インタビュー:フジジュン
「群馬の手垢が付いた、地元のみんなが誇りに思ってくれるフェスが出来たらいいなと思って」
──9月24日、『山人音楽祭』が開催です。
茂木洋晃(Vo) 一昨年で『GUNMA ROCK FESTIVAL』が終了して、装いも新たにスタートします。群馬のスタッフだけで作っていた『GUNMA ROCK FESTIVAL』は何も分からないから何をするにもすごい時間もかかったんですけど、今回はディスクガレージさんに関わって頂いて、すごくスムーズに動けていて。「これが俺の本当にやりたいことなのか?」と葛藤することもあるんですけど、初めて開催した時の気持ちや大筋は変えずに、開催すること、続けることに意味があると信じて頑張っています。
──初開催の時に抱いていた気持ちとは?
茂木 群馬の人ってライブを見ようと思った時、東京まで簡単に行けてしまうんです。でもだからこそ群馬の手垢が付いた、地元のみんなが誇りに思ってくれるフェスが出来たらいいなと思っていて。たった一日でも、そう思える場所を作れたらと思って始めたんです。
──やはり地元愛なんですね。現在の群馬のロックシーンはどうなんですか?
茂木 ライブハウスやクラブは幾つかあるんですけど、時代背景もあって点と点になっているので。フェスを続けることで、“究極のローカライズ”を作りたいんです。僕もロックをやるには歳を取りすぎたので、みんなに届く大げさなことをやって同世代を叩き起こしたくて。「コイツらがやれるなら、俺らも何かやれるんじゃないか?」と思ってもらうのが第一歩です。俺たちがドーンと大きなことをやって、そこに地元のヤツらがなにくそ根性でかぶせてきて、一歩ずつでも前に進めればいいなと思ってるんですけどね。
──今回の出演者も広い世代に響くであろう、刺激的なラインアップになりました。
茂木 強烈に効く劇薬しか揃えてないですからね(笑)。ブッキングは僕とディスクガレージの西嶋さん、BADASS(所属事務所)の河内さんで考えてるんですけど、「全員が同意しなきゃダメだ」と決めて。何となくではない、出てもらう理由がちゃんと全部の出演者にあって。本当に良いメンツになりました。
──会場はグリーンドーム前橋。普段は競輪場として使っているところなんですよね?
茂木 はい。すごく良い会場ですけど、いつかは野外でやりたいですね。雨が降ったら悲惨ですけど、雨は雨で悪くないんですよね。人ってちょっと濡れたら、開き直ってはしゃいじゃうし、強烈に思い出に残りますしね。
──でも屋内だからこそ構えず気軽な気持ちでも来れそうですし、県外の人が群馬に来るキッカケになったら嬉しいですよね。
茂木 そうですね。ただ、来てもらうのは嬉しいんですけど、どう接待すれば良いのかなって(笑)。そうだ、群馬といえば温泉ですね。草津温泉とか水上温泉、伊香保温泉とか、温泉旅行も絡めて来てもらえば、絶対に群馬を好きになってもらえる自信はあります!
──わはは。いま群馬に限らず、各地方でたくさんのフェスが開催されています。
茂木 良いことだと思いますよ。本当はもっと濃くて凝縮されたライブハウスに連れて来たいんですけど、やっぱり一度大きく開かないと、そこにも連れて来れないのかな?って気はしますね。そこからライブハウスに連れて来れるかは、俺らバンドの勝負だと思うし。
──G-FREAK FACTORYも群馬在住ですし、バンドをやるのに東京に住む必要のない便利な時代でもあるんですけどね。
茂木 そうですね。地方にいてもフライヤーを撒くより効果的な宣伝も出来るんですけど…地方にいると時間の流れもスローで、相当なモチベーションと計画力がないと在京の人にはなかなか太刀打ち出来ないんです。絶対に埋められない溝があるし、本当に努力しないと差が開く一方なんで。そこは意識して踏ん張ってます。