WHITE ASHの“らしさ”と“新しさ”を提供できるツアーにしたい
──そんな壮大な世界観をテーマに作られたミニアルバムを引っさげてのツアーは、どんな内容になりそうですか?
のび太 「Quest」に収録されてる曲たちは、『アニメ モンスト』の担当の方がWHITE ASHを聴いてくれていたこともあって、すでにライブ映えする要素を持ち合わせてるんですよね。だからライブで初披露したときに、すごく反応が良かったんですよ。
──ファン目線の「俺が観たいWHITE ASH」「俺が好きなWHITE ASH」がすでに入っていた、と。
のび太 そうなんです。ライブで演れば演るほど化けていく曲たちかなって思っているので、ツアーも楽しみですね。
山さん さっきも“ベスト盤みたい”って話が出ましたけど、疾走感のある曲とかバラードとかって、今までにも作ってきたんですよ。だけど今作に関して言うと、それぞれに新しさが含まれてるっていうか。今回のツアーでは新しい6曲をセットリストに盛り込むんですけど、今までの曲との相性も変わってくるだろうし、僕たち“らしさ”と“新しさ”のある曲が揃ってると思ってます。そういう意味では“ツアーもベスト盤”みたいにできたら良いなと、今メンバーと話をしている最中ですね。
──『アニメ モンスト』からWHITE ASHを知った人たちがライブに来てくれる可能性もあるわけですが、中にはロックバンドのライブは始めてという方もいるかもしれないですよね。
山さん それはもう、やさしく包み込むように……(一同笑)
のび太 でも、僕らのライブは基本自由というか、ワーッと騒いでもいいし、身体を揺らすくらいでもいいし。僕ら的には「音楽ってそれぞれの楽しみ方があっていい」っていう気持ちなので、「そんな大声を出したことないから恥ずかしい」っていう人も……。
山さん わかります。僕もわかりますよ……(笑)
のび太 心の中で叫んでもらえれば(笑)
彩 でも、昨日のライブ(「XFLAG PARK 2016」)でも楽しんでくれてる感はあったよね。曲中は静かに聴いてくれてるけど、終わった瞬間にはワーッと盛り上がってくださって。「あ、つまんないわけじゃないんだ」って、安心しました(笑)
山さん 分かりやすい反応が良いっていうよりは表情なんですよね、意外と。だから、PA卓の前あたりでめちゃくちゃいい顔してる人もいるし、僕より先輩であろう方が後ろの方でずっと踊ってくれていたりとか、そういう感覚が広がればいいなって。だから、反応というより表情を見てる感じっていうか……。
──表情重視ですね(笑)
山さん めっちゃ重視。……あ、表情重視派のバンド!みたいになっちゃうけど大丈夫?(笑)
のび太 でも表情は大事かもしれないですね。僕自身もライブ観るときって、基本ワーッてなったりしないんですよ。好きなバンドのライブでも「あ~良いなあ……」っていう感じだし。それって楽しんでるかどうかパッと見じゃ分からないけど、表情を見たときに「響いてるな」とか「ちゃんと聴いてくれてるんだな」とかっていうのは分かったりするものなので、そういう意味では表情って直接的な行為ではないけど、一番素直な反応なのかなって。
彩 楽しい曲とか嬉しい気持ちの曲では、演奏していても自然に微笑んでいると思うんですけど、私の場合は髪の毛で全て見えないので(笑)
剛 それはポジション的に俺も見えないですね(笑)
のび太 パート変える?(笑)
山さん せめてポジション変えようか?(笑)
のび太 もちろん、場所によってはアウェーなこともあるんですけど、そういうときに思うのは「あ、いてくれてる……」っていう(笑)。しっかりと最後まで見てくれているという事が、一つの答えかなって。
──それでは「Sympathy For The Monster」ツアーに来られる皆さんにメッセージをいただけますか?
剛 とにかく「Quest」っていうミニアルバムを通して、『モンスト』ファンとWHITE ASHリスナーの方々が音楽でひとつになれれば。そういう空間を作れたらいいなと思うし、そういう曲ができたと思っているので、とにかく一緒に楽しみたいという気持ちです。初日のO-EAST公演は大きな会場ですが、前回のツアーを経て“お客さんとの密な距離感を作りたい”っていうモードになっているので、今までになかった“会話感”というか、もっと近い距離感で演れたらいいなっていう気持ちですね。
のび太 特にリリースツアーなどに来ていただくときには、その作品を聴いてから来てほしいなっていうのは、もちろんライブ楽しめる要素としてあります。でも今回のツアーに関して言えば、極論ですけど、何も知らずに来たとしても楽しめるライブにしたいっていうのがあって。「この曲知ってるから好き」とか「知らないからちょっと……」とか、そういうことで楽しみ方が別れちゃうのは、ちょっともったいないなっていう気持ちがあるので、会場に来て、全然わかんないけど体が勝手に動いちゃうとか、すごく気持ちいいとか、そういうライブにできたらいいなと。とにかく「なんだか楽しそうなことが起こりそうだぞ」っていう気持ちを持って会場に来てもらえれば、あとは僕たちが最大限、おもてなしを……(笑)
山さん すでになつかしい(笑)
のび太 のび川クリステルでした(笑)
山さん さっきも言いましたけど、やっぱりWHITE ASHの“らしさ”と“新しさ”を提供できるツアーにしたいなと思ってまして。新しさという部分では、ファンでいてくれている皆さんはワクワクできるだろうし、らしさっていう部分では、『モンスト』ファンの方々もWHITE ASHに衝撃を受けてほしい。あと、僕はよくライブで言うんですけど、「友達になっていってね!」「つながってってね!」みたいな。お客さんにも「ひとりで来たけど友達できました!」って言ってもらえることが多いので、そういう“つながり”が今まで以上に作れるツアーにできたらいいなって思ってます。東京公演ではお客さんの数も多いので、よりつながりを広げていけたらなって。
──では、友達が欲しい人はO-EAST公演に行けば……?
山さん 「絶対つながれるよ!」って(笑)
剛 リスナーの中にも、これを機に『モンスト』を初めたっていう方が実際いますからね。
彩 ライブ中に『モンスト』やられたら嫌ですけどね(笑)
山さん ライブ中にマルチプレイの相手を探すとか(笑)。斬新だけどね!
彩 でも、それくらい自由に楽しんでもらえればなって。もっと気軽にライブハウスに来てほしいなっていうのはすごくあります。不良が集まるところ、みたいなイメージがあるかもしれないですけど、今は禁煙の会場も増えてるし、うちらのお客さんは……みんなやさしい(笑)
山さん 雰囲気が僕らに似てる(笑)
彩 実際『アニメ モンスト』とコラボしたことで、私たちの音楽が届いてると思うんです。「自分が好きなゲームをやってたら、たまたまWHITE ASHの音楽が使われてた」っていうきっかけはすごく良いことだし。今までライブハウスとかバンドに興味がなかった方々に、バンドサウンドに興味を持ってもらえれば、「音楽ってゲームみたいに面白いんだ」「同じくらい楽しめるものなんだ」って分かってもらえる自信があるので、気軽に遊びに来てもらえればいいなって思います。
■「Strike」Music Video