ドラマーは普段の格好に困ります(アニー)
──「ドラマーじゃなきゃよかったなあ」と思うことがあったら、それぞれ挙げていただけますか?
高橋 ああ、「ちくしょう、ボーカルになっときゃマイク一個で済んだな」とか。「なんでこんなドラムセットいちいち組まなきゃいけねえんだ」みたいな(笑)。
アニー いちばん時間かかるしね。ドラムセットを持って行かなきゃいけないし。で、持って行かないと違う音になっちゃうし。ギターやベースはサオ(ギター、ベースの事)とエフェクターで、まあまあ自分の音が出せるけど、ドラムはそうはいかないから。(高橋のセットを指して)このシンバルしかこの音はしないから、これを持って行くしかなくなっちゃうし。
高橋 な!そうなんだよな。
アニー あと俺はけっこうね、格好、困りますよ。普段の格好ね、ライブの時じゃなくて。
その日、リハとかがあると……ドラムを叩きに行くのにスーツで行かないでしょ? 結局ラフな格好で出かけるしかなくなるじゃないですか。
高橋 革靴なんて履いてられないしな。
アニー そう、靴も限られるし。
──そういえばステージでアニーさん、ずっと黒のタンクトップですよね。「もうこれ!」って決めている?
アニー いや、決めてないんですけど、ドラム叩く時に袖がじゃまじゃないですか?
高橋 じゃま!
アニー Tシャツでもイヤですよね?
高橋 そう、ほんとはイヤ。袖なしが一番いいんだけど、ちょっと俺はスタイリッシュにいきたいから。ワイシャツの袖を切ったりとかしてさ。
アニー 差をつけられた(笑)。
高橋 でもワイシャツの方が、ヘタな半袖よりは叩きやすいのよ。
アニー ああ、そうですよね。手首まわりと二の腕まわりが気になるんですよね。
高橋 そうそう。ヒジとかは平気なんだよな。
アニー ね、なんでしょうね? ドラムでよかったのは、まあまあ健康でいられるところかな。身体を使ってるから。
──でもドラムだから身体に支障が出るっていうのもありません? 特に耳とか。
アニー それはもうしょうがない。耳がダメになるのは。
高橋 耳は俺もダメだよ。完全にこいつのおかげで(ドラムセットのトップ・シンバルを指す)。
アニー え、右? 左じゃなくて?
高橋 うん、右耳。トップはいちばんダメね、あのキンキンって音が耳にくるから。
アニー ハットじゃないんだ?……あ、そっか、ハットのオープン(2枚重なっているハイハットの隙間を空けて叩く。音が大きく長くなる)、あんまり使わないんですね。
高橋 うん。
アニー 俺はハードロックが長かったんで、ハットのオープンをけっこう使うから。そうすると左耳がダメになるんですよね。
高橋 そうかそうか。でも絶対あれだよな、ドラマーで耳いい奴なんかいねえよ。
アニー そうですよね。けっこう歳いってるドラマーが集まってる飲み会とか、ひどいもん。
高橋 (笑)そうそう、うるせえよな。俺、完全にハイ落ち(高い音がきこえない)だもん。時計のチッチッチッて音とかきこえないもん。
アニー だから、どんなホテルに泊まってもよく寝れるんだよね(笑)。冷蔵庫の音とか全然気になんないもん。だからまあ、ドラマー用の耳になったってことでいいんじゃないですか(笑)。
おまけ
第3回「今のキャリアだからこそのバンドのやり方編」~7月10日(月)19時公開予定
PRESENT
『高橋まこと×菊地英二 2名のサイン入り色紙を3名様&JET SET BOYSメンバーサイン入りポスターを1名様にプレゼント!』