ライヴという形態が一番僕から生まれてくる音楽の本来の姿、形を感じてもらえる場所。音楽のコンサートなんですけど、総合舞台芸術なんです。
──そして、12月6日のツアーファイナルはZepp Tokyo。昨年ツアーをスタートさせた場所へと戻ってくる訳ですね。
Zepp Tokyoはもう出過ぎてて、馴染みの場所に帰る感覚です(微笑)。自分のホームグラウンドのようなハコです。
──SUGIZOさんにとってライヴというものの位置付けを知りたいんですが。SUGIZOさんのライヴは単なるライヴではなく、映像、舞踏などあらゆる芸術要素を総動員して音楽を奏でている空間があそこにはある気がするんです。
僕は音楽家だから音楽はもちろん重要ですけど、ライヴはライティングや映像、フィジカルな表現等、すべてが統合された一つの世界なんです。僕の場合、音楽が生まれてくる時点でその楽曲の色や景色が見えてるんですね。常に。なので、じつは曲をコンパイルしただけの音源は僕が表現したいものを100%表現したものではないんですね。
──ああ、そうだったんですね。
音源だけでは表現できないものを照明や映像、あらゆる視覚的要素を含めて表現してこそ、僕が最初にイメージしていた「音楽のあり方」になるので。そういう意味でいうと、じつはライヴという形態が一番僕から生まれてくる音楽の本来の姿、形を感じてもらえる場所なんです。ライヴもコンサートという形式になると人それぞれいろんなやり方があって。照明は備え付けのものだけを使ったシンプルなものでいいよという人もいれば、映像を使わない人もいる。だから、考え方としては、僕のライヴも音楽のコンサートなんですけど、総合舞台芸術なんですよね。あと、僕のライヴはロックだとかテクノだとか、そういう表層的なジャンルにはもはや縛られてないです。マインドは常にロックですけど、テクスチャーはむしろ電子音楽ですからね。
──この20年で、さらに電子音楽としてのエッジの効いたサウンドメイキング、その絶対的な強度が増していった気がします。
そうですね。電子音楽の方が自分でコントロールしやすいんです。僕は、不安定な人間のリズムがたまらなく嫌いなんです。安心して音楽に入り込み、集中できるのは電子音楽。機械でしか表現できない完璧なリズムに、自分という人間がゆらぎを与えていく。
──ギターであったりヴァイオリン、人が奏でる音で。
はい。そういう感覚が「自分らしいな」と思ってます。そこは20年間ずっと変わらないですね。
「いち音楽家・表現者としてのSUGIZOのステージ」をみなさんには観てもらいたいですね。
──LUNA SEA、X JAPANのギタリストとして華々しく活動する一方、ギタリストというイメージをはるかに飛び越えたところにあるSUGIZOさんのソロワークに、この機会にぜひたくさん人に触れて欲しいです。
はい、そう願います。どうしてもね、僕の場合はLUNA SEAやX JAPANという色眼鏡がつくんです。それはしょうがないことで。もちろんLUNA SEAもX JAPANも僕自身なので、僕の中に重要な要素としてあるんですけど。そうじゃなくて「いち音楽家としてのSUGIZO」をみなさんには観てもらいたいです。僕の中から生まれてくる世界を見て欲しい。その世界をみんなに伝えたい。そこにはとても重要なメッセージがあって。それは、ものすごく強烈なヘヴィネスもあれば、逆に至福の気持ち良さもある。それらを僕は抽出している媒介者でしかないので。だから、ライヴでは僕を見なくていいです(微笑)
──ぶははっ(笑)。ギターを弾きまくるというような、よくあるギタリストのソロライヴとかとはまったく違う別次元のものですからね。SUGIZOさんのライヴは。
僕はたまたまギターが得意で扱えるだけで。僕のなかからは、その他にもあらゆる要素が噴出している訳です。それを、音楽や視覚的効果や舞踏、アートに表現を置き換えている感覚です。音楽が核にはあるんですけど、例えばコンテンポラリーダンスなどの舞踏の要素もあり、ビジュアル的なことでいうとインスタレーションの要素や空間アートの要素もあるもあるし。映画的な要素もある。様々な表現形態が一つに溶け合ってる。僕が表現している世界はそういうものなので、もしかしたらロックしか好きじゃない人はその音圧や爆音で気持ちいいと思えるかもしれないし。テクノしか好きじゃない人でも、テクノをベースにこういう世界の広げ方があるのかと楽しんでもらえるかもしれないし。あまりライヴには行かない、でも美術館には行くよという人でも楽しいかもしれないし。舞踏はよく観に行くよという人が観ても楽しめると思うし。
──つまり、音楽も聴けてアートも鑑賞できて。芸術全般を楽しめるのがSUGIZOさんのライヴ。
そういう意味でいうと、自分でいうのも変だけど、すごく稀有な表現形態だと思います、僕のライヴは。なので、もちろん音源は手に取って欲しいですけど、一番重要なのはいち表現者としてのSUGIZOのステージを見て欲しいということです。ステージで表現している世界観やメッセージがとても重要なはずだと自分は確信してやってますので。少なくとも、こういう体験が初めての方には、すごくいい意味での衝撃や感動や恍惚が体験できると思います。
PRESENT
直筆サイン入り色紙を1名様に!(応募期間は終了しました)