──久保田さん自身がライヴハウスでライヴを見る時の楽しみ方というと?
何が起こるんだろう?っていうところですね。お客さんの雰囲気次第でステージ上の人たちが盛り上がったりするので。お客さんが盛り上げる、あの感じはライヴハウスが強いと思います。それに乗せられてステージ上で何かが起きそうな(笑)
──熱気が直に来るので、お客さんのエネルギーに煽られてアーティストも高まっていくというか?
嬉しい気持ちが伝わると盛り上げちゃいますよね。そういうステージ上とお客さんのやり取りが楽しい。それに、ちゃんと聴きたい、心にダイレクトに突っ込んできて欲しいバラードだと、立っていても勝手に入り込んじゃうお客さんもいていいと思うんです。立っている人がいたり、座っている人がいたり。
──そういうバラツキもライヴハウスならではですね?
僕、バラツキが好きなんです(笑)。座って見たいのに前の奴が立っていると苦しいですけど。でも、ステージから見ていると、全員一緒に立って、一緒に手拍子して、一緒に座るのが気持ち悪いんです。なので、ボコボコと穴が開いている状態が好きです。前の人が立ってて見にくいようだったら、僕がそっちに行ってあげますから(笑)
──そういう気配が感じられるのも距離が近いからですね
そういう事ですね。一番でかいのはそこです、こういう場所でやる場合は。僕からもよく見えますから。しっかりルールを持ってやれば、スタッフも臨機応変にやってくれるでしょうから、こちらの遊び感覚が伝われば、予定にない場面でパッと照明をつけてくれたり。
──スタッフ側にも自由度が求められるんですね?
実はアリーナとかホールでやる時も、割と自由にやってしまっているんですよ。プログラムされた照明ですけど、スタッフがマニュアルでコントロールできるようにいつも用意してくれていたり。僕が勝手な動きをした時、“そのぐらい、ついていけよ”って舞台監督が照明スタッフに言うんですが、今回はついてこれなくてもOKにしたいんです。そういうダメ出しはないようにして、今回はハプニングやアクシデントはOKにしたいです。
──それは逆に楽しいです。
1番を歌い終わったところで、いきなりMCを始めたり。極端ですけど(笑)、そのぐらいの感覚でいきたいです。ぶち壊しちゃいけないけれど、僕もお客さんもいい雰囲気を勘違いしないで掴めれば、何をやってもうまくいくと思うんです。お互いが探り探りのままだと滑っちゃうと思うけれど、いい雰囲気だとどこで何が止まってもいいハプニングになるかもしれない。毎晩そうなるように期待しています。
────それは、30年のキャリアがあるからこその余裕であり自信なんでしょうね。何が起きても楽しみに変えられるという。
しっかり決められたことをうまくやりきることも経験しているけれど、いろんなハプニングも起こりますから。日本でもアメリカでもいろいろ経験しているので、そこは30年の意味はあるかもしれないです。
アメリカ時代のライヴハウスエピソード!