Vo.夕霧
──なるほど。現在デイジーは<10th Anniversary 47都道府県TOUR 2017「僕らの帰る場所」>を開催中ですが。昨年やったばかりなのに、なんで今年も47都道府県TOURをやろうと思ったんですか?
一番は楽しかったから。僕らはツアー中のほうが睡眠時間取れるといってるメンバーもいるし。ツアーに出れば、ライブのことだけを考える生活なので幸せですよ。
普段はレコーディングとか曲のアレンジとかいろんな仕事があるので、睡眠時間を考えると、ツアー中が一番あるんですよ。だから、ツアーが始まると「うわー体が軽い」って逆に体調が良くなりますからね(微笑)。あとは単純に、ライブをしたいからバンドをやってる訳ですよ。曲を作るのもリリースするのもライブをしたいからですから。その目的を毎日達成できる訳だから、こんな幸せなことはないですよね(微笑)。
──毎日こんなに連続でライブやってて飽きたりしないんですか?
さっきのReiの米と同じで。米を毎日食べてて飽きたって思いますか? 飽きるという概念がない。そういうものなんです。
2回目だけど、去年とは違うものをやってるので。去年はそれまでの曲全部を統括したようなライブだったけど。
確かにそこは違う!ベスト盤みたいな内容だったからね。
今回は『HOME』というアルバムに焦点をあててやっていて。その中で次の11周年に向けてどういうバンドになっていくの、俺ら。そのためにどんなライブをしていくのっていうのがテーマなので。前回とはまったく違うツアーです。同じ場所を回ってても。
──ツアー中、毎日顔を合わせててメンバー同士で喧嘩になることはないんですか?
ない訳じゃないです。でも逆に、そこでいい合える仲じゃないと10年も続かないですよ。だから、基本ウチはいいたい放題。それで絆が深まっていったんじゃないかなと思ってますけどね。恋愛に例えると、どっちかがいえないと不満はたまる一方じゃないですか? それと一緒。だから、ツアーを回ると成長できるんです。初めて47都道府県ツアーを回ったときに、DaizyStripperとしての確固とした“核”ができたと思いましたからね。一歩バンドとして大きくなった。バンドも成長するし曲も成長するので、プラスのことしかないんですよ。
Gt.なお
──2回目となると、待ってて迎えてくれるお客さんの雰囲気も前とは違うんですか?
ふんわりと「お帰りなさい」感はあるよ。やっぱ今回のツアータイトルが「僕らの帰る場所」だからね。
お客さんは去年よりもパワーアップしてますね。盛り上がり方もそうだし。去年来てくれた人が地元の友達を連れて来てくれたり。都内から遠征するお客さんも、去年経験してるから行きやすくなったとか。俺らもその土地土地で「去年はこんなライブだったよね」って話をして。それを必ず更新するパワーアップしたライブをするようにしてるから。2回目できてよかったなって思うことしかない。
──だけど、いまも東京に帰ってきてはメジャー第一弾のシングルの制作に追われたりしてる訳じゃないですか? そういうときは、制作だけに集中する期間が欲しいなと思ったりは?
しますよ、もちろん。でも、デイジーは制作期間みたいなものを設けられたことがないんですよね。合間でやれっていう感じなんですよ(微笑)。
──デイジーって、本当にそういうトゥーマッチな詰め込みスタイルが好きですよね。
よくも悪くもそれで鍛えられてきてるんですよね。時間がないなかでどれだけのクオリティーのものを作るか。そういうスイッチみたいなものがあるんですよ。「クッソー。これでできないなんて言い訳したくない」みたいなスイッチが(微笑)。どんなにベストな環境じゃなくても、そのなかでどれだけベストなものを出すか。そういう気合いが入るスイッチがある。だから10年止まらずに続けてこれたし。
──その負けられない自分スイッチのお陰で、昨年から始まった10th Anniversary Project「decade」も、同期バンドとツーマンに男女限定、終わったと思ったら全員がソロまでやりだして。それでフルアルバムリリースに今回のツアーですよ。もう、詰め込みすぎてて追いかける方が大変ですから。
それは重々承知です(笑)。でも、やりたいことがいっぱいあるんですよ。
あと、僕ら、5人で回るアルバムツアーというのは今回が初めてなので、どうしてもやりたかったんですよ。
──これまで10年やってきてアルバムツアーはこれが初なんですか?
そうなんですよ。ミニアルバムはあるけど、フルアルバム出しました、アルバムの曲ガツガツやりますというのは今回が初。だから、ライブをやるたびにアルバムの曲をみんなで一緒に育ててる感じがある。