──その頃からコアラモード.というユニット名のラストにはピリオド(.)がついていましたか?
小幡 最初はなかったと思うんですけど…確か、点(.)をつけたのが2014年の9月とか10月だったと思うんで…あの頃はまだ点ナシの頃、ですね。
──その点(.)は今ではポイントの一つになっていると思うんですけども、どういった経緯でつけられたのですか?
あんにゅ これはですね、FMヨコハマさんで “FUTURESCAPE” という番組があって、その番組にまだコアラモード.がCDも出したことがない時代に出演させていただいた時に出雲阿国さんという風水芸人の方がゲストでいらしていたので「私達はこれから“コアラモード”という名前で活動していこうと思うんですけど、どうでしょう?」と字画を占っていただいたら「あと一画だけ足したほうが、もっともっと良くなるよ。」とお話をいただいたので、それを聞いたらあと一画どうしてもつけたくなってしまって(笑)。色々考えたんですけど、これから頑張る!ていう決意の意味を込めて、ピリオドを足させていただくことにしました。
小幡 そうですね。でも実際 この点(.)を加えてからすぐ後にインディーズでCDを出させていただいて、メジャーデビューも決まった…この点を打つことで僕らの環境が変わっていった気がしますね。
あんにゅ はい、信じております。
──もしかして、お二人のお名前も風水が絡んでいたりしますか?
あんにゅ いや〜あ、特に(笑)。
小幡 でも「あんにゅ」っていう名前は風水的にとてもいい名前だとおっしゃっていたね。
あんにゅ 小幡さんは「孤独になりやすい」って言われていた気がします(笑)。
小幡 ハハハ!そうですね。でもだからと言って名前を変えていないですね(笑)。
──小幡さん、今のところは「孤独」ですか?
小幡 孤独かどうかって…(笑)!? まあ実際、ファンの皆さんに囲まれているので「孤独」ではないですね。
──それに、先輩でもあるスキマスイッチの…
小幡 そうですね!スキマスイッチの常田さんにはセカンドシングル「Dan Dan Dan」のクリエイティブ・ナビゲーターをしていただいてからずっとお世話になっています。
──ちなみに今作のコメントには「いつも小言を言ってごめんね」って。
小幡 ありがたいことに!実際お願いした「Dan Dan Dan」だけでなく、作品を出すたびに愛のあるコメントやアドバイスをいただいて、すごくありがたいです。あとはサッカーも!この前の「音蹴杯※」には、スキマスイッチさんのチームとして出場させていただきましたしね。
常田さんは本当に一番良くしていただいている先輩ですけど、僕自身が常田さんの機材を雑誌で調べて買ったりするくらい大きな影響を受けて来たので、そういう方にこうやって良くしていただいていることが、未だに信じられないですね。
※編集注 音蹴杯(おんしゅうはい)とは、読んで字の如く、音楽も蹴球(サッカー)も好きな、様々なジャンルの業界人で行われるフットサル大会。
「大人が本業以外で本気になれること」をテーマに、2006年からさいたまスーパーアリーナとディスクガレージがプロデュースしている。
──ところで今回のアルバム『COALAMODE.』には、インディーズ時代の人気曲も多く収録されていますが、お二人だけでなく曲自体も成長して、一緒に里帰りするような感覚もあるのでしょうか?
小幡 そうですね。例えば「メモリーズ」や「未来」という曲はインディーズシングルとして出している曲ですけど、2年経って、改めて収録したアルバムを持って演奏しにいく、ということに大きな意義を感じていますね。
「メモリーズ」に関しては思い入れがあって、僕たちがストリートライブをしていた頃、お客さんがほとんどいない時からずっと演奏をしていた大切な曲なんです。歌詞には横浜のみなとみらいの風景などが入っているんですけど、そんな自分たちを育ててくれた景色や家族の事がたくさん詰まっています。それを改めて持ち帰って来て、それを迎えてくれる人がいる…それはすごく嬉しいですね。
──ストリートライブをされていた頃というと、2013年頃。みなとみらいや桜木町の景色自体も成長していますよね。時は経ったのだと実感させられます。コアラモード.のお二人も、例えば「雨のち晴れのちスマイリー」に象徴されるような「夢を追いかける自分」と「まだ何者でもない自分」との狭間にいた頃とは全く景色の違う場所にいますね。同じ曲でも演奏する心持ちが変わることによって変化があったのではありませんか?
あんにゅ そうですね。「未来」という曲は私が作った曲なんですけど、サビの最後の部分にちょっとだけ投げやりな部分があって、2人で相談して これから活動していくために「覚悟ならばできてるんだ」と、歌詞を変えたんですね。
でもインディーズの頃は「音楽でやっていけるのかなあ…」って、期待と不安が入り混じったような葛藤がありまして。「そんな簡単に“覚悟”なんて歌いきれないよ!」っていう気持ちが、本当はすごく苦しかったんです。
あれから2年経って、ちゃんと自分達の音楽が届いていることや支えてくれる人達がいるから今の自分がいるんだなっていうことがわかっていくうちに、少しずつ自信がついてきました。
それで、今回アルバムを作ることになった時に「2年経った今、“覚悟”ができた私達で、もう一度ちゃんとこの曲(未来)を録り直したい!」と思ったんです。それで弦も入れて、アレンジも譜面も書いて、尊敬するミュージシャンの方達をお呼びして。 「どうだ!コアラモード.はこれからさらに頑張っていくんだぞ!」っていう覚悟を力強く込めて収録できたなって思います。
小幡 そうですね。この「未来」をレコーディングし直して、改めて実感しましたね。
──確かに。最後の一曲を聴き終えた時に受けた凛とした印象から「このツアーは新たな章に向かうためのツアーなのでは?」とも率直に思えましたね。
小幡 そうですね。「これまでのコアラモード.を全て凝縮したものにしたい」と思って作ったんですけど、最後にマスタリングが終わったものを聞き直した時に「これからのコアラモード.に期待できるようなアルバムでもあるな」とも思いました。だから、このツアーに来ていただいた方にはこれからのコアラモード.に期待していただけるようなライブにしたいですね。
あんにゅ 不思議なんですけど…デビュー前に歌っていた自分を思い出すと、自分のために歌っていたことに気づいたんです。「未来」で“覚悟”の部分が歌えなかったのも、自分に対して歌っているから歌えなかったんだな、と思った。でもこの2年間で本当にいろんな人と話す機会が増えて、本当に当たり前だけど「1人1人に人生があるんだ」っていうことに気がついてから、聴いてくれる人の毎日に寄り添えるような曲でありたいなって思えるようになったんです。歌い方も2年間でかなり変わったな、と思いましたね。
小幡 曲作りも変わっていきましたね。聴いてくれる人に寄り添いたいっていう気持ちが強くなりました。応援ソングを作るにしても、聴いてくれた人にとってのテーマソングになるように意識して作るようになりましたね。
お二人の横浜のお気に入りの場所は?