自分の迷いって、あからさまにお客さんの迷いになっていく
──デビューしてから現在までの高橋 優の歴史の中で、今はどんな時期でどんな気持ちなのかを、教えていただけないでしょうか。
ああ……今、一周した感じしますね、ちょっと。けっこう悩んだ時期とかが長かったんで。それこそタイアップをいただく意味とか、CDをリリースする意味とか、自分の中で頭でっかちになっちゃって、考えすぎてて、なんだかわかんなくなっちゃったことがあったんですけど。
──それはいつ頃ですか。
2012年とか2013年頃がいちばんそうだったですね。東日本大震災があったりして、いろんなことに関して悩む時期だったんですけど。ここ最近、タイアップをいただく意味とか、CDをリリースすることも、自分から率先して楽しんでやれるようになってきているし。自分の中で、「これは控え目にやろう」「これは前のめりでやってやろう」っていうことを、自覚しながらできるようになってきたんで。
それがまったくできなかった7年前と、それはやれる前提で曲作りとかライブとかに臨ませてもらえるようになった今は、同じことをやるにしてもだいぶ違うな、グルッと一周したのかな、っていう感じですかね。
──その、迷っていた頃の悩みというのは、どういうものだったんでしょうか。
あの、誰もが今、二言目には「CDが売れない時代になりました」って言うじゃないですか。「でも頭のいい人たちはすでに次に進んでいるよ」みたいなことも言うでしょ。配信なのか、データで売るのか、いろんな媒体が新しく生まれていたり。
そういうのも、もちろん耳にしない日はないし、横目で見てるんですよね。でも高橋 優っていう存在は、あんまり時代に迎合しなかったんです、ずっと。それでもCDをリリースしたし、それでも生音にこだわってたし。EDMが主流と言われようとも、そういうことには乗らず、沿わず、みたいなところがあって。
今は、そういうスタンスでこれからもやっていきたいな、あせったりすることはないな、と思えているんですけど。当時は「CD出したってどうせ売れないのになんで出すんだろう?」とか、ですかねえ。そういうことにいちいち迷ってたんだと思います。
──曲を作ること自体、ライブをやること自体には迷いはなかった?
うーん、曲を作ること自体はイヤじゃなかったんですけど、たとえば、「高橋 優さん、今回のCMの曲、お願いします。高橋 優さんに書いてほしい曲は、だいたいこういった感じなのでまとめてきました」って、渡されるんですよ。それを聴くと、某売れてるソロ・シンガーの曲がいっぱい入ってたりとかするわけですよ。
「この人に頼めばいいじゃん」って(笑)なんだったら僕、卑屈な部分があるんで、「この人にお願いして断られて、第二案第三案で名前が挙がった俺にしょうがなく来たんだろうな」って、勝手にひとりで悔しがってたりとか。妥協案の俺が、一所懸命曲を書いて、「ああ、高橋 優だたったらまあこの程度か」って思われるんだろうか……って、勝手にひとりで悩んでたんですよ。
その悔しさというのは、今ももちろんあって。でも、もしかしたら妥協案で高橋 優になったのかもしれないけど、「妥協案って思っていたのになんだこのすごい曲は、って驚かれるくらいいい曲を書こうぜ」っていうふうに、今は自分が切り替わってるんで。でもその頃は、そういう思いにかられちゃって。
で、ライブも、そういうふうに迷っていると、動員がすごく悪かったりとか。自分の迷いって、あからさまにお客さんの迷いになっていく、っていうことが如実に見えて。それで、ライブは好きだったはずなのに、一時期はライブすることも怖くなっちゃったりした時期はありました。
そこにいる人の心がどれだけ熱くなったかっていうことの方が絶対大事
──それを好転させていった時期についても、教えていただけますか。
2013年の序盤に、BRAHMANとコラボレーションさせてもらって、「(Where’s)THE SILENT MAJORITY?」っていうシングルをリリースして。BRAHMANと一緒にレコーディングしたり、ライブに出させてもらったり、2マンライブもやらせてもらったり。
その年にリリースしたアルバムが、『BREAK MY SILENCE』っていう、自分の沈黙をぶち破ろうっていうアルバムで。
それを引っさげてのツアーっていうのは、「とにかくもう叫ぼうぜ!」っていうもので。それまでは「高橋 優です、よろしくお願いします、歌います」みたいな感じだったんですけど、「東京―!声きこえねえぞこの野郎―!」みたいに叫んでから歌うようになったんですね。歌よりMCで声かれちゃう、みたいな。
そういうライブをやったら、お客さんも、「そうだろ、おまえはそうだったろう?」っていう感じで、呼応してくれて。1年間通してそういうライブをやったんですね。ずっと叫び続けてたんで、無理がたたって身体を何度も壊したりもしたんですけど。
でも、お客さんもそれにのっかって、僕より先に歌いだしちゃったりとか。こっちも「そうだ、きみの声をきかせてくれ!」って、『BREAK YOUR SILENCE』っていうツアーをやったり。で、最後は『BREAK OUR SILENCE』、一緒に沈黙を壊そうっていうホール・ツアーをやって、ファイナルは初めての日本武道館で。
その一連の流れの中で、答えじゃないけど……やっぱり、会うと会わないでは会った方がいいし、お客さんが多い少ないじゃなくて、そこにいる人の心がどれだけ熱くなったかっていうことの方が絶対大事だな、とか。
自分がどれだけ熱い思いで生きたかどうか、っていうことの方が絶対大事っていうことに、BRAHMANだったり、その時一緒にやってたスタッフだったり、お客さんだったりに教えられた気がしたんです、すっごく。そこらへんからですね、変わって行ったのは。
──ツアーはどんなことを考えておられます?かなり大規模なツアーですよね。
そう、自分の中で過去最大級のツアーになるんですけど。行ったことない地方も多いので、初めましてのツアーになるのかなと思ってるんですよ。
だとすれば、今まで7年間積み重ねてきた「ザ・高橋 優」としてのライブを観てもらいたいな、と思いつつ、今回はアルバムを引っさげてのツアーではなく、今年のシングル3枚、「ロードムービー」「虹/シンプル」「ルポルタージュ」をメインにしたツアーにしたいなと。今まで観たことのある方も、高橋 優の鉄板メニューの中に、そのシングルとカップリング曲たちがどういうふうに練り込まれて、どういうふうに味が変わるのか、というのを楽しんでもらえるライブにできたらな、と思っています。
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