──では、復活をしようと決めてからは具体的にどんな準備をしていったんでしょうか。
メンバーと”復活とは何か”ということを考えていくなかで、Versaillesが復活するということは”日本武道館”という自分たちの過去の目標をまず過去の出来事にしなければならない、と。ですから、復活するということは日本武道館をやることだというのを最初から話していました。
TERU(Gt.)
──ということは、Versaillesにとっての復活は、日本武道館公演をやるのが前提だった。
ええ。だから、日本武道館が決まったから復活を発表したんですよ。日本武道館が決まらなければ復活する気はなかったので。
──すごい覚悟ですね!しかも武道館はVersaillesにとって過去最大のキャパシティーへの挑戦となるわけですよね?
そうなります。復活して、過去の曲だけを演奏して”懐かしいね。やっぱりいいね”でフェードアウトしていく復活をこれまで散々見てきました。そうじゃないんですよ。僕たちの復活は。復活というのは、前に進むこと。新しい未来を作ることが可能なことを復活というと思うんです。過去の曲が聴けるだけでは復活ではなくて。それならCDでいいんです。自分たちの新曲であったり、自分たちのよりパワーアップした姿をお見せすることが復活だと思いますので。その舞台としては、日本武道館が最もふさわしいかなと思いました。
──もしかして、新しい姿を見せるためにも『The Greatest Hits 2007-2016』は過去の代表曲をリテイクし、さらにそこに新曲2曲を加えた内容にしたんですか?
そうです。このベストがただ過去の曲を集めただけのものなら出すのを反対したと思います。今回せっかく復活するのだから、未来を感じさせる新しい曲を聴かせたいとも考えたんですが、復活ライブでは昔の曲も大切にやっていきたいんですよ。ここでもし復活した瞬間に全曲新曲のアルバムを出してしまったら、そちらを演奏しなければいけないので、セットリストにファンの方に聴いてもらいたい昔の曲が入れにくくなってしまう。そういうこともあって、昔の曲をリテイクするというのはタイミング的にもいいんじゃないかと。
あとは選曲ですね。Versaillesって様々な時期があるんですよ。どの頃のVersaillesが好きというのは、ファンの方もいろいろあると思います。ですが、この選曲を見ていただければ、いまメンバーがどこを向いているかがすぐに分かると思います。なぜなら、メンバーが選んだんで。これが今のVersaillesです。この選曲の先に、これから感じていただく、楽しんでいただく未来があり。それを感じていただくために新曲を2曲収録しました。
YUKI(Dr.)
──先ほど触れた新曲と、もう1曲「Chandelier」という新曲が収録されてましたね
はい。ここにある”信じる力を信じて”という一節はHIZAKIがいってた愛の考え方なんです。HIZAKIは”人間愛”について語らせたら止まらない人なんですね。それで、”愛というものは愛しているから、信じなければいけないんじゃなくて、信じているから結果愛している。それが愛なんじゃないか”とHIZAKIが言ってて。
僕がVersaillesが活動を休止するとき、”復活を待っていてくれとはいいません。でも信じていて下さい”という言葉を選んだのも、そういう理由なんです。
──あの言葉の根底にはHIZAKIさんの人間愛が流れていたんですね。
そこから3年8カ月。実際にファンは信じていてくれた。”いつかVersaillesがなにかやってくれるだろう”と。それを、今回この新曲の歌詞として描いたんです。
──なるほど。楽曲に関して、これは前から質問してみたかったことなんですけど。Versaillesの曲ってどうやって作られてるんですか?
僕は鼻歌ですね(微笑)。原曲が出てくるのは鼻歌ですけど、そのあとはすべてを作り込んでからメンバーに渡します。
──鼻歌が出てきたときに例えばバイオリンやピアノなども出てくるんですか?
できてます。鼻歌が出るってことは、そのバックのイメージもあるということなので。メロディーが出るということは頭の中でコードが鳴ってるということですからね。全部アレンジは出てきます。鼻歌で考えたほうがアレンジには困らないんですよ。逆に、ギター弾きながらとか、鍵盤弾きながらメロディーを考えたときのほうがアレンジを悩みますね。頭で考えて作っていますから。
──そうだったんですか(微笑)。例えば、どんなときに鼻歌で生まれやすいとかあるんですか?
散歩したり……道を歩いてるときが多いですね。「DESTINY」もそんな感じで作りましたから。
“美の信念”について語る!