インタビュー/永堀アツオ
──今年5月にデビュー20周年を迎える心境を聞かせてください。
大貫亜美(以下亜美) 人が成人する年月と考えると長いな~と思いますけど、あっという間な気もしないでもないですね。
吉村由美(以下由美) 20周年に向けてどうとか、『ずっと一緒にやっていこうね』って話し合ったこともないし、今後もするつもりもないですけど(笑)、お互いにそれなりの頑張りがないと続かないことだとも思うんですよ。そう考えると、二人がやっていこうとする努力もあったと思うし、お互いに頑張ったなって思いますね。
亜美 まぁー、怒涛で激動だったよね。激しい波に飲まれてきた。
由美 二人がPUFFYというものを面白がって、みんなで楽しいものを作っていこうぜっていう気持ちがあったのは大前提だけど、ただ楽しいだけの20年でもなくて。『10こあるうちの1こでも楽しければ、残りの9こはなんとかなるや』みたいな感じで1年が過ぎていって。その積み重ねで20年経った感じですね。
──20年目のベスト盤に関してはどう考えてました?今作は2枚組でシングル曲をリリース順に並べてます。
亜美 最近は親子3代で聴かれるという方も増えまして(苦笑)。時系列を追って組むことで、私たちのデビュー当時のことを知らない方に一番優しいアルバムになるんじゃないかなって。
由美 自分たちにとっても順番に並べたことで、より感動が深まったなというのがあって。最終的には、恥ずかしい曲が1曲もないし、懐かしいとは思っても古いなと感じる曲も1曲もない。いい曲ばかりだな、PUFFYって再確認しました。
──全34曲が収録されていますが、どの辺でグッときました?
由美 民生さんのプロデュースを離れた『あたらしい日々』あたりですね。アメリカに行ったり、いろんなことで揉まれた時のことを思い出して。PUFFYに対しての責任感が増してた時期だったし、毎日、必死でもがいてたなって思いました。
亜美 私は、由美ちゃんが言ってる1枚目を過ぎて、2枚目の『マイストーリー』あたりで、いいことやってんなって思ったんですよ。マスタリングでディスク1を一通り聴いた後の感動を持ちながら、だんだんと進んでいって。『素晴らしいな、PUFFYは!』って初めて思ったかも。
由美 最後の方は頑張って攻めすぎて、とっちらかってる感じもたまらないね。
亜美 うん、気がつけば、後半めちゃワチャワチャしてんなって(笑)。
──ヒャダイン、OKAMOTO’S 、フラカンときて、最後に新曲として、 久保みねヒャダのこじらせナイト。とのコラボ曲 抱きたきゃ抱けばEじゃNIGHT☆。が収録されてます。
亜美 久保みねヒャダさんから『エロいPUFFYを見てみたい』と言われて(笑)。変な曲だけど、すごくキャッチーで頭から離れないんだよね。
由美 めっちゃ歌いやすかった。でも、親にはあんまり聴かせたくない(笑)。
──(笑)タイトルにはどんな思いを込めましたか?
亜美 似たようなタイトルのアルバム(『非実力派宣言』)がありますが、ご本人の森高千里さんから『いいですよ』って言って頂いたので、今こそと思って。
由美 ずっと温めてたタイトルがやっと陽の目を浴びたんだよね。
亜美 そう。『だらだらしてる』と言われ続けた20年。今こそ、反旗を翻す時期じゃないかな、と。聴いていただけるとわかるように、『私たち、力を抜いたことなど、一切ございません!』という意思表明になっております。
──あはははは。全力で楽しむ姿勢はCDでもライブでも伝わると思います!アニバーサリーツアーも決定してますね。
由美 何を歌えば20周年っていう気分になるのかは悩みどころですが、『PUFFYって20年経ってもめっちゃ面白いね。久々にスカッとしたわ』って言いながらお家に帰ってもらえるライブをしようって思ってます。
亜美 せっかくベスト盤も出すので、みんなで一緒に歌えるような曲をやれたらいいかなと思いますね。また、スケジュールを調整したり、一緒に行く人を探したりとか。いろんな事情を乗り越えてきてくださる方たちがかけた手間に見合うような内容にして返したいですね。