英語を使いたい、アカペラ曲を入れたいと言ったのも私ですね。
──10月11日にリリースされる『歌祭文 ~ALL TIME BEST~』には、その「七変化」を入れて6曲の新曲が入っていますが、その曲たちはいわゆる歌謡テイストのものであったり、アカペラだったり、ちょっと洒落た感じの曲だったりというふうに、意識的にいろんな曲調を選んでいる感じがしました。
そうですね、そういう気持ちで選びました。武部(聡志)さんも意識的に今までの形式にのっとったものではなく、シティポップみたいなのを作りたいとおっしゃってたし。私が曲をいただいた時のイメージはトレンディードラマが流行ってた頃のような感じの曲が多いなと思いましたね。
──実際に作詞の作業に入っていったときに、何か意識したことはありましたか。
英語を使いたいと思っていたんです。今まで中国語、日本語に重きを置いてきたんですけど、もうちょっと広げていこうかなと思って。これは、出産しての心境の変化かなと思います。アカペラ曲を入れたいと言ったのも私ですね。
──それは、どういう気持ちだったんですか。
大学の頃は、アカペラ曲が入ってるCDを選ぶことが多くて、それはとにかくカバーしたかったんですね。練習のために。そういう、当時の私のような歌の好きな子たちが「あっ、アカペラ曲ある。ちょっとハモリ練習しよう」みたいなことにつながったらいいなと思って。
──ちなみに、これまでのヒット曲を集めたDisc-1の一青さんの歌と、新曲を歌っているDisc-2のボーカルを比べて、何か感じることはありますか。
ウ~ン…、自分の声が完成している状態での歌入れではないので、まだ発展途上だなというか。今できる力でやりました、という感じですかね(笑)。
──今の時点での記録になっているということですよね。
そうですね。この歌声で子守唄も歌ってますし、息子、娘にとっては馴染みのある声だとは思いますが。
──『歌祭文』というタイトルにはどういう思いを込めたんですか。
ベスト・アルバムと新譜の抱き合わせの形にするという話になった時に、私はずっとその時々の世情を歌ってきたつもりだから、山伏が世の中のある出来事を歌いながら各地を回って行ったという、歌祭文についてのストーリーを聞いて、ぴったりだなと思ったんです。
──山伏が歌って回ることを“歌祭文”と、いうんですか。
元々は、錫杖っていう長い杖を振り回して法螺貝を吹きながら神様的なことを歌ってたんだけど、その後に日常の出来事とかを歌詞に詰め込んで歌ってたという、そういう歌のことをいうそうですよ。
──そういうことだったんですね。勝手に、造語だと思ってました。
さすがにこんな素敵な言葉は作れないですよ(笑)。
──いやいや、すごく一青さん的な言葉だなと思ってました。でも確かに、山伏がその時々の時節のことを歌ってたことと、一青さんの今を歌として記録したこの内容は重なりますね。
そうなんです。それに、新曲にはそれぞれに今の私の気持ちが入ってて、例えば「シュプール」という曲は、幼馴染たちがみんなまだ嫁に行ってないんですけど、その理由の1つになかなか自分から気持ちを言えないっていうのがあって、いつも言われるのは「窈ちゃんとは違うんだよ」って。まるで私だけが勇気ある人みたいに言うんだけど、「いや、私だって怖いけど告白するんだよ」と言ってるんです。それでも、「いや、窈ちゃんはねー」みたいなこと言うから、「私の勇気をあげるよ」という意味で、友達を励ましたくて。「女からでも告白していけ!」というメッセージです(笑)。「雨とrendez-vous」は、「昔、付き合ってた人が聞いてたラジオにいつもチューニングを合わせてしまう」という友人の話を聞いて、なんか素敵な話だなと思って。もう離れてしまった人だけれども、なんだか体が覚えてるというのは歌詞に入れたいなと思ったんですよ。それから、「会いたかったのは僕の方」は“一青版「こんにちは赤ちゃん」”を作りたいって(作曲を担当した)BEGINさんがおっしゃったので。これはもう、さらっと書けました。子供のことなんで(笑)。
前回のツアーで、お母さんから一青窈に変わるっていうのができたんです。
──そういうアルバムを携えてのツアーが始まります。去年のツアーに向けての話では、歌ってみないとわからないことがたくさんあるとおっしゃっていましたね。
前回はね、子供から風邪をもらったんですよ。で、点滴をしながら乗り越えた日が1日あって、本当に体調管理って大切だと思いました。というか、難しいですよね。子供からもらうのはなかなか避けられないので…。これは今回も課題ですね。
──人前に出たときにどういうパフォーマンスをするのか想像がつかないということも話されていましたが、実際にやってみてどうでしたか。
意外とON、OFFで切り替えられるなと思いました。お母さんから一青窈に変わるっていうのができたんです。もっと地続きなのかなと思ってたんですけど、意外とスイッチが入るなっていうのが実感です。
──スイッチが入って一青窈になると、普段の暮らしとはやはり違う感覚になるんですか。
私の歌を聴きたいと言ってくださる方々がいて、そこで歌うことで循環してる感じがしたんです。やったことによって、「エネルギーを出しっぱなしで終わっちゃった」というのではなく、「出して、もらって」ということができたんですよ。だから、今回もやりたいな、やれるなという感じなんですよね。
今回は『歌祭文』を引っさげてのツアーなので、昔の曲もけっこう歌います。
──コンサート自体の構成については、いまの時点ではどんなことを考えていますか。一青さんのコンサートは、何か仕掛けがあったり、ちょっと入り組んだ構成になってたり、ということがよくありますよね。
それは変わらないと思います。ただ、間に授乳休憩を設けたいなとは思ってます(笑)。
──(笑)。授乳休憩が入ると二部構成に自動的になるじゃないですか。それはクリエイティブに具体的に影響しますよね。
しますね。でも、私はお笑いライブが好きでわりと観に行くんですけど、お笑いライブってけっこう間が空いてることが多くて。そういう間で見せる…、例えばグッズ紹介とか映像を流すとか、いろいろできそうだなとは思ってますね。まだわからないですけど。
──子供を産むまでは、自分のライブに授乳休憩を作ろうなんて考えなかったと思うんですけど。
そうですね(笑)。
──結果、間ができるんだったらできるで、その間をどういう風に使うか?というふうに、新しい発想の仕方をするようになるってことですよね。
そうですね。ただ、今回は『歌祭文』を引っさげてのツアーなので、昔の曲もけっこう歌うから、そういう意味でちょっと難しいという話は、制作の方としてたんです。何か一個だけわかりやすいオブジェを作るとか、そういうわけにはいかないから。これはもう割り切って作っていくしかないな、といまは思ってます。ただ、私自身の心持ちとしては、1人目の出産から常にアッパーな状態にあるので、そんなにしっとりってことにはならないとは思います。
──どんなステージになるのか、楽しみです。ありがとうございました。
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