「ネギ、エビ、アスパラ……美味しそう」(笑)
川瀬 『ぐるぐる~』が始まった頃はフェスとかイベント自体があまりなかったんですよ。今はインディー系のフェスとかサーキットイベントもたくさんありますけど。
DOTAMA 2010年以降ぶわっと増えましたよね。『廃校フェス』のころは全然なかった。
川瀬 『インディーファンクラブ』が2010年からかな? 『廃校フェス』は2年目がソールドアウトしたんですよ。それで埼玉に行ったら全然入らなくなっちゃった(笑)。DOTAMAさんにも出てもらった2014年の『ぐるぐる回りたい』は、初めて都内でやった『ぐるぐる~』のイベントで、水曜日のカンパネラとか笹口騒音とかKAGEROに出ていただいて。
DOTAMA コムアイちゃんが白いチャイナドレス着て歌ってましたよね?楽しかったですね。
川瀬 そうなんですよね。DOTAMAさんはKAGEROのルッパさん(Sax.)とかとコラボ経験はないんですか?
DOTAMA UHNELLYSのKimさんのセッション企画で何度かご一緒させてもらいました。KAGEROさんはこのとき初めて観たんですけど「うおー!カッケー!」と思わず叫んで。ライブの光景、いまだに覚えてます。
川瀬 KAGEROは今年も出てもらいます、当時から盛んに海外公演を行ってましたけど、最近もNYとかでやってるみたいですね。あ、“ミスターぐるぐる”こと笹口は相変わらずです(笑)。このイベントはすごく記憶に残ってて、その年の『ぐるぐるTOIRO2014』でもFragment×DOTAMA名義で出てもらったんですよね。
DOTAMA 『ぐるぐるTOIRO14』も楽しかったですね。ドイツ人カップルの出演者の方が特に。確かお名前は…。
川瀬 あ、Les Trucs! LAGITAGIDAと一緒にツアーしてたんです。初の海外アーティストですね。最初で最後かも?(笑)。あの2人には僕もビックリして。
DOTAMA 最高でしたね。こんなの観たことない!って思いました。お二人でマッドサイエンティストの博士のコントに出てくるような機械を背負いながら、それに付いているライトと音が連動してて……テクノなんだけど独特のエレクトロニカも混ざっていて、しっかりグルーヴしてて。音もパフォーマンスも素晴らしかったですね。
川瀬 やっぱり海外にはスゴい人がいるなあって思いましたよね(笑)
DOTAMA あと、降神(オリガミ)さんを何年ぶりかに観て。
川瀬 ここで復活!っていう触れ込みだったんですよね。
DOTAMA 7~8年ぶりくらいにライブを拝見したんですが、ブチ上がって、リリック全かぶせしてました(笑)。あの演劇のようなポエトリーラップの世界観を静かに観ているお客さんが多い中、ラストの「帰り道」という曲を大合唱しましたし。この年は個人的に降神さんとご一緒させていただけた事が本当に光栄でした。
川瀬 『ぐるぐるTOIRO2014』は、パスカルズ、Negicco、U-zhaan × mabanua、ASPARAGUS、溺れたエビの検死報告書、Fragment × DOTAMA、トリプルファイヤー、BELLRING少女ハート、が第一弾発表で評判が良くて手応えを感じました。スタッフにも「パスカルズとNegiccoが一緒にやること、そうそうないですよ!」って言われましたし、あと「ネギ、エビ、アスパラ……美味しそう」みたいな(笑)あとYogee New Wavesも出てましたね。今ではもう人気者になったアーティストが多くて盛り上がった。
DOTAMA フェスって、だいたい皆さん毎年決まった時期に開催されるじゃないですか。『ぐるぐる~』さんって開催時期がランダムですよね?やっぱり場所の関係があられるんですか?
川瀬 『ぐるぐる回る』ができるかどうかで、『~TOIRO』の時期も決まるんですよね。こだわりがないわけではないんですけど、やっぱり夏は野外がいいかなっていうのがあって。『~TOIRO』は屋内なので。
DOTAMA なるほど。
川瀬 大体みんな9月、10月と同じ時期に開催するので、そこで食い合っても仕方ないと思ってます。『ぐるぐる回る2014』は埼スタの規制がかなり厳しくなってはいたんですけど、それでも良い雰囲気でした。
DOTAMA 遊びにお伺いしましたよ。ステージ数が多かったですよね? 出演者も出し物も多くて、とても良い意味でゴチャゴチャしてて、フェスティバル感がありました。
川瀬 そういう“雑多感”が良かったんですけど、やり続けてるとだんだん普通になってきちゃうんですよね。いろんなフェスが盛り上がってくると、自分たちも他と比べ始めちゃうんです。お客さんや出演者の要求もどんどん高くなるから、そういう葛藤はすごくあって。もともと音楽をやる場所で開催してないのに、そういう要求に堪えうるようにと機材とか設備を揃えてると、すごくコストがかかる。あとは会場の理解がなかなか得られない。そうなると、どんどんシンプルにしていくしかなくなっちゃうんですよね。
DOTAMA 確かに。でも、その「音楽をやる場所じゃない場所」でやろうという試み自体が画期的ですし、素晴らしいんですよね。
■DOTAMAフリースタイル
『ぐるぐるTOIRO』代表・川瀬拓×ラッパー・DOTAMA対談[後編]