──スカウトされてから、5人でボーカルグループを結成するというのは最初から決まってたんですか?
漠然とそういうイメージはありました。いま日本のグループは踊って歌う人がこれだけたくさんいるなかで、僕たちは“歌”が本当に好きな5人なんですよ。なので、そこを見せるグループがいいなと思って、事務所の方とも相談していまの形になりました。
──ダンス&ボーカルグループがブームのなか、あえて踊らないグループでスタートしてみて。手応えはどうだったんですか?
僕たちずっとファンがいませんでしたよ。正直。
まったくいなかった。
だから、1stシングル「One Sided Love」のインストアライブの一番最初の会場のお客さんは10人?
もいないよ。スタッフ含めて7人とか。
そんなスタートだったんですけど。インストアの最終日には200人ぐらい?
400人ぐらい集まった。
インストアの回数を重ねるごとにお客さんが増えていったんです。最初はあまりに少なかったんで「ボーカルグループで大丈夫か?」と不安になったんですけど、自分たちの歌を信じてやり続けたらちゃんと結果がついてきたんで。いまはこのスタイルでよかったんだと確信してます。
路上ライブやってた時期に、周りにいるダンス&ボーカルユニットの人たちはファンがすごいいるのに僕たちはまったくいないというのは、リアルに肌で感じてたんですね。だからこそ、ボーカルユニットでもやれるんだってことを証明してやるという目標も強く持てたし。
僕たちがここまでブレないで歌だけでやってこれたのは、歌が好きという気持ちが各々の“一番”にあるからだと思います。僕たちは、ライブが終わってもカラオケに行ったりだとか普通なんですよ。
それぐらい歌が大好きで。
歌の練習をするためにカラオケに行くんですよ。
ライブの後に。それぐらい歌にストイックなメンバーなので、ブレずにここまでやってこれたのかなと思います。
いまは、僕らがイベントとか出ても、観てる方は「歌って踊るのが当たり前」みたいな感覚で観に来てるんですよ。僕たちはいい意味で、その期待を裏切れるようなパフォーマンスをしていこうって思ってます。「え!なんでこの人たち踊らないの?」って思われるんじゃなくて「踊らないからこんなに歌が凄いんだ」って思わせられるグループになりたいなと思ってます。
踊らないで歌だけに集中してるからこそ、歌のクオリティーは本当に高いと思いますし。ダンスがない分フォーメーションにしばられることもないので、ステージ上で毎回違ったパフォーマンスを届けられるのも僕たちの強みだと思います。
──では、そんなUNIONEが急激に注目を集めるようになったきっかけの一つに、YouTubeの“UNIONE Cover Channel”の存在があると思うんですが。カバー動画はどんなきっかけでやり始めたんですか?
僕たちが路上ライブをやってた頃、まだオリジナル曲がたくさんなかったので、いろんな人に立ち止まってもらうためにはみんなが知ってる曲や僕たちが得意な曲をカバーしたりしてて。「この曲は立ち止まってくれたね」「これはダメだったね」というのをいつもやってたんですよ。そうやっていろいろ考え、試してきた曲をYouTubeにあげてみたんです。
いま上がってるのは僕たちがこの曲をアップしたいといって上げたものばかりです。
──そのなかでもBIGBANGの「声を聞かせて」のカバー動画は、ものすごい再生回数を叩き出してて話題になりました。
「声を聞かせて」は、いまYouTubeにアップしてる曲の中でも路上ライブやってた頃から一番歌ってきた曲なんですよ。ずっと昔からオリジナル曲のように歌ってきたから。
自分たちで勝手に手のふりをつけたりして。
そう(微笑)。自分たちのオリジナルじゃないのにファンの人にもすごく愛されてきた曲でもあったし。あと、本家のBIGBANGも活躍してますからね。
最近はBIGBANGのファンじゃなくても、僕らの「声を聞かせて」を見てファンになってくれる人もいっぱいて。
本家はもちろん素晴らしいんですけど、僕らがカバーするとUNIONEの色っていうのが出るんですよね。
カバーするときに原曲の良さを残しつつ、僕らもUNIONEらしさを取り入れるように心がけているので。
それを気に入って、YouTubeからインストアへ足を運んでくれるお客さんも増えてきましたね。
──このなかで、カバーするのが大変だったものはどれですか?
個人的にはEXOさんの「Love Me Right」。メンバー全員が韓国語の歌に挑戦したので、かなり苦戦しました。
──この動画を見て思ったんですが、UNIONEはボーカルグループといっても従来のハーモニーやコーラスをぐいぐい聴かせるスタイルとはちょっと違いますよね?
僕たちは5人の声がすごい魅力がある。そこが強みなんです。みんな、声も違えばルーツも違う。例えばISSYは歌謡曲や沖縄の曲が歌えて、YUTAはJ-POP、SAMは洋楽、僕は韓国の曲が得意で、YUUKIはコーラスワークが激しい曲を得意としてる。そういう5人の個性的な声を意識してオリジナルも歌ってるので、5人でコーラスを生かそうではなく、一人ひとりの声の良さを伝える。その5人が一つに合わさったらこうなるんだよというところを大事にしてます。
──つまり、5人の個性あるボーカリストが集まったボーカルユニットということですね?
そうです!!