──今、お話に出た6月のプレミアムライブは、安藤さん名義ではアコースティックツアー以来半年ぶりになります。どんな内容になりそうですか?
本当は昨年のクリスマス近辺にやりたかったんだけど、会場が見つからなかったんですよね。だから、6月になってしまったけど、まず、ストリングスと一緒にライブがやりたいなと思って。
──もうそれだけでワクワクしますね!
よかった。あと、プラネタリウムまではギターは山本タカシくんだったけど、6月3日のライブでは、名越由貴夫さんにお願いします。あとドラムがあらきゆうこさん、ベースが沖山優司さんなんです。
──バンドがこれまでとはガラリと変わりますね。
そうですね。名越さんに自分の曲を自分のイメージで演奏してもらえるのは初めてで。自分のライブも久しぶりだし、ストリングスも入るから、美味しいところどりにはしたいなと思ってて。あとは、新曲もやりたいですね。プラネタリウムであえて古い曲をやって、自分でも過去を反復しつつ、6月はカバーも含め、少し新しい曲をやりたい。現在の進行形が見える部分と、昔を大事にした部分、両方を持ちたいなと思ってますね。
──「夜明け前」というタイトルがついてますよね。
今の自分は結局、夜が明けてないので、再生しきった自分ではないなとちょっと思っていて。夜明け前の一夜をお客さんと共有するのが、その人見記念講堂かなって思ってますね。出発準備というか……。
──新曲が楽しみですね。8枚目のアルバム『あなたが寝てる間に』のラストナンバー「都会の空を烏が舞う」で時間が止まってしまってる感がありますから。
あそこは本当に終焉すぎたんですよね。でも、次のアルバム『頂き物』で1曲だけ自分で曲を書いたじゃないですか。あの「アメリカンリバー」がどこか、芽吹きではあるんですよね。遠くで「おーい」って言ってるような。一旦死んでしまったけど、小さい赤ちゃんが生まれて、バブーって言ってるような曲なんですよ。幼少への回帰というか。その子がちゃんと育てば、曲も出てくるんじゃないかなと思ってて。
──アコースティックツアーでも新曲を3曲、披露してました。
そうですね。「雨とぱんつ」はSalyuちゃんと仲良くしてて、彼女のために作った曲で。今までは自分だけのための曲作りをしてきたから、友達のために曲を作るのもどっか新鮮で。それはすごく毒がないんですよ。優しくてオーガニックな曲で。もう1曲は、私が妄想でSMAPに書いた曲を歌ったんですね
──あはははは。解散に心を痛めて書いたと言ってましたね。
曲を作った理由を言うと、みんな笑うけど、地味にいい曲なんですよ。これも人のためだけど、切なくていい曲なんですよね。その2曲までは、“自分のための曲”はまだ出てきてなかったんだけど、「少女小咄」という曲は久しぶりに恋心を歌った曲だったんですね。近年、恋を歌えなくなってて。生き死ににイメージが行き過ぎてて、そこから出られなかったんだけど、久しぶりに恋心が描けて。それが嬉しかったんですよね。
──ライブでは「大人の女性の恋の歌」だと解説してました。
大人になると、好きな人ができたとしても、距離を測っちゃうじゃないですか。彼女いるのかなとか、結婚してるのかなとか、この人は好きになっても大丈夫な人かな?っていうことを先に考えちゃって。ただ出会って、好きになるっていうことにはなりにくいんですよね。もっと夢を見たいなと思うけど、少女の頃のような恋がしたいのにできなかったり、自分がみすぼらしく思えちゃったりっていうことを歌ってて。うちの母がやたら響いたみたいで号泣してましたけど(笑)。
──(笑)それらの新曲が自主盤に入る予定ですか?
「少女小咄」はバラードだから生楽器で録った方がいいし、もう少し後になるかなと思いますね。私が今、自由にふわふわできるのはもうちょっと小さい曲がいいかなって。例えば、「雨とぱんつ」みたいな規模で、もう少し心情を吐露した曲を録りたいなと思ってて。今、ちょうど妄想中ですね。
これまでも何度か死と再生を繰り返して…