インタビュー/森 朋之
エレクトロからドラムンベースまでを網羅したダンスミュージックを軸に、ギターロック、ヒップホップなど幅広いテイストを内包した音楽性によって確実に注目度を上げているuchuu,(ウチュウ、)。1st E.P.「KEEP ON」(9月)、2nd E.P.「タイトル未定」(12月)をリリース、さらに12月2日(土)にはDAIKANYAMA UNITワンマンライブが決定するなど活動のペースを上げている4人にバンドの現状について聞いた。
──9月にリリースされた1st E.P.「KEEP ON」はダンスミュージックの要素が色濃く反映された作品でしたが、12月に発表される2nd E.P.はどうなりそうですか?
“ダンスミュージックである”というところはブレてないですね。『KEEP ON』をさらにブラッシュアップできたし、ひとつ階段を登れたという感じもありますね。
歌える曲が増えてると思います。日本語の歌詞が増えて、口ずさみやすくなったので。
日本語の歌詞のほうがいろいろな角度から解釈できると思うんですよ。聴いてくれる人のシチュエーションによって歌詞の意味が変わってくるというか。
楽曲のデモはKくんが作っていて、その時点で90%完成しているんです。今回のE.P.はデモを聴いた段階で“めっちゃええやん!”って思ったんですよね。たぶん、Kくんのところに何かが降りてきてたんじゃないかなと(笑)
確かに何かが変わった印象がありました。具体的に何が変わったかはわからないんですけど。
特に何も変わってないですけど(笑)、マスタリングしているときに“音楽を作る人ととして、ひとつ高みに行けたかもしれない”とは思いましたね。何て言うか、もう一つの目線を持てた気がするんですよ。自分のスピリットを楽曲に活かすことはずっと続けてきてたんですけど、“それだけでは受け手の為になってない”と思うようになって。そこから自分の制作を俯瞰で見るようになったんですよ。外からの目線を持って、曲を作っている自分を上から見ているというか。「それだと伝わらないかな」とか「君はそういうことが得意だから、もっとやったほうがいい」とか言われてるような感じもあったし(笑)、リスナーとしての自分とクリエイトしている自分が両方いるというか。
──uchuu,の楽曲には様々なジャンルの要素が取り入れられてますが“このバンドでどんな音楽をやるか”というビジョンは明確なんですか?
踊れる音楽をやりたいというのはありますけどね。曲を聴いて自然に体が動くっていうのがいちばんいいと思うんですよ。楽曲の意味とかを説明するのはめんどうだし、“聴いたらわかるやん!”って(笑)。あと、いちばん大事なのは“この4人でやる”ということなんです。4人でやるんだったら何でもいいというか。レゲエでもいいかもしれないし。
それ、ときどき言ってるよね。“レゲエやろうか”って(笑)
レゲエはまだやってないけど、2nd E.P.にはヒップホップのアプローチも取り入れてますからね。4人で音楽をやってますけど、聴くのも大好きなんですよ。制作中でリスナーの立場で“音楽好きな人は、こういう曲は好きじゃないよな”と思うこともあるので。
──なるほど。メンバーの好きな音楽、ふだん聴いてる音楽も一致してるんですか?
いや、ぜんぜん違いますね。オアシスとブラーくらい違う(笑)
(笑)
いろいろ聴いてますからね、みんな。
うん。たとえばクラブミュージックとロックを聴いてる時点で、ジャンルは関係なくなるじゃないですか。
レキシも聴くし、スキマスイッチも聴くし、キュアーも聴くし。ボーダーはないですね。
──音楽の話もよくしてるんですか?
そうですね。Kくんが『サマソニで観たMagic!が良かった』とか『Foster the Peopleの新作がいい』みたいなことを言って、それをみんなで共有したり。
そうか。発信源は僕ってことが多いかも。
1 2