──今話に出た“秋田CARAVAN MUSIC FES 2016”。今年が初開催でしたけど、どうでした?
県外から来てくれた人の感想がうれしかったですね。楽しかったと言ってもらえたことが。その日の秋田は東京より暑くて、晴れまくったんですよ。秋田県は高齢化率ナンバーワンなので、ホスピタリティを充実させようということで、やっておいてよかったなと思ったんですけど(笑)。フェスを開催する者としての隅々までの心がけは、これからもっと学んでいかなきゃいけないということももちろんあったんですけど、手応えは感じていて、出演者の方々からも“秋田っていい場所だよね”と言ってもらえて、そう言ってもらえることがこれからにつながるというか。フェスをやった甲斐があったなと思えた瞬間でした。
──アルバムの、期間限定盤のほうの特典DVDにも演奏が入ってます。
自分のライブのところだけは。ほかにもいろんなミュージシャンの方とコラボさせてもらって、チームしゃちほこと一緒に踊ったりしましたから。そういうのも初めてでしたし。
──来年もやりますか。
もちろん。これから13市を巡ろうとしてますから。秋田の全市を。そのつもりで始めているので。一回だけで秋田を盛り上げるなんて言えないし、盛り上がったとはまだ言えないので。本当に秋田を盛り上げるということは、何かを続けていくことで、自分も秋田のことをもっと知っていくことだと思うので。また来年も大事にやりたいなと思います。
結婚式で歌わせてもらう機会があって、その人の人生に自分の歌を添えるという、そういうふうに歌ったのは初めてで、とてもいい経験だったと思います。
──ほかに、2016年のライブにはどんな思い出がありますか。
今年はイベントに出る回数と同じぐらい結婚式で歌ったんですよね。「産まれた理由」というシングルをリリースしたことによるのか、世代なのかわかんないですけど、周囲の人が結婚して、結婚式で歌わせてもらう機会が4回ぐらいあったのかな。ありがたいことに、僕の知り合ったことのない人の結婚式にお邪魔させてもらって、「産まれた理由」という曲を歌わせてもらうことによって、二人の幸せを応援するような企画も何度かやらせてもらったんで。勉強になりましたね。フェスで“イエーイ!”というライブとは全然違う、何だったら音楽を求められているという場所でもないじゃないですか、結婚式って。ワンマンライブとも違って、主役がそれぞれにいる状況なので、そこで自分の歌をどういうふうに届けるか。その人の人生に自分の歌を添えるという、そういうふうに歌ったのは初めてでしたね。どっちかというと路上ライブでワーッとがなったり、フェスでもワンマンでも“届けこの思い!”みたいな気持ちが大きかった気がするんですけど、そういう場では“おめでとうございます”というひとことさえも、嘘っぽく言うとすぐばれるんですよね。人って、不思議と。歌も一緒で、ちゃんとその人たちを祝福する思いを込めて歌わないとなって。がむしゃらにではなく。それを今年は何度も経験させてもらったので、とてもいい経験だったと思いますね。
──その経験は、ツアーにも生かされる気がします?
そうですね。今回のツアーをどういうツアーにしたいか?と聞かれると、“言葉を大事にするツアー”にしたいと思っていて。もちろん演出みたいなこともやりますし、楽しいことを最優先にしたいとは思ってるんですけど、ただいろんな意味で自分が発するひとことが…受け流すことがどんどん上手になっていくこの時代に、どんな情報でもよけながらすり抜けられていくような実感があるんですよ、言葉が。“素敵ですね”とひとこと言ったって、“はいはい、ありがとう”って、誰にでも言葉を軽んじることができる時代というか。そういう中で、その言葉を聞いた人が何かプラスの思いになれるきっかけになる言葉を、自分から発することができたら、それはやる甲斐があるんじゃないかと思うんですね。今回のアルバムも、最終的に前向きになってもらえたり、元気になってもらえたり、頑張る時に聴いてもらえたらうれしいという気持ちがすごく強くて。このツアーをすることによって、歌を聴いてくれる人にひとことでも自分の思いが心の奥まで届くようなライブをしたいなと思いますね。
誰にでも言葉を軽んじることができる時代の中で、“言葉を大事にするツアー”にしたいと思っています。
──4月には大きなアリーナ公演もあります。
横浜アリーナ2Daysと大阪城ホール。どっちもワンマンは初めてです。まだ具体的なイメージはないですけど、一番うしろの席の人が人ごとだと思うようなライブにはしたくないんですよ。たまたま連れてこられた人もいるだろうし、ややもするとキャパシティの大きいところは、前のほうの席の人は楽しいだろうなとか、映像だけ見てるとか、そういうのってライブとしてはもったいないじゃないですか。うしろのほうにまでしっかりと届くライブがしたいです。路上でやっていた時のことを僕は忘れたくないんですよ。いろんなライブがあるのにわざわざ自分のところへ来てくれてるわけですから、うしろだろうが前だろうが関係ないと思うんで。私は関係ないと思われるライブではなく、みんな巻き込んで一緒に飛び跳ねたり叫んだり、言葉を共有するようなライブにしたいと思います。
──楽しみにしてます。一番うしろで見ようかな(笑)
ぜひ(笑)。もちろん前のほうの人たちにも楽しんでもらうことが前提ですけど、自分のいる位置をお客さんが気にする必要がないような、楽しい時間を過ごせたらいいなと思います。
◆「Mr.Complex Man」MV(フテネコ・スペシャルエディットVer.)
◆「BEAUTIFUL」リリックビデオ