──『天狗祭』は、具体的にはどういうふうに企画していったんでしょうか。
渡邊 八王子で、大きい会場でフェスやりたいっていう思いは、ずっと前からあって。2〜3年ぐらい前から「会場どこにしようか」って探してて。で、八王子市の方も、「一緒に何かやりましょうよ」って言ってくれて。八王子の観光特使に任命していただいたりとか、すごい応援してくれるんで、僕らも八王子で何かやりたいって気持ちはずっと持っていて。去年の武道館の時にも、八王子オリンパスホールでやらせてもらったりとか、自分たちのミュージックビデオも八王子で撮ったりとか。で、ようやくフェスをできることになったんですけど……八王子への恩返しと、やっぱりきっかけを作りたいんです。八王子と来てくれるお客さんのきっかけでもいいし、八王子って街を知ってもらうきっかけでもいいし。
あと、バンド主催のフェスなんで……バンドを始めた頃から今に至るまでの、出会って影響を受けたり、お世話になった人だったり、ともにずっと戦ってきた仲間だったり……本当に思い入れの強いアーティストを誘わせてもらってるんで。熱量のある、エネルギッシュなフェスにしたいなと思っています。
たなしん 八王子市の方が、メジャーデビューの頃から応援してくれていて。めっちゃいい人なんですよ。市役所の観光課の人なんですけど、会場選びとかも一緒に必死になって探してくれて。そういう気持ちに報いたいっていうのももちろんあるし。
あと、やっぱりマッチボックスとかRIPSとか、昔からお世話になってるライブハウスも……マッチボックス、このフェスにTHE WELL WELLSってバンドで出る、09っていう店長がいるんですけど、すごくアツくて。俺らがいちばん不遇だった時代、おカネもない頃に、「チケットノルマなしでライブやっていいよ」って言ってくれて。多い時は月10本とかやってたもんね。
渡邊 うん。
たなしん そういうつらい時に、すごい応援してくれてて。そういう人たちが喜んでくれるんですよ。だから、自分たちが今できることで、なんとか恩返しできればな、っていう、けっこうピュアな気持ちかもしんないです。
「ライブが終わった時の気持ちが楽しみです」(たなしん)
──いちばん楽しみにしてることは?
たなしん 最近よくフェスに出してもらってて。いろんなフェスがあるじゃないですか?僕がいちばん好きなのは、10-FEETの『京都大作戦』で。熱がすごくて。お客さんと、対バンのみんなの連携感というか。最後に10-FEETが出て、ソデにバンドマンがワーッと集まって、お客さんもバンドもひとつの感動、みたいな……あれはもうバンドマン冥利に尽きるというか。そういうステージを作れたらいちばんいいなって思います。自分たちの熱量がないとそういうふうにはなんないと思うんで、そこまでになれるかどうか、ライブが終わった時の気持ちが楽しみです。
渡邊 八王子でこういうロックバンド主催のフェスって初めてのことだと思うんで。シンプルですけど、お客さんが「来てよかったな」「また来たいな」って思って、笑顔で帰ってくれればいいな、そういうフェスになったらいいなと思います……正直、自分の方は、まだ楽しむ余裕もないので(笑)
近日公開。お楽しみに!
◆渡邊幸一による”八王子天狗祭2016 「エスフォルタアリーナ八王子への行き方 」”動画