら、悔しくないのかーっ!」と、「スクールウォーズ」ばりにね(笑)。

そう、まさに泣き虫先生の20年戦争ですよ(笑)。「勝ちたくないのか!」ってメンバーの頬を引っ叩いて。みんなは「…へ!?」ってなってるのに、完全に一人だけ時代錯誤の熱血漢よろしく、「この落ちこぼれ達だけで、もう一度花園に行くんだ!」みたいな、怨念のような情熱だけがね、唯一の原動力だったんですけど。最近は「氣志團って、もともとそういうバンドじゃないんだよな」って思い出して。20周年を機に少し考え方も変えようと思って(笑)。そういう意味でも今回のツアーはすごく大事で、氣志團のひとつの集大成にしたいと思ってるし、氣志團のホールツアーがどれだけ意味のあるものなのか?をちゃんと形にしたいと思っているんです。今の俺たち、揺るぎないですよ。20年ってそういうことなんだって実感してます。バンドの結束も強いし、20年やらなかったら、ここまで来れないよね?って素直に思うし。みんな前向きだし、現場も良い雰囲気だし、バンド的には今が一番良い状態なんです。だから、ツアーも良いものにしたいなと思ってるんですけど。20年やってるから安泰だとは、全く思ってないですからね。企業だったら20年続くって、大したもんじゃないですか?地元の信用金庫からも太鼓判を押される優良企業ですよ。でもバンドなんて20年やったところで、何の保証も無い人生ですから。たかだか人生の前半戦でちょっと輝いたように見えたりするだけで、地方で20年勤続してる方が絶対に稼いでるし、社会的信用を得てますもんね(笑)。

──20年分の給料やボーナスを均したら、よっぽど貰ってますよね。

ホントですよ。だから、そんな中でもバンドやってるって、大したもんだと思いますけどね、それかよっぽどバカか(笑)。

──わはは。でも『万謡集』を聴いても、氣志團としての生き様、まさにリーゼントに込めた魂が周りのアーティストにも伝わってるのが分かるし、ファンやリスナーに多大な影響を与えていると思いますよ。

それはホントありがたいですよね。ものすごくアンダーグラウンドな、サブカルチャーの中でも底辺にいたバンドが、時々テレビに出たりとか、妙なポピュラリティだけは持ってたり、すごいことだなと思ってるんです。でもだからこそ、ここから何をやるのか?っていうのがすごく大事で。今年の1月に『成人式GIG』っていう、いわゆるこれまでの集大成的なライブを行ったのですが、それとはまた全然違うベクトルで、みなさんに「氣志團というバンドの生き様」をお見せしたいなと思っています。

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氣志團結成20周年記念ツアー 「リーゼント魂」

11月9日(木) 市川市文化会館 大ホール[SOLD OUT!!]
11月12日(日) 福岡福岡市民会館
11月18日(土) 山梨コラニー文化ホール
12月1日(金) 北海道札幌市教育文化会館
12月3日(日) オリンパスホール八王子 [SOLD OUT!!]
12月16日(土) 静岡富士市文化会館ロゼシアター 大ホール
12月17日(日) 京都八幡市文化センター 大ホール [SOLD OUT!!]
1月7日(日) 岡山倉敷市芸文館
1月8日(月) 香川サンポートホール高松
1月13日(土) 栃木那須塩原市黒磯文化会館 大ホール
1月14(日) 茨城龍ケ崎市文化会館 大ホール
1月20日(土) 岩手遠野市民センター
1月21日(日) 宮城トークネットホール仙台(仙台市民会館)
1月26日(金) 大阪オリックス劇場
1月28日(日) 愛知日本特殊陶業市民会館 フォレストホール

【チケット料金】
●先輩席 7,920円 「泣く・・ぜ…だって20・・周年だもん…」料金(税込・最前列より5列目まで)
●後輩席 6,920円 「ロック・・・20・・周年!!」と見せかけて、「無垢・・だったけど、この20年で・・うほど薄汚れちまったぜ、俺たち…」料金(税込・6列目以降)

>>>詳細はオフィシャルサイトにてご確認ください

関連リンク

RELEASE

氣志團結成20周年記念アルバム
「万謡集」

(影別苦須 虎津苦須)
※[CD+DVD]、[CD only]の2パターン
NOW ON SALE
コンピレーションアルバム
「氣志團万博2017~房総与太郎爆音マシマシ、ロックンロールチョモランマ~」

(影別苦須 虎津苦須)