ヨーロッパは可能性が残ってる。「めずらしいものが来た」っていう感じがお客さんにあって(まり)
──アメリカ・ツアーは何度もやってるじゃないですか。あのブッキングは?
やよい 最初に『SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)』に出た時は、日本のエージェントにブッキングしてもらったんですけど、それ以降は自分たちでやってます。最初に行った時に友達になったバンドマンとかに頼んだりして。だからギャラの保証はないけど、絶対楽しいツアーができるという保証だけで行ってますね。
──ヨーロッパは違ったわけですね。
まり ヨーロッパの方がビジネスライクですね。ヨーロッパは可能性が残ってるというか。日本とアメリカはもうやりまくってるから、ヨーロッパの方が「めずらしいものが来た」っていう感じがお客さんにあって。
やよい ヨーロッパは、ライブをやれば、泊まるところとごはんの保証が付いているので。非常にやりやすいです。ただ、内容は向こうにおまかせなので。映像にも上がってますけど、ごはん、初日は、のびきったインスタントラーメンだったし(笑)
<初日の様子はこちらをチェック!>
まり あれはひどかった。でも、行く先で、だいたい決まってるみたいで。マークが「あそこに行ったら絶対トンカツだよ」とか。ケータリングと泊まる場所は、愛情の度合いによってレベルが上がったり、下がったり──。
やよい アニメ・コンベンションみたいなイベントは、だいたいケータリングはひどいとか(笑)
まり 4本目のフェルトキルヒ(オーストリア)は、ケータリングがおいしくて有名で、「ここは期待できるぞ」とか言われて。あと、フランスはおいしい。ナント(5/23、レポート9日目/パリ)とか豪華でした。バンドの食事を作るためだけに雇われてる人がいたりして。
スイスのライブハウスは、隣に牛がいました(やよい)
──スケジュールを見ると、6日連続ライブとかあるじゃないですか。
まり 向こうのエージェントは、毎日ライブがあるように、おカネが入るように組みまくるので。逆に2日とかオフができちゃったら「2日も稼がせなくてごめん」ぐらいな。
やよい それにアメリカと違って、ヨーロッパって狭いので。ライブやって、泊まって、起きて、3~4時間走って次の街へ、くらいの感じだから。あ、でも、つらかったのは、今回、ほとんどのホテル、エアコンなかったんですよ。
まり そう。暑かったあ。
やよい 30度くらいあったんですけど。日本にいたら、だいたい屋内に入ればクーラー効いてるじゃないですか。それがあたりまえだったから、「どこにいても暑い!」みたいな。クルマの中もあんまりエアコンつけてもらえないし、半分夏バテしながら(笑)。前回は冬だからわかんなかったんですけど。
──そういえばパリ(5/20、レポート7日目/アヌシー)で、「やっと洗濯ができました!」って映像ありましたよね。
まり そう、洗濯ができないんですよ。
やよい 毎日手洗いするしかなくて。日本もアメリカもどこかしらにコインランドリーってある、ホテルに行けば付いてるし。ヨーロッパはホテルにもないし、パリみたいな大きな街にやっとあるぐらいで。あっちのライブハウスって、ちょっと辺鄙なところにあるから。
──日本みたいに繁華街にあるわけではないんですね。
まり 繁華街の時もあるけど、そうじゃないところの方が多いかも。たぶん、村の唯一の楽しみみたいな。
やよい みんなクルマで来るし。スイスのライブハウスは、隣に牛がいました。で、お客さんを乗せる送迎用のクルマが出ていて。そうでもしないと来れない場所にあるから。
──対バンツアーでしたよね。
まり 12月に行った時はワンマンで、今回はPeelander Z(ニューヨーク在住の日本人たちのコミック・パンク・バンド)と一緒の日が多かったので。Peelander Zがいる日は彼らがメイン・アクトで、私たちが先で、っていう。いない日は、地元のローカル・バンドと私たち、みたいな感じです。
──映像のセットリストを見ると、ほぼワンマンくらいの曲数をやってますよね。
まり そうですね。15曲にアンコール2曲で17曲とか。1時間はやらないと、プロモーターに怒られるので。「ちゃんとお客さんを満足させる時間やりなさい」って。
──船がライブハウスになっているの、びっくりしました。(5/23、レポート8日目/パリと5/25、レポート10日目/ボルドー)。
やよい あれはおもしろかったですね。
──揺れません?
やよい 揺れます(笑)
まり 気持ち悪いんですよ、揺れてて。でも、今回のツアー、ライブハウス自体はどれもすごい有名なところだったみたいで。ハクがついたっぽいです(笑)。「このスケジュール見たら『このバンドすごいな』って思われるぞ」って、マークが言ってました。
サポートドラム・まいことの出逢い。そしてツアーは続く!