音楽と映像とあらゆる身体表現のミクスチャー・アート、enra(エンラ)とは何ぞや!? そして1/19,20赤坂BLITZで→Pia-no-jaC←と再びの共演!!

インタビュー | 2016.12.28 12:00

横山 振付はそれぞれ自分で考えます。まず音楽に合わせて踊ったものを撮って、それを元に花房が映像をつけていくというのが、基本的な作り方の順番です。普通、身体表現って、その日の気持ちだったりコンディションだったりで、少し動きが変わるんですよね。ですが、enraでは一回撮ったもので映像は決まりなので、動きをそこに合わせないといけない。自分が最初にやったものにぴったり沿っていく必要があります。

和多谷 あと、スクリーンの前でパフォーマンスをするんですが、あまり前に出ると斜めから見ているお客さんからは、ずれて見えたりします。あと影も出るので、できるだけスクリーンの近くでパフォーマンスをするのが、どの席のお客さんからもきれいに見えるっていう約束事があって。だいたいのパフォーマンスって、そんな狭い場所で踊ったりしないですよね。できるだけ舞台を大きく使うってことを子供の頃からやって来たメンバーは、最初それに苦労しました。

横山 今は、スクリーンがあると落ち着く、みたいな気持ちになってきましたけど(笑)。

──振付師が動きを考えてみなさんがそれを覚える、という作り方なんだろうなと勝手に思っていたんですが、違うんですね。

和多谷 みんなで意見を出し合いながら動きを作っていくんですが、それも最初は苦労した点のひとつです。みんなジャンルが本当にバラバラで……たとえば私はバレエが長いから、テクノっぽい曲でバレエをするっていう経験はなかったんです。それもおもしろいんですけど、最初は「どうしよう?」みたいな(笑)。

横山 これだけジャンルがバラバラだから、振付しようがない、というのもあると思います。振付師の方も、ジャズ寄りの方とか、バレエ寄りの方とか、ジャンルで分かれているから。enraのジャンルを全部できる人って、たぶんいないと思うんですよ。

──曲は花房さんが作っておられるトラックが中心ですけども、RIZEの金子ノブアキさんが曲提供をされている作品もありますよね。

和多谷 はい。金子さんと花房の共通の知り合いが、「enraってすごいよ」って話を金子さんにしてくださったらしくて。それで作品を見てくれた金子さんが「この曲でぜひ作ってほしい」と、曲を提供をしてくださったんです。今年6月の金子さんのライブに、ゲストで呼んでいただきました。それもすごい楽しかったですね。

■<enra × 金子ノブアキコラボ作品>「Firebird – Special Exhibition with enra -」

──2012年結成で、2013年からは毎年海外を回っておられますよね。

横山 はい。代表の花房やほかのメンバーは、最初の頃から口に出して言っていたんですよ、海外でやるって。自分は「えっ、海外で!?」っていう感じだったんですけど──。

和多谷 YouTubeにアップした作品が、ニューヨークのハフィントン・ポストに取り上げられてから、海外で広まって、呼んでいただくことが増えました。

──でも確かに、海外に出て行きやすい表現スタイルではありますよね。

横山 そうですね、言葉が関係ないので。

和多谷 コスタリカやインドのムンバイ、中東、本当に色々なところから呼んでいただくのですが、日本語はもちろん、英語も通じないことがけっこうあります。でも、それでも皆さんに楽しんでいただけるのは、言葉を必要としない私たちのパフォーマンスのいいところだと思います。

──1月19日20日に赤坂BLITZで行う公演について教えていただけますか。

和多谷 はい。2014年の9月に、→Pia-no-jaC←さんの1年でいちばん大きい『→PJ←祭り』みたいなライブに、私たちがゲストで呼んでいただきました。その時に初めて一緒にやらせていただいたのが、「METROPOLIS」という曲なんですけど。それで、もう……なんていうか、私たちも、→PJ←さんも、→PJ←さんのファンも、なんかもうすごい空気感になったんです。めちゃくちゃ楽しくて。それから、「絶対またやりたいね!」というのがずーっとありました。そして、2015年の5月、私たちがカンヌ国際映画祭のオープニング・アクトのお話をいただいた時に、ぜひ→PJ←さんに音楽を作っていただこうと。それで「FILMS」という作品がうまれ、カンヌの授賞式でパフォーマンスをしたんですが、その時は→PJ←さんの生演奏じゃなく、私達だけ。いつか「FILMS」を→PJ←さんと一緒に舞台でやりたいねと皆で話していて、それがやっと実現できる場所が、この赤坂BLITZなんです。

横山 初めて「FILMS」を生演奏で。

和多谷 やっぱり生演奏でやると全然違うなあって思いますね。

横山 そう、エネルギーが動く感じがします。ぜひ見ていただきたいです。

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enra “PARALLEL WORLD”

2017年1月19日(木)20日(金) 赤坂BLITZ
ゲスト:→Pia-no-jaC←
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