インタビュー/海江敦士
──RAZORと言えば、頻繁にライブ活動を行っていますが、今回リリースするニューシングル「LIQUID VAIN」は、いつ頃から準備されていたんですか?
突然、剣が「曲ができた!」って。「DNA」(2月にリリースしたシングル)の制作が終わってすぐくらいかな。
2月の中旬にはできてましたね。
実は“次のシングルどうしようか”っていう話は常にしていて。そんな中で、なんとなくその時のスタジオで話したテンションで、各自が曲作りを始めた流れだと思うんですよ。
──そう考えたら、かなりじっくりと制作されたんですね。
それが、すぐにライブでやりたかったんで急遽スタジオで詰めて。初披露は3月26日の恵比寿リキッドルームで行った主催イベント(=『REDEMPTION SCREAM』)に間に合わせたんです。
原曲はストレートだったんですけど、途中でちょっとクセのある部分をつけました。
──あ、その部分がどのあたりか、何となくわかります。後半、かなりクセのあるアンサンブルが出てきますね。
ホントなら2コーラスいったあとに、ギターソロがあってアウトロがあって、そのあとまたサビがきてアウトロがきたら終わりじゃないですか。それじゃ面白くないと。
ここは迷宮に行こうと!(笑)。
──出口をさがすのが大変そうですね。
出口に向かおうっていうところで悩んだかな。
ホントにいろいろ悩んだね。
迷宮に入ったのはいいけど、みんなどうやって着地していけばいいのかと。
最終的にはギターソロにいく前の展開と、ドラムのフィルで戻っていく部分ができてからすんなりいきました。
──仕上がってみると5分55秒という区切りのいい数字が(笑)。シングルの曲としては、割と長いかもしれませんね。
前作の「DNA」もドラマチックな展開で、自分的にはすごく面白いなと思ったんですよ。猟牙くんは「DNA」を出した時の取材で「ジェットコースターみたいな曲」って言ってたんですけど、「LIQUID VAIN」では「おもちゃ箱みたいな曲」って言ってるんですよね。何となく分かる気がします。
実はセクションごとに違う手法がつめこまれているので、音楽が好きな人はもちろんですが……例えば楽器を触っている人とかバンドをやっている人でも楽しめる曲だと思います。正直、1回聴いただけでは、あまり理解ができないかもしれない。でも、何度か聴きこんでいくうちに、よさが理解できる曲なんじゃないかな。
──そんなに何度も聴かなくても、出だしのキャッチーさで引き込まれると思いますよ。しかもメロディーが妙にひっかかってくるという……何ていうか、感覚的な印象なんですけど、Janne Da Arcさんっぽい雰囲気があるような。
あ!実はちょうどそんな話もしてたんですよ!特に俺と剣はJanne Da Arcがすごく好きで。あと、剣が使うシンセの感じとかハードロックの匂いにも、どこか影響があると思います。
僕もJanne Da Arcさんはすごく好きで。ただ、敢えて彼らに寄せて制作したことはないんです。でも、やっぱりルーツとして通ってきた要素はにじみ出るのかもしれないですね。
1 2