“歌うときにどうしても出ちゃうんですよ。35年歌ってきた自分の形というようなものが。”
──リリースされたばかりの配信シングル「週末のStranger」は、そういう稲垣さんのボーカルの魅力がすごくわかりやすく楽しめる1曲ですね。
そう思います。ただ、35年も歌っていると、やっぱり変なクセが身についているということもあるし、歌のピュアな部分が失われてきたりすることがあるんですよ。それは歌ってみないとわからないんですけど、そのあたりをレコーディングのなかで客観的に聴いて、もしそういうところがあると歌い直すということをやるんですよ。そこはデビューの頃とは違ってきてますよね。
──ボーカルのスタイルが違うということですか。
デビューの頃は、まず自分の歌の可能性を自分自身は見えていなくて、ディレクターやプロデューサーがそういうものを引っ張り出してくれました。僕からすれば、“オレもこういう曲を、こういうふうに歌えるんだ”というような感じですよ。ところが、いまはまったく違って、自分で歌えると思えば歌えるんだけど、逆にピュアな感じで歌う難しさというものを感じたりすることがあるんです。例えば去年、最初の3枚のアルバムから選曲してセットリストを作ったコンセプト・ライブというのをやったんですけど、そのなかには歌うのはほぼデビュー以来ぶりという曲があったんです。それを歌ったときに思ったのが“いまの歌い方をしちゃダメだな、デビュー当時の真っさらな、プレーンな感じで歌わないとこの曲の良さが出ないな”ということで、逆に言えば、特に意識しないで歌うと、どうしても35年目の稲垣潤一の歌い方というものになってるということなんですよ。それは、わかりやすく言ってしまえばクセということなんですけど、それをなくして歌うということに去年のツアーではトライしてたわけです。だから、ライブではこう歌ってレコーディングではこう、という話をしましたけど、それとは別に35年歌ってきたということもやっぱり大きいんですね。そのなかで身についたものを削る作業というのも出てくるということなんです。
──「週末のStranger」には♪初めてで懐かしい場所♪という歌詞がありますが、この曲自体の印象として、まさに初めて聴いても懐かしさを感じるようなスタンダード感があります。それは、稲垣さんがこの35年の間変わらずに印象づけてきたクールなボーカルの魅力に負うところが大きいと思いますが、それでも曲によってはそうした積み重ねを削いでいかないと良くないと感じるところがあるわけですね。
良くないというか、その曲を生かせていないと感じるんですよ。デビューの頃のほうが上手いというわけじゃないんですよ。
──上手い/下手の話ではなく、いい歌になっていないということですね。
そうなんです。歌うときにどうしても出ちゃうんですよ。35年歌ってきた自分の形というようなものが。それがいい場合と、良くない場合があって、しかも、その「自分の形」みたいなものが出ていても、それは一般の人が聴いたら全然わからないようなことだったりするんだけど、でも僕のなかではすごく重要なポイントだったりするんです。
──そのこだわりこそが稲垣さんのボーカルの個性を生み出してるんですね。ちなみに、「週末のStranger」は35周年ツアーでは歌われますよね?
この曲と、それから去年出した「夕焼けは、君のキャンバス」は歌います。「夕焼け〜」は大瀧(詠一)さんオマージュ作品ですけど、去年の9月からだったかな、クルマのCMで流れ始めたらすごく反響が大きかったんですよ。この2曲も含め、今回は節目のツアーでもありますので、以前のセットリストとはかなり変わっています。みなさんの反応がすごく楽しみだし、僕自身もウキウキした気持ちでいます。
──いいツアーを期待しています。ありがとうございました。
■稲垣潤一 Duet With 土屋アンナ – 涙のロンリー・ボーイ(稲垣潤一『男と女5』より)
PRESENT
「IGNITION TIME 2016 SUMMER TOUR」トートバッグと著書『闇を叩く』(サイン本)を各3名様に!
【Twitter応募方法】
①DI:GA onlineの公式Twitterアカウントをフォロー(https://twitter.com/diga_online)
②こちらの企画ツイートをRT(https://twitter.com/diga_online/status/872288288345702401)
③こちらの企画ツイートのリプライから「希望商品」&「稲垣潤一の楽曲とライブの魅力」を送って下さい!
応募〆切は2017年6月30日(金)23:59まで。 当選者にはDMにてご連絡させていただきます。
【メール応募方法】
以下を明記の上、メールにてご応募ください。 応募〆切は2017年6月30日(金)23:59まで。
※「プレゼントに応募する」ボタンを押すとメールが自動生成されます。
※当選者の発表は賞品の発送をもって代えさせていただきます。
《宛先》paper-dg@diskgarage.co.jp
《必須記載事項》希望賞品:【稲垣潤一】トートバッグorサイン本、郵便番号、住所、氏名、年齢、稲垣潤一の楽曲とライブの魅力