インタビュー/武市尚子
──MUCCが初めて日本武道館公演をやったのは、2006年の6月6日。 これは、『MUCC WORLD TOUR “TOUR FINAL「666」”』。日本・ヨーロッパ全土で同時発売されたアルバム『6』を引っ提げて行われた、ワールドツアーのファイナル公演としてやったライヴだったね。このときのこと、覚えてる?
逹瑯(Vo.) 覚えてるよ、めっちゃ。
初武道館っていう緊張感があった中で、1曲目の「朽木の塔」から叫んだから、最悪の状態で歌うことになっちゃて、すげぇ悔しかったの覚えてる。(逹瑯)
──アルバムタイミングとしては、『6』なんだけど、当時のセットリストを見ると、「朽木の塔」からだったんだね。
YUKKE(Ba.) 『666』のツアーファイナルだったのに、1曲目が「朽木の塔」からだったんだっけ!?
逹瑯 そう。こんときはね、最初「朽木の塔」から始まって、途中から『666』のセットリストに切り替わってったんだよね。二部制みたいな感じの構成だった。ステージセットの『666』の幕が上がって、そこからは『666』の流れになってったんだよ。すげぇ覚えてるのが、初武道館っていう緊張感があった中で、1曲目が「朽木の塔」っていうので、喉的にすごくしんどくて。緊張してる中で叫んだから、一気に持っていかれて、喉が最悪な状態になっちゃったの。それもあって、自分的には最悪の状態で歌うことになっちゃったから、すげぇ悔しかったの覚えてる。
YUKKE そうかぁ、なんか話聞いてたらすごく思い出してきた。ワンマンで初めての武道館だったから、本番でお客さんが入った状態で客席を見たら、目の前にお客さんが壁みたいになって見えてゾクゾクした。でもね、最初はとにかくすごく緊張したの覚えてる。今も『666』っていう幕と映像を見るとテンション上がる(笑)。
──そう言えば当時、武道館で撮影したアーティスト写真だったよね。
逹瑯 そうそう。会場で写した写真使ってたね。
YUKKE そういえばね、ヘアメイクのBOBさんに言われて思い出したんだけど、俺ね、大きいライヴの日になると、いつもとは違うこと言い出すらしくって(笑)。初武道館の日も、いつもは前髪をガッチリヘアスプレーで固めているのに、この日に限って“スプレーやらないで、サラサラの前髪でライヴしたい”って言ったんだって(笑)。だからね、このときのライヴ映像見ると、前髪がワシャワシャワシャワシャって動いてるの(笑)。
──あははは。そういう自分たちの周りの人たちが覚えてくれてることを聞くと、より記憶が立体的に蘇るよね。SATOちはどう?覚えてる?
SATOち(Dr.) うん、覚えてるよ。俺のドラム始まりだったからね、すげぇ緊張した。
──いきなり重い曲だからね。
SATOち うん。あとはね、「名も無き夢」で、“よっしゃー!”って言ったの覚えてるよ。ライヴ終ってから、明希(シド)に、“よっしゃー!良かったっすよ!”って言われたから、それも含め覚えてる(笑)。
──なるほど。ミヤくんは?
ミヤ(Gt.) ワンマンはこのときが最初だけど、2003年に『KINGDOM ROCK SHOW』で武道館に立ってたから、なんとなくな感覚は掴めてたんで、俺は緊張はなかった。他のメンバーがすげぇ緊張してたなっていう記憶がある。
逹瑯 俺はとにかくすげぇ緊張してたなぁ。
──ワールドツアーのファイナルとしてやったライヴでもあったけど、それ故の向き合い方が出来たライヴでもあった?
逹瑯 本当はね、次の年が10周年タイミングでもあったから、そのタイミングでやった方が良かったんじゃないかな?って思ったりもしたんだけどね。
ミヤ コメットさん(※2009年に亡くなった当時の舞台監督)のアイディアでもあったんだけど、この時期ずっと海外でライヴしてたから、日本で大きな場所でやってみたらどうかって。早めに武道館を経験した方がいいっていう意見をもらって。その頃は、まだ他のメンバーはライヴのブッキングとかに関与してないから、なんであの時期に武道館をやったのかっていうのは、聞いても分からないと思うよ。
2009年、2011年の武道館ライヴのこと