トレモロっていうのは “揺らす”っていう意味。スパークスは“火花”みたいな感じ。集まってくれた人に勇気を与えたり、心の中の火をつけられたらいいな。
──ライブのタイトルにはどんな思いを込めましたか?
妹の旦那ちゃんでアメリカ人の義弟がいるんだけど、彼といい言葉を探してるんだっていう話をしてる時に、トレモロ・スパークスっていう言葉が出て来て、なんかいいなと思ったのね。トレモロっていうのは、キーボードについてるエフェクトで、ギターのアンプにもついてることがあるし、ギターのエフェクターもあって。ヴォーカルにもかけられるんだけど、“揺らす”っていう意味だよね。スパークスは“火花”みたいな感じ。なんとなく、ギターの名越(由貴夫)くんをフィーチャーしたライブにしたいなと思ってつけたタイトル。名越くんは武道館のちょっと前からの長い付き合いになったけど、元々はキーボード&コーラスのKeycoが連れて来てくれて。今や日本を代表するロックギタリストになった。名越くんと、その横のKeycoの関係がいいんですよね。すごくいい揺れがある。
──反対側の元Great3、ベースのカーリージラフとドラムの白根賢一の方はどうですか?
こっちは小学校方の付き合いだからね。プログラミング、フリューゲルホルンのゴンちゃん(ゴンドウトモヒコ)も同世代だし、すごくいいんですよね。ステージ内でいい揺れがあるし、いろんなスパークスもある。もちろん、ライブに来てくれるお客さんとのスパークスもあるっていう感じかな。
──どんなライブになりそうですか?
この世の中は全て、集まる人と人だって思ってるから、人間らしさは出していくと思う。あとは、<話すときは歌うように。歌うときは話すように>っていうイメージも持ってる。若いときみたいに怒りや不安は出したくないから、集まってくれた人に勇気を与えたり、心の中の火をつけられたらいいなって思ってる。風を揺らしてね。その日は泣いたり、叫んだり、いろんな筋肉運動ができればいいなと思うし、ライブからの帰り道にお月さまが綺麗に見えるように。そんな夜にしたいなと思ってます。
ジャズファンク/ソウル系のミュージシャンたちとのセッションライブは、ちゃんとグルーヴができて、ちょっとスイートになりそう。
──素敵ですね。さらに、2月から4月にかけて、全国7カ所をめぐるツアー「Naked & Sweet Soul Session」も決定しました。
“Junior Sweet”ツアーの時に行けなかった場所に行こうと思って。どっちかというとオールタイムベストに引っ掛けたタイトルにしたんだけど、メンバーは全く違う。まず、ギタリストがいないんです。トレモロスパークス男(Gt.名越)は連れて行かずに、小編成で考えてて。Kan Sano(Key)と、彼と同じくバークリー出身の先輩であるマーテル(B)。あと、Kanちゃんと仲のいいドラマーの只熊良介。みんな、いわゆるジャズファンク/ソウル系のミュージシャン。小編成だけど、みんなマルチプレイヤーだからいろんな楽器ができるし、歌える人達だから、ハーモニーもできる。これから進化できる新しいバンドになりそうかな。
──ギターレスのトリオで、長年一緒にやって来たオーロラバンドとはまた違うグルーヴになりそうですね。
そうだね。音が大きくなくても、テンポが速くなくても、ちゃんとグルーヴができる、ちょっとスイートなムードになると思う。なんか新しい音楽が聴きたい、影響を受けたい、心を開きたいって思ってる人にゆっくり、自分のペースで楽しんでもらえるようなツアーにしたいなと思ってますね。
──最後に2017年の抱負をお願いします。
やっぱりアルバムを作りたいよね。私、やっぱりソウルミュージックがすきだな、影響を受けてるなって、改めて思って。しかも、いまって、ロック以外のジャンルでもインディーズで活躍してるアーティストがたくさんいるでしょ。気軽に宅録したようなインディーR&Bの人もたくさんいるし、ダンスミュージックとか、ヒップホップも多い。そういうのをちょっとやりたいなと思ってますね。あと、アート的な一筆書き的な仕上がりの曲。メジャーでやる人が少ないから、私はやると思う。売れるかわからないけど(笑)、そういうバランスで行きたいな。あとは、Kan(Sano)ちゃんとやってる曲もあるし、新しい人を何人か巻き込んでいきたい。ファッションも含めて、自分に合いそうな新しいものをどんどん取り入れて行きたいなって思いますね。あとは、新しい熱愛発覚ね。それが目標ですね(笑)