JAKIGAN MEISTER(咲人)全国ツアー開始!ソロでの楽曲制作で目指した音作り、ライブにおける心境の変化とは?

インタビュー | 2017.08.04 12:00

──そうなんだね。たしかに、MCでは素の飾らない咲人のままだったからね。メリハリがあって良かったなと。しかし、『Ejaculation』はダンスを感じるリズムのものが多くありつつも、基本バンドサウンドだったね。そこはやはりNIGHTMAREのギタリストであるというところを、ちゃんと意識してのところだったの?もっとイキきってるというか、振り切った提示も想像してたから、ちゃんと聴き手のことを考えたソロの提示だったのかなと。

咲人 最初の1枚目に何を出していくかというのは、すごく重要だと思ったのね。そういうところは考えたよ。イキきるって、どうなんだろうね?ん~、難しいよね。俺が1人でやりたいことは、このへんかなっていうのはありつつ、プログレみたいなサウンドや、ノイズばっか出してるようなジャムバンドみたいなのもいつかはやりたいなとも思うんだけど、そこはカメレオン的に自分を変えられると思っているから。でも、最初から振り幅広過ぎちゃうことやってもどうなのかな?っていうのもあったし、自分自身が聴く側であっても、そんなの聴きたくないかなと思ったし。

──今回の『Ejaculation』の楽曲たちは、NIGHTMAREでは表現できない、自分のやりたいサウンドであった感じ?

咲人 そうだね。バンドでやったらちょっと合ないよね、みたいなとこでありつつ、自分のやりたいこと、って感じかな。俺がソロで1番目指すところを一つ言うとするなら、【実はものすごくマニアックなことをやっているんだけど、ものすごくポップだったり、キャッチーに聴こえる】っていうところなんだよね。そこが自分の中で1番重要だと思ってて。例えば、バックのコード進行がテンションバリバリのジャズみたいなコード進行なんだけど、メロはすごくシンプルで聴きやすいっていう。それくらいが、ちょうどいい匙加減なのかなって思ってるんだよね。

──咲人の作る曲は、NIGHTMAREのときからトリッキーなものが多かったし、そのあたりはやっぱりちょこちょこ感じたしね。でも、たしかに、中心にあるメロディはすごく聴きやすいものだった。

咲人 そうなんだよね、トリッキーだってよく言われるんだよ。一筋縄ではないものが好きだからね。ギタリストのソロアルバムっていうと、どうしても全編ギターインストとかになることが多いと思うし、自分的にはそういうアルバムも聴くし、すごく好きなんだけど、自分がやるなら、そうじゃないのかなって思ったというか。そうするとマニアックになっちゃうからね。俺は歌詞も書く人だし、どっちかって言ったら歌モノの方を聴くタイプだから、自然とメロディや歌メロや言葉が出て来ちゃうから、そこを無くしたら自分じゃないのかなと思って。

──たしかに。咲人は歌詞も文章も書く人だからね。今言われて、たしかにそうだなと思った。

咲人 でしょ。だから、自分の中でインストアルバムという発想はまったくなかったんだよね。

──なるほどね。12曲(※ボーナストラックを含むと13曲)中2曲だけだもんね、インスト。

咲人 そう。それくらいがちょうどいいのかなって。

──しかし、そんな「Enter the JAKIGAN」と「a Relic」というインストの中にも、咲人の“好き”は凝縮されていたけどね。両方とも、やっぱりアラビア音階的な要素はしっかりと在ったから。

咲人 そこは出ちゃうんだよね~(笑)。やっぱり好きなんだろうね、本当に(笑)。

──「a Relic」は、本当に咲人の惹かれる景色を感じたと言うか。夜明けとか、大陸を感じた。

咲人 そうだね。まさに。ちょっとオレンジなイメージじゃない?

──そうそう、オレンジなイメージ(笑)。

咲人 ね。決して都会ではない感じね。「a Relic」は、『TABISITE(タビサイト)』(※咲人がシリーズで出している旅行記)をイメージして書いた1曲だったんだよね。

──まさにソロワークを色濃く感じるね。そんな中、今回のアルバムの中で咲人的に、冒険したなと思う曲はあった?

咲人 冒険かぁ。挑戦はあるけど、冒険はないかな。冒険ってさ、定義的なことを言うと、ちょっと危険かなと思う部分もあったりするでしょ。そういう意味では、今回冒険は無かった気がするんだよね。どの曲も全部腑に落ちてるというか。最初に計画を自分の中でちゃんと立ててたのもあったから、“よし!いっちゃえ!”みたいなのは無かったんだよね。大凡このあたりだろう、というのを自分の中で立てって向き合ってるから、後は自分が頑張れるかどうかだったっていう。だからね、冒険みたいな危険もギャンブル的なところは感じてないんだよ、今回に関してはね。

──じゃぁ、挑戦曲はどのあたりだったの?

咲人 打ち込み系の曲は挑戦だったね。「なりたかったくなかった」とか「Mercy Killing」とかね。

──「Mercy Killing」はディスコサウンドだったね。80年代のユーロビートを感じた。デッド・オア・アライヴを彷彿させた1曲だったよ。

咲人 うん。俺、80年代の音楽大好きだからね。「Mercy Killing」は、モロにデッド・オア・アライヴをやりたくて(笑)。

──咲人は、ハウスとかエレクトロとかも好きだからね。でも、たしかにそこはNIGHTMAREの中には持ち込めない要素でもあるからね。

咲人 そうなんだよね。80年代のリバーブのかかったドラムの音とか大好きで、ずっとやりたいなって思ってたんだけど、NIGHTMAREのサウンド感とは合わないから使えなくて。だから、今回の『Ejaculation』にはそういうサウンド感を詰め込んだ感じではあったね。どちらかというと、NIGHTMAREのときは、自分の周波数をNIGHTMAREに合わせてた感覚だったからね。

──NIGHTMAREも、年代的には80年代の邦楽のメロや歌謡曲的要素はあるんだけどね、ユーロとかエレクトロの要素は無いからね。そういう意味で言うなら、「嗜好品」の間奏のソロ部分のギターとベースの絡み具合にも、80年代を感じたけどね。個人的にすごく好きな部分だった。

咲人 俺もそこは結構気に入ってる部分なんだけど、たしかに、そこも俺の中では80年代感があるとこだったね(笑)。

──ちょっといなたい感じがね。

咲人 うん。俺ね、ちょっとダサい感じが好きなんだよね(笑)。80年代って、ちょっとダサいものが多いじゃん(笑)。

──ダサカッコイイ感じね。

咲人 そうそうそうそう!そこなんだよなぁ~。「ヰタ・セクスアリス」なんかもそうじゃない?この曲は完全に80年代の歌謡曲っぽい1曲だけど、そうだもんね(笑)。

──マニアックすぎる振り幅の広さはなかったにせよ、やっぱり1枚を通して、いろんな要素を感じたアルバムだったから、ツアーを通してそれらの楽曲たちがどう成長していくか、それによってライヴがどう変化していくかが楽しみなところでもあるよね。

咲人 そうだね。それはまだ今の時点では分からないから、ツアーがすごく楽しみではあるよね。

──じゃぁ、7月28日の北海道を皮切りに始まるツアーにむけて、ファンのみんなにメッセージを。

咲人 ライヴ的には、逆に“ギタリストのソロライヴ”っていう感じにはしたくないと思っているから、構えず、気軽な気持ちで音楽を楽しみに来てほしいな。あとは、とにかく、“俺を見ろ!”って感じかな(笑)。

──おぉ~、いいメッセージ(笑)。

咲人 昔ね、原宿の占い師に、“アナタ、若いときは地味だけど、歳取ってから上手くいくわよ”って言われたことがあるから、そろそろかなと思ってんだよね(笑)。

──おっ。じゃぁ、そろそろ。

咲人 そう。そろそろいい感じの頃なんじゃないかなと(笑)。だから、そんないい感じのところを観に来てもらえたらと思います(笑)。純粋に、クオリティの高い音楽を届けていこうと思っているので、是非、遊びに来て下さい。

 

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JAKIGAN MEISTER TOUR [Ejaculation: Sequence]

8月6日(日) 柏PALOOZA
8月9日(水) 福岡 DRUM-Be1
8月10日(木) 広島 セカンド・クラッチ
8月13日(日) HEAVEN'S ROCK Utsunomiya
8月17日(木) 大阪 BIG CAT
8月18日(金) 名古屋 ElectricLadyLand
8月20日(日) 高崎 club FLEEZ
8月29日(火) 新宿 ReNY
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1st ALBUM「Ejaculation」
(Timely Records)
※【Type:A 初回限定特殊パッケージ仕様(CD+DVD)】
※【Type:B(CD)】
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