インタビュー/岡本 明
──約半年で早くも「Legend Guitarist Vol.2」が決まりましたが、前回の内容で印象に残っていることというと?
NATCHIN(サポート・ベーシスト/21g)の服だよね(笑)
最初、楽屋入りの時にすごいキマッている衣装だなと思って。そういう感じでステージに立つんだと思っていたら、いざ本番前になって衣装が違ってた(笑)
入りの時がワインレッドのスーツで。
聞いたらそれが私服で、誰よりも目立ってた(笑)
ステージ衣装が地味になるのってすごいな。でも、思い出すのがそこ?みたいな(笑)
打ち上げもその格好のまま行きましたからね。
印象に残っているのはそれぐらいですね…とかいって(笑)。でも、ギタリストだけで、歌がない状態でライブをやったらどんな感じになるのか、終わるまで想像つかなかったんです。だけど、思っていた以上にお客さんたちが楽しんでいる雰囲気があったり。あと、それぞれ色は違うけれど、ギタリストの作品に対して愛情があるギタリストが集まると、こうやってひとつにまとまるんだなって思いました。
ギターってボーカリストのようにそれぞれの個性がすごく出る楽器だと思うんです。わからない人はギターってどれも一緒じゃん、と思うかもしれないですけど、前回のライブの感想とかメッセージで、“ギターって面白い楽器だなというのをライブに行って感じました”というのをいただいて、やった甲斐があったなと思いまいた。
ギタリスト5人でステージに立つのは初めてだったので、どうなるのかなと思ったんです。最初、そんなに色は違わないと思っていたんですけど、実際に立つと5人それぞれ個性が違っていて、その中で絡みとかもあって、やっている感じとしてはすごく楽しかったです。お客さんにどこまで伝わっているのかなと思ったりもしたんですが、皆さん喜んでくれていたようで。自分の経験としても、すごく意味のあるイベントになったと思っています。
──本番に向けてリハをかなり重ねたと思いますけど?
でも、それぞれ忙しかったりするので、最終的に全員が集まれたのは1日だけで。それぞれにリハはしているんですけど、前日に5人集まってリハーサルをしたんです。そこで、みんなプロだなと思いました。サポートミュージシャンも含めて、それぞれのアーティストがやりたいことを伝えておいたら、1日あれば形になるんだなと思いました。
──リハーサル1日だけであれをやり遂げるというのはすごいですね。絡みがある曲も多くて細かいし、難しいと思いますが?
そこは、それぞれの作曲者が割り振って、ここからは誰が弾いて、ここからは誰のパート、というのを振り分けていたので。その予習はしておいて、あとはその場で実際にやってみて、どうしようかという検討をしました。曲の入り方、はけ方はみんなで案を出し合って、という感じでしたね。
ギタリスト的に分かり合える部分があるからなんでしょうね。確かに細かいけれど、ギターアプローチとして不得意じゃない感じとか。普通の歌ありの曲でもキメがあると、ギタリストはそういうのを覚えるほうだから、そんなに大幅に苦労している姿は見なかったね。ただ、Leda君が日本にいなかったので、彼だけリハーサルの進行に合流できたのはギリギリでした。でも、みんなでバックアップしてましたけど。
──ライブ当日になって思いがけないことが起きたりとか、ありましたか?
都内が渋滞で、僕はリハの10分前に会場に着いたんですよ。細かい確認ができないままリハになったので、“怖い顔して弾いてましたね”って言われて(笑)。テンパッてました。リハには間に合ったけれど、ちょっと焦りました。1本しかないライブなので取り返しがつかないから。でも、本番では問題なくできました。
あと、自分たちの体感以上に演奏時間が長くて、お客さんの帰りの時間が気になったみたいです。
ちょっと喋りすぎたね(笑)。5アーティストいて、アンコールセッションもあって。自分たちの気持ちとしては、初めましてのファンの方もいるし、一緒にステージに立つのも初めてだし、アーティストどうしの距離感、普段の雰囲気も知ってもらいたいから、そこには言葉も必要だよねという話はしてたけど。でも、平日なので開演時間も通常だったし、話しているうちに楽しくなってきてね(笑)
楽しくなって長くなって(笑)。その場のノリは大事ですから。
──でも、全曲インストなので、喋らないと本当に演奏だけに終始することになりますから。
そうなんです、お客さんも口を開くことがないまま終わるのも寂しいので。笑ったり声を出したりという瞬間も大事だと思いますね。
僕の場合は、演奏中にシールドが抜けました(笑)
──そんな基本的なことが起こるとは(笑)
RENO君に引っ張られてね。
“こっちに行きましょうよ”ってステージの端に向かっていこうとしたら(笑)
リハの時に確認したつもりだったんですけどね(笑)。いろいろステージを動いて、という話はしていたんですけど、本番はテンション上がるじゃないですか、それで行き過ぎたんです。
“あれ、音が出ない”って。
まあ、僕らしいといえば僕らしいですね(笑)。でも、もっといろいろ起こるかなと思っていたんですけど、それ以外はスムーズでした。一回目にしてはよくできたんじゃないかなって思いますね。
実際、モニター環境がステージに立ってみるまでどうなるかわからない、というのはあったけど。
そこは割り切らないと。
でも、思っていたほど爆音で何も聴こえないわけではなくて、それぞれちゃんとモニターできる環境になっていて。RENO君はキャビネットを山ほど持ち込むから、どれだけ鳴らすねんって思ったけれど(笑)
鳴らしているのは1台ですけど(笑)、せっかくなのでド派手に行こうと思って。
──5人全員のセッションはいっせいに音が鳴っているので、バランスが難しいですよね?
でも思ったほどグチャグチャにならずにできて。
そこはKOJIさんに割り振りをしっかりしていただいて。バッキングがダブルで鳴ってて、ハモリがあって、休む人もいるので、全員でグシャッていうのはなかったです。計算してやっていただいたおかげですね。